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第40話 Aランク昇格試験

お読みいただきありがとうございます。

今回少しだけ長いです。



レイアは、サイフィズさんの食事に舌鼓を打ってから、自分の泊まる宿に帰っていった。


食事中の会話からも彼女は本当についてくるつもりのようだ。さらに食事してからのエルフの国への興味は相当なものだった。

飽食の時代ともいえる日本を生きてきた(はず)の俺がここまで惹かれるのだから、娯楽に乏しいこの世界しか知らない人からしたら、それはもう大きなカルチャーショックを受けたことだろう。


食事中に驚いたのはそれだけではなく、レイアの食事量にも驚いたものである。

獅子王面リオウマスクの体のサイズ故か人化した状態でも俺はかなりの量を食べることを自覚していたが、彼女はそんな程度ではなかった。俺の数倍の量を食べていった。

宿屋家族としては追加料金が払われるため何の問題もないが、問題なのは、俺のお財布事情だ。ゴブリンエンペラー討伐による報酬は、ギルドマスターに口座にいれてもらえることになってるから、当面は大丈夫だ。それに、旅の最中は、魔物でも狩ってそれを料理すればいい。〔家事〕は料理にも効果があるスキルだから、味は問題ない。どうせなら、サイフィズに教わってみるのもいいかもしれない。


実は〔家事〕は味に補正があるとしても、塩振って焼いただけじゃ、さすがに限界があり、料理を学んだ人の料理の味には遠く及ばない。スキル熟練度の差が如実に表れるのである。まあでも、あの量になると、そんなの関係ないか。


彼女がついてくるのであれば、彼女はSSSランクとしての適切な依頼を受けることは不可能ではないが、あまり活発にはできないだろう。そう考えると、懐事情としては心もとないのである。

聞いた話では、Aランクの依頼はBランクまでとは報酬のケタが違うようだし、Sランクともなればもっとだ。昇格すれば、お金のは困らなくなるとは思うので、やはり、これからの目標としては第一にAランク、もっと言えばSランクに上がることかね。


はあ、稼がないと。


レイア達吸血鬼は一般的に“吸血を食事としている”といわれているが、実際は“上級以下の吸血鬼は血が必要”である。それは血液中の鉄分の摂取が必要であるからだ。

レイアのような真祖吸血鬼以上の吸血鬼は、必要な鉄分量が極端に減り、それは食事中に含まれる鉄分だけで補うことができる。

しかし力の大きさによっても鉄分の必要量が変わり強ければ強いほど多くの量を摂取しなくてはならない。よって、大量の食事となるわけだ。それでも吸血するよりは少なく済むわけではあるが。


そんなわけでレイアは食事についてあまり妥協をしない。自分でもいろいろするようだが、そこまで得意ではないようだ。その分うまいもののために依頼を受けたりなんたりとしていたようだが、エルフの国が食の都であることを宿屋家族から聞いて、我慢ができなくなったらしい。


俺がAランク以上になったら、王都から組合連合国ミツバを抜けてエルフの国に行く様だ。俺には決定権はないらしい。まあ、もちろん俺も異論はないのだが。










それからの日々は慌ただしかった。

ひたすら依頼を受け、Aランクの冒険者用の依頼も受けた。ルグラは鉱山都市であるため、鉱山の中での依頼が多くなる。鉱山の中はダンジョンになっていて、地上0階に当たる位置に入口があり、そこから、上と下に向かう二つの道がある。両方とも進むほどにモンスターは強くなり、最上層、最下層共に難易度Sランククラスになっていく。


最下層では魔力を含んだ鉱石が産出され最上層では魔力が含まれない鉱石が産出される。本来ならどちらか一方のみというのが一般的だが、さすがのダンジョンといったところか。


このダンジョンにはいろいろな種類の魔物が生息しており、これまで受けた依頼の中でもいろいろな魔物の相手をした。

ダンジョンを下っていくと、主に魔法生物が闊歩している。ここでいう魔法生物は、ゴーレムが主だが、中にはダンジョン内で死んだ冒険者の防具が魔力を帯びて魔物化したリビングアーマーなどもいる。

逆にダンジョンを上がっていくと、洞窟系の魔物、ケイブスパイダーやケイブバットといった魔物がいる。バットやスパイダー系統の魔物は死の祠にもいたが、いずれも死の祠の最序盤程度の強さしかなく、ほとんど一撃だった。


俺はDランクの冒険者であったが、レイアとパーティーを組んでいると俺のランクとの平均を取ってAランクまでの依頼を受けることができた。そして、格上の依頼を受けるとその分ギルドからの評価も上がりやすくなる。





ランクの昇格を目指して依頼をガンガン完遂して、恙なく3か月ほどたったころ、俺はルグラではそこそこ有名になっていた。いろんな意味で。





「おい。見ろよ、死神と女神様だ。」


「ほんとだ。それにしても、美しい。そして、チッ」


そう。俺たちのパーティーはギルドに対する貢献値を稼ぐためにも、高難易度の依頼ばかりを優先して受けていたため、その甲斐あってかどんどんランクは上がり、三か月たった今では冒険者ランクはBランクまで上がっていた。さらにパーティでは最大Sランクまでの依頼を受けることができ、もはやルグラでは知らないものがいない言えるくらいには名が知れたと思う。


Aランクの依頼を受けていたころ、偶然一緒になった冒険者などに俺の戦闘を見られたためか、その時あたりから、二つ名が付いたらしい。

もっと言ってしまえば、Cランクへの昇格試験とBランクへの昇格試験において、試験監督を、手持ちの大鎌で瞬殺してしまったことも由来の原因だろう。

あの時は試験会場で使われた魔道具があれば、死んでも退場されるだけで済むって聞いて、嬉々として大鎌で首をはねたこと悪かったかもしれないが。


冒険者としての二つ名はギルドでも正式に登録され、以後、依頼などでも自己紹介時に言うことが推奨される。何とも恥ずかしい制度だ。

レイアはSランクになった頃に、その美しさから、『女神』と呼ばれ出したようだ。それ以前にも〔自然魔法〕という天候をも操る神のごときスキルも理由となっているようだ。


ここで今更だが、俺の二つ名になった『死神』の由来は、その所業のみならず、俺の格好にも由来するようだ。黒いローブに巨大な鎌、まさしく死神といったようなものだろう。いつか聞いた貴族対策に常にローブを被っているため、顔が見えないというのもそう見える理由だろうか。あとは『女神』のパーティーメンバーというのも関係してるらしい。

死神本人と話したことがある身としてはどうにも変な感じがする。


あれだけきれいなレイアと一緒にいるんだから、嫉妬されるのはしょうがない。

一緒にギルドにきて依頼をしてから同じ宿に帰っていくのを目撃されているのだから、しょうがない。

そう、あの後、レイアは、すぐに俺と同じ宿に移った。食事目当てだが、それ以外のサービスも気に入っているらしい。

パーティーとしては近くにいることで相談もしやすくなるからいいんだけどね。




話は今に戻るが、今日俺がギルドに来たのは、ランクアップ試験のためだ。試験といっても戦闘試験なので、何も心配はいらないが、すこしは緊張する。主に殺してしまわないように、という意味でだが。この試験では、あの便利な魔道具は使わないらしい。これまでの試験では、俺と試験官の力に大きな差があるとギルドマスターが判断して特例として使用が許可されたようだ。


受付までレイアと一緒に向かっていく中、どうにも視線が煩わしい。


「いいよなあ、『死神』。あんなきれいな人と一緒に依頼を受けれんだろ?うらやましいよなぁ。」


「ああ、確かにな。どうにかして入れないかな、“根源に至る者(アビス)”。」


「おまえにゃ無理に決まってら!〔親父〕なら可能性はあるかもしれないけどよ。ルグラを拠点にしてる限りはあり得ないだろうなぁ。」


がっはっはっは、と笑う周囲の有象無象(冒険者たち)。会話の中にチラッと出てきた“根源に至る者(アビス)”というのは、俺とレイアのパーティー名である。

ま、わかりやすいだろ?そういうことだ。


そんなこんなで、受付にたどり着く。

もちろん担当はフィンさんだ。彼女が休みの時は他の受付に行っているが、一番対応が早いのがフィンさんだから、それも自然なことって感じだ。


「やあ、フィンさん。ギルドマスターいるか?ランクアップの試験を受けにいたのだが。」


「こんにちは、アルカナくん、レイアさん。ええ、いるわ。呼んでくるわね。」


いつものように挨拶をして用件を伝えると、フィンさんは心得ているとばかりに裏に入っていって、時間もかけずにに戻ってきた。呼んでくるという割にギルドマスターはついてきていない。

どうしたんだろうか?


「待たせたわね。アルカナくんは執務室に行ってちょうだい。そこにギルドマスターと今回の試験官がいるから。たぶんそのまま試験に入ると思う。今回は救済用魔道具の使用は認められていないけど、必要はないと思うから安心して試験に集中してね。」


執務室で試験をやるってことはギルマスが場所を提供してくれるのか。それに試験官はだれなのか知らされていないのも初めてだ。以前の昇格試験では事前に誰か告げられていた。

悩んでいてもしょうがないので、フィンさんに礼を言ってその場を後にする。






コンッコンッ、執務室のドアをノックする。「どうぞ」といわれて、ドアノブを握る。



俺たちのパーティーは、この試験でAランクになったら、すぐにこの町を出るつもりでいる。

最近になって俺のことをこそこそ聞きまわっているやつらが出てきた。どうやら冒険者ではなく誰かの私兵の様で、それを辿っていったところ、いつか聞いた何とかって言うクズ貴族の関係者だった。レイアも良く思っていないようだし、そもそも貴族は面倒だからとっとと出ていくことにしたのだ。


このことはすでに、仲良くなった人たちには言ってある。フィンさんやドヴァル、ギルドマスターに宿屋の面々など多くの人に世話になった。皆に礼と別れを告げ、準備が整った後にここに来たのだ。

つまり俺はここで試験を落ちるという選択肢はなくなっているということだ。


ドアノブを握る手に力が入るが、自分が強いと心の中で言い聞かせドアを開ける。


執務室に入ると、そこにはギルマスとゴードンが座って待っていた。


「あれ、どうしてゴードンがいるんだ?」


「おう!今日の試験官は俺が務めることになったのよ!よろしくな。」


まじか。Sランクの冒険者が試験官に出てきたのは初めてだ。でも、ゴードンなら、そこまで手を抜く必要がない。何度も模擬戦をしているし。あれから俺も〔鎌術〕が〔鎌技〕になって、より強くなってしまった。だから、あまり手加減するのも楽じゃないのだ。

魔道具が必要ないっていうのは、こういうことだったのか。納得したわ。


「というわけで、今回の試験はゴードンくんに頼むことにしたよ。僕の空間でやってくれれば周りへの被害は考えなくていいし、何より、君も変に手を抜く必要もないだろ?」


「ああ、ありがとう。願ってもないさ。正直Aランクの冒険者が相手でもこれまでとは変わらないとしか思ってなかったからさ。」




そして、昇格試験が開始される。ギルドマスターの掛け声で位置につく。


「それでは、これよりSランク冒険者『親父』ゴードン・ドーガによるBランク冒険者『死神』アルカナのランクアップ試験を執り行う。試験官はゴードン・ドーガ並びに私、冒険者ギルドルグラ支部ギルドマスター、エルサリウムエレイン=ルフ=オリジンが務める。両者、正々堂々と構えて・・・・・・・・・はじめ!!」



このとき俺はいくつかどうでもいいことを考えていた。


ゴードンの二つ名、『親父』って、だいたい理由もわかるが、さすがにないわ。依頼の時に名乗ることを推奨されているのに不満はないのだろうか。


あと、ギルドマスターの名前初めて聞いた気がするけど「エルサリウムエレイン=ルフ=オリジン」って長くね?エルフ特有のものかと一瞬思ったけど、宿屋の家族はそんなことはなかった。まあ、フルネームを聞いたわけじゃないしわからないか。



閑話休題(話を戻す)


俺とゴードンは開始と同時に地面を蹴る。そして、空間中央部でぶつかると、武器を合わせる。ゴードンの大楯は骨組みにドヴァル合金を使っていると聞いたことがある。ドヴァル特製なだけあって、イシュガルでも貫けない。まあ同じ素材であればそれもしょうがない。


今までの試験では、俺がイシュガルを振り、試験官の武器を破壊したり首を落としたりしただけでおわっていたために、戦闘になることはなかった。しかし、これではそのようにはならない。それにゴードンも伊達にSランクではない。戦闘経験は今までの試験官よりもあった。

イシュガルでドヴァル合金以外の部分にあてることができれば、大楯を削ることもできる。

しかしゴードンはその戦闘経験や技術、戦闘勘で、俺の大鎌の軌道に丁寧に合わせてきている。


俺はゴードンに持てる速度のすべてをかけて鎌を繰り出すが、ゴードンはそれをすべて大楯で受けきる。

相当な速度で多角的に仕掛けている連続攻撃がまさかすべて受けきられるは思っていなかった俺は、その顔に驚愕を張り付けていることだろう。

情けないが、大鎌だけでやれると思っていたのは、俺の驕りだったようだ。


「どうした?そんなもんか。俺もお前に攻撃は届かないだろうが、お前の攻撃も届かないぞ。お前は強い。それはだれもが認めるだろう。しかし、あまり実力が近い相手との戦闘経験は乏しいだろ?これでも俺はSランクでも歴が長い方だ。格上とは何度も戦ったし、何度も退けてきたんだ。そう簡単にはいかせないさ。」


ゴードンは俺のほうが格上といってはいるが、そんなことは感じないほどにすべてをさばききっている。

どうしてあの速度についてくることができるのかわからなかった俺は、ゴードンに〔戦力把握〕を仕掛ける。以前も見てはいるが詳細の確認はしていない。今は戦闘中だから無許可でいいだろう。


確認したところゴードンには〔全方位防御オールガード〕という【固有スキル】があるが、それは、自分の体の周りに盾より少し劣る程度の結界を張るスキルであった。今のゴードンは俺の鎌をすべて直接盾で受けているためこのスキルの発動はされていない。あくまで保険的な意味合いだろう。


見た結果、ゴードンは以前見たときより、新しいスキル、それも【固有スキル】を得ていた。その名も〔攻撃予測〕。先読みできるスキルの様だが、間違いなくこれだろう。それを100%使いこなしているあたりさすがとしか言えない。よほど修練を積んだんだろう。俺との模擬戦の時は隠していたみたいだし、試験官の話自体はもっと早くにいっていたかもしれないな。


「そんなつもりはなかったんだが、少し侮っていたようだな。ここからは全力を出して倒すよ。」


今の速度ではすべてに対応されてしまうため、イシュガルをしまい、無骨な手甲をつける。もちろんドヴァル合金製だ。俺はこの3か月の間で体術を覚え、〔拳術〕を手にいれて今では〔拳聖技〕になっている。〔拳骨〕もあるので、実は〔拳術〕は相性がいい。

〔拳術〕のメリットは大鎌の様に大振りにならず、これまで以上にスピードに乗った攻撃ができることだ。


ガンガンと手甲と大楯がぶつかり音を立てている。手甲は銘こそないもののいい武具である。それにとりまわしやすい。ドヴァル合金部分で受けようと盾を動かすが、当たる直前で打点をずらす。

そうすれば、ドヴァル合金に対して、他の金属では役不足になる。どんどんと攻撃を受けるたびに立ては損耗していき、ドヴァル合金以外の盾面積がみるみる減っていく。盾の真芯にドヴァル合金が使われているので、どんどん細くなっていき、ついには電柱程の太さの板盾になってしまった。


そこからの展開は早かった。


ゴードンの予測が間に合わない速度で盾を避けるようにして体に拳を打ち込んでいく。

ゴードンの装備もドヴァルの店の品だけあって堅いが、ドヴァル合金ほどではない。そこに連撃を加えることで防具自体の限界も来る。


ばきん、という音がして、ゴードンの防具が壊れて膝をつく。それを好機と見て、すかさずゴードンの顔の前に拳をつきだす。


これでチェックメイトだ。


ゴードンは両手を上げて降参の意志を示す。


「負けたよ。まさか、あそこで大鎌をしまうとは思わなかった。俺の作戦ミスだな。もちろん、お前は合格だ。あーあ、装備がほとんどだ目になっちまった。全部買い直しだが、どうするかな。」


ポリポリと髪の毛のない頭を掻きながら少し遠い目をしている。

さすがに装備全部となると相当な価格になるだろうし、申し訳ないことをした気分になる。


そんなときにギルドマスターが拍手しながら近づいてくる。


「さすがです。これで試験は合格ですので、ギルドカードをください。あ、ゴードンさんの装備に関しては問題ありませんよ。ドヴァルに同じ規格のものをすでに作成してもらっています。これも試験官への報償ですので、遠慮なく受け取ってください。」


さすがにギルドが頼んでおいて補填しないなんてことはないようだ。


ホッとして、近づいてくるギルドマスターにギルドカードを渡し、俺はレイアが座っている二人掛けの椅子の隣に座る。忘れてはならないのが、ここはギルドマスターの執務室なのだ。ギルド員としての仕事もできるようになっている。

それに、思っていたほど執務室はあれなかった。両者とも魔法は使わないし、武器同士がぶつかる衝撃くらいしか影響はないからだろう。


そして、すぐに作業を終えて戻ってきたギルマスは俺にカードを返す。


「おめでとう。これでアルカナくん、君はSランクだ。おめでとう。」


あれ?Sランクとはどういうことだろう。Aランク昇格試験じゃなかったのだろうか。


「俺はAランクじゃないのか?」


「あほか。Sランクの俺を倒せるやつがAランクなわけがないだろ。今回の試験はギルマスの権限でSランク昇格試験なんだよ。」


起き上がりながらこちらに来たゴードンが衝撃の事実を言う。

確かにそうか。Sランクに勝てるAランクってあり得ないよな。だけど、Sランクって特定の都市か特定の人物2人の承認がないと試験すら受けれないんじゃなかったっけ?


「ああ、言い忘れてたけど、今回の試験の推薦人は私とレイアさんだ。特定の人物ってことだね。ギルドマスターとSSSランク冒険者、これ以上はないだろう?ただこの条件って、ちょっと面倒で、推薦人は試験官になれないんだ。だからゴードンくんにお願いしたわけさ。そんなわけで、これからはSランクとして頑張ってね?」


ニコッと笑ったギルマスに俺は体を震わせた。その言葉の裏にあるのは、ルグラに何かあったら力を貸せってことだろう。面倒くさい。俺の答えは決まっている。


「誠心誠意頑張らせていただきます」




だって、怖いんだもん。力がすべてじゃないんだよ。この世は。できればもうギルドマスターの黒い笑顔は一生見たくはないものだね。







王都へ向かいましょう


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