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第31話「協力者が得られるならいいことだよな。」

お読みいただきありがとうございます。



なんで、ギルドマスターが土下座してるんだ。

謝ってくるようなことされたっけ?されたな。

さすがに人を勝手に鑑定するのはマナー違反だろ。

フィンさんも簡単に自分のスキルなんかを人に話してはいけないっていってたしな。

本当にそれが原因かはわからないし、とりあえず聞くだけ聞いておこうか。


「ど、どうしたんです?」


俺の言葉にギルドマスターは大きな声で答える。俺が少しどもってしまったのはご愛敬。


「すいませんでした。お気を御鎮めください、神獣様!!どうかこの私めの命だけでご勘弁願えませんでしょか?!」


ギルドマスターは土下座をしたままの態勢でしゃべっているためかなり聞き取りにくいが、どうにも聞き捨てならない言葉があった。


...こいつ、俺のことを神獣って言ったな。なぜわかったのだろうか。なにかのスキルでわかったのか?だとしたら、【伝説級スキル】での鑑定でもしたのかもしれない

さっきの簡単にした〔戦力把握〕では名前と称号くらいしか見てなかったのが良くなかったな。慢心だったかもしれない。


俺がよく使うスキル筆頭に〔戦力把握〕がある。〔戦力把握〕には段階があって、それによって見る情報に制限がある。俺が使っているのは、基本的に一段回つまり簡単な情報までなのだ。

なぜすべてを見ることをしないのかというと、むやみやたらに100%のステータスを覗くと相手に勘付かれる可能性が非常に高まることがわかったからだ。

ゴードンの時は警戒して慎重に覗いたためばれずにすべて見たが、ギルドマスターに関しては、その他大勢と同様、名前と称号だけを見て十分だと判断し、一段階で納得してしまい深く見ることをしなかった。


鑑定をかけたことがばれなかったのはいいことだが、それでミスをしては元も子もない。これからは、慎重に全部見よう。


そういえば初めて俺を見たときになんだか驚いた顔をしていたな、その時か。

とにかくこの状態を何とかしよう。ずっと土下座をされているというのは気分がよいものではない。もしかしたらこれが気分がいいという奴もいるかもしれないが、少なくとも俺はそうではない。


「とりあえず立ってくれ。この状況を誰かに見られたら面倒だ。それに俺は意味も分からず土下座されるのは好かん。」


「しかし、あのような無礼を働いたのは私の落ち度。いかようにも罰してくだされ。」


罰してくれって別に何もしてなくね?ますます訳がわからん。「鑑定した」程度の認識なんだが、違うのだろうか。神獣っのが原因だろうか。俺は無理やりギルドマスターを立たせて話の続きをする。


「どうして俺を神獣だと思う?スキルか?」


「はい。私には、〔神聖視〕というスキルがありまして、神獣様や神様、聖獣などを認識することができるのです。先ほどリオ、いえ、アルカナ様が入ってきた時になんだか懐かしい気配がしてそちらを見たらあなた様だったということです。」


リオウを知っているような口ぶりだな。リオウは引きこもりではなかっただろうか。俺をリオウと間違えているのか?直接聞いてみるか。


「俺はリオウではないぞ。俺の名はアルカナという。」


俺の言葉にギルドマスターは驚きの表情が隠せない。どうやら本当に俺をリオウと勘違いしていたようだ。数秒して何とか持ち直し、質問してくる。


「リオウさまではないとすると、あなたは、どういった方で?たしかにその姿形は私が知っているリオウ様の姿ではございません。しかし、その神聖なオーラはリオウ様のものであると記憶しております。」


「その前に教えろ。俺をどうしてリオウだと判断した?そのスキルでは聞く限りでは、どんなものかわかるだけで個体名はわからないと思うのだが。」


「それはですね、この世界においてリオウ様のほかに人化するときに獅子獣人になるような神獣の方はおりませんので、必然的にリオウ様になるのです。」


「ふむん。そういうことか。そうであるなら俺のことをリオウと勘違いしてもしょうがないか。それならば俺のことを話してから答えを明かしたほうがいいな。余計なことが起こらないといいが。」


明かすことにデメリットは少ないと考えて、俺が転生者であることを除いて、まず、神獣ではないこと、スケルトンであること、オーリィンの差し金であること、リオウと戦ったこと、骨の王であること、最後にアンデットアンデッドのことを話す。

所々で、ギルドマスターは驚いたり興奮したりでうっとうしかったが気にせず話した。


「なるほど、骨の王ですか、伝説でしか聞いたことがない存在ですよ。しかし今の姿はどう見ても獅子獣人に見えますな。それはどういった事情があるんでしょう?アルカナ様は骨の王ということは、本来の姿は骨の姿なのでしょう?」


俺が聖獣じゃないと知った瞬間緊張が解けたな。それだけ神獣というのはとんでもない存在なのだろうが。まあ、かしこまられるよりはいいが。


「ああ、これは俺のスキルでリオウの皮を被っているってところだな。たぶんだが、〔神聖視〕に引っかかったのは俺が、骨の王で獅子王面リオウマスクをつけているからだと思うぞ。」


俺としてはリオウとギルドマスターの関係が気になるが、特に話すつもりはないようだ。ギルドマスターは考えるようにうつむく。そして意を決したように俺を見て言う。


「アルカナ様どうかここで人化を解き、本来の姿に戻ってはいただけないでしょうか?」


「別にいいが、その様と敬語はやめてくれ。他のやつが不審に思うし」


そうなのだ、俺に対してあまりにも不自然な敬語はどうやっても他の人間に怪しまれる恐れがある。そんな面倒は絶対に嫌だ。それに俺は神獣ってわけではなくてただの神一歩手前ってだけだ。

俺が次の死神になるのは決定みたいだが、そんなの数千年先みたいなことを言っていた(オーリィン談)。


「そう言うことであればそうしましょう。それで、お願いできるのかな、アルカナくん?」


すぐに戻してもらえたな。一気に戻った。とりあえず人化を解くか。協力者が得られるならいいことだよな。でもいいのか、こんな簡単に俺の、いや、リオウの姿をさらしてしまって。


俺が悩んでいると、頭の中に声が響く。まあ、見てるよな、そりゃ。最高神の一柱であるようだし、それくらいはできるだろう。


『別にいいぞ。お前の好きに動いてくれ。リオウもそういっているし、そいつはリオウの生前の知り合いみたいだから、事情も話して大丈夫だ。』


できることは予想していても、突然のオーリィンの声に驚いてしまった。

俺にだけ聞こえているのかと思ったら、前にいるギルドマスターにも聞こえているようだ。いきなり聞こえた声に疑問符が湧いている。俺がその声の主がオーリィンであることを教えると、目を見開き膝をつく。


あとから聞いた話だが、エルフは、種族として3柱の最高神を信仰しているようで、その神獣であるリオウにも敬意を払っているようだ。中でも長寿であるエルフは死を司るオーリィンを最も信仰が厚いらしい。


『とにかく、話してもいいがあまり触れ回るのはよしてくれよ。じゃあな。』


なんだったのか、いきなりすぎだ。しかし、好きにしていいというのなら話が早い。ギルドマスターに話を振りなおす。


「じゃあ、人化を解くがいいか?すぐだから。」


人化を解除する。

体が光りだし、視界に光が広がった。光が収まると、そこには、体高5mを超えるライオンがいた。いや、白いライオンになった。


ギルドマスターの反応は、まあ、そうだよな。

やっぱり、驚いている。リオウよりも大きくなっているからな。どうしてだか、おれにはわからないが、なじんできたころに大きくなった気がした。気がしたってのは、これまで人化を解くタイミングがなかったからである。

人化時の身長もそれに合わせて伸びている。気づいたのは、ドヴァルのとこの帰りだ。目線が変わっていた。


俺はそのままリオウマスクを装備解除して本来の姿に戻る。元の姿は、骸骨だから裸だ。まあ、別段恥ずかしくもないからいいか。


「これでいいか。これが俺の本来の姿だ。スキルやステータスに関してはお前らが束になってもかなわないと思ってくれればいい。」


「ええ、それはわかっていますよ。ここにいるのも嫌になるほどの圧迫感だ。その鎌も

なんだか様になっていますね。」


イシュガルも俺の姿に合わせて装備してみたのだが、かなり似合っているみたいだな。やっぱり死神って言ったら鎌なのかな?


「とりあえずこれで信じてもらえただろうか。それなら俺は、依頼を受けに行こうと思うのだが。」


「はい。十分すぎるほどわかりました。ただ、普段はこの腕輪をつけてください。私の〔神聖視〕のように、魔物を判別するスキルがあるのですが、それには、所謂人種か否かを判断するだけしかできないので、聖獣や神獣様にまで攻撃する輩がいます。それらをかわすように作りました。もともとリオウ様用だったのだけど、君なら大丈夫でしょう。本当ならそのまま緊急依頼の方を受けていただきたいのですが。」


面倒なやつもいるもんだな。とりあえずやられることはないだろうけど見つかったら面倒だっただろうしありがたいしもらっておくか。

俺はリオウマスクを被る。やっぱりでかいな。小さくなれないもんかな。

そう思いながら魔力を纏ってみると、少しだけ小さくなった。さらに強く念じる。また小さくなった。魔力で圧力をかけることで体を圧縮する。


《個体名アルカナは通常スキル〔縮小化〕を取得しました》


久しぶりの使えるスキル取得だラッキーだな。


「突然小さくなったけどどうしたんだい?」


俺がスキル取得したことを伝えると、ギルドマスターは、驚く。

普通は、こんなに簡単にはスキルはえらことはできなりそうだ。神様の恩恵かな?


人化して元の姿に戻ると、部屋のドアに手をかけて去り際に言う。


「俺もDランクになったから、もちろんこの依頼は受けさせてもらうよ。ま、まだ装備ができてないから、明日だけどね。俺は“美食の箱庭亭”に宿を取るつもりでいるから。」


それじゃ、と後ろ手を振ってギルドマスターの部屋を後にした。





リオウが彼にあったのは万年単位で昔の話です。神獣として自我が芽生え反抗心があった頃に祠を飛び出した際に出会っています。彼がそんなに昔から生き続けているのかというと、種族的に長生きできるのです。ちなみにハイエルフの寿命が約2000年です。


宿に行きましょう


拙作を読んでいただきありがとうございます.


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