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第28話 ギルド登録

お読みいただきありがとうございます。


フィンに呼ばれて窓口へといくとフィンはその手に何やらカードを持った状態で待っている。おそらくこれがギルドカードだろう。


「はい、これ。これがギルドカードなんだけど、それに魔力を流すか、血を一滴たらしてね。それで個人を認証するから。」


どうやら俺の想像のはるか上をいく技術力だ。


これはおそらく指紋認証に似たようなシステム何だろう。魔力は基本的に一人ずつ個性がある。基本的にはというのは、例外があり、双子、とりわけ一卵性の双生児では同一個性となる。つまりここで大事なのは、魔力は個人の識別に友好的であるということだ。


これは血液にも言えることで、血液には魔力が宿るため、ギルドカード登録には、なんにしても魔力が必要である。要は血液に含まれた個人の魔力を用いて個人登録するわけだな。


余談だが、この世界でも医療の現場では輸血が行われるが、魔力を含んだ血液は他人にそのまま投与しても魔力が邪魔するため人体内で活用することが不可能である。そのため魔力を抜いた後に投与する必要がある。こういったように輸血に際して他人の血液を利用するには魔力に関して長じている必要があるため、この世界における医者は医者であるのと同時に優秀な魔導士でもある。


閑話休題それはさておき


俺は言われたとおりに魔力を込める。ギルドカードは白いカードだったのだが、色が変わって金色になる。

その色を見てフィンが驚く。


何かまずかっただろうか。


「え、アルカナくんって、光属性持ちなの?すごいね。」


どうやらまずいということはないようだ。これでまずいことになって、逃亡しなければならない、なんてのは勘弁だ。

しかし、突然褒められた理由がわからない。おそらくこの体(王獅子)が原因なのだろうことはわかる。神獣の面をつけているわけだから、属性は光属性だろう、しかし、魔法は使えない。ブレスか纏いぐらいしか使いどころがない。神たちがアンデット討伐のために用意してくれたのだと俺は推測している。まあ、魔物としては俺はアンデットの枠組みにはいないようだから、もしかしたら自前で聖属性なのかもしれないが。


「それが、どうかした?確かに俺は光属性を持っているけど、魔法は使えないよ?」


「ううん。それでも十分すごいよ。ギルドカードはね、魔力を込めたり血を垂らしたりすると所有者の属性によって多少は色がかわるんだけど、普通はね、人には複数の属性があることが多いの。ギルドカードには一番得意な属性色が現れるんだけどそれでも潜在的にある属性色が出てきてしまうから純粋な色にはならないの、でも、アルカナくんの色はまじりけなしの金色。すごいのよ、これは。よっぽど聖属性の適性値が高いんだろうね。」


「そう何ですか。まあ、アンデットを狩るうえでは不都合がないならそれでいいですよ。それに魔物は個体差があるにしても光属性が効かないものも稀だし、あって困るものじゃないのはよかったよ。」


「ん?アンデットを狩るの?それなら何か情報でも見てみようか?」


「いやいいよ。今はアンデットを狩るつもりはないから。」


「そう?じゃあ、これで終わり…じゃなかった。ギルドの説明しなきゃね。必要でしょ?」


「ああ、頼むよ。」


そこからギルドの説明を聞いたが大まかにまとめると、


冒険者を束ねる組織で都市毎に支部がある。一つのギルドにギルドマスターが一人いて、組合連合国ミツバというところに本部があり、そこにグランドマスターがいる。


ランクはG,F,E,D,C,B,A,S,SS,SSSの10段階ありSSランク以上はすべて足しても20人以下。パーティーランクはメンバーの平均。


Gランクは討伐依頼は受注できず、Fランクより討伐依頼を受注できる。また、自分のランクより1つ高い依頼まで受けられる。しかし、討伐済みの場合はその限りでない。


緊急時には強制依頼として、拒否権のない依頼が行われる。参加しない場合ランクの降格または剥奪される。


Cランクからはランクを上がるためには試験を受ける必要があり、S,SS,SSSの場合は指定のギルドでないと試験は受けれない。また、SS,SSSは一定以上の功績が必要。Sランク以上に上がるためには、ギルドへの貢献値や信頼が必要。


最後にギルドの取決めとしては3つ

・ギルド員同士の争いは自己責任、しかし殺人は御法度

・盗賊討伐や犯罪者以外の殺人は即ギルド追放、指名手配。

・最低限の礼儀(場所によっては、形骸化してしまっている)



こんなもんだそうだ。

このルグラでは、ゴードンのおかげで大丈夫だそうだが、常識があって力のある冒険者のいない町ではほとんどならず者みたいな感じで冒険者の礼儀などないに等しいらしい。


フィンはギルドカードの説明もしてくれた。


ギルドカードには名前、ランク、パーティーが記録されていて、魔力を通すことで文字が浮かびあがる仕様になっている。また、銀行口座のような機能もあるようだ。さらに、討伐した魔物を記録してくれるらしい。


かなりオーバーテクノロジーだな。剣と魔法の世界に中世程度の文化レベルの中に飛びぬけて高いビルがあるようだな。


「と、こんなものかな。通常時はギルドカードも白いままだし、魔力を込めても任意で色が変わるよ。だから、属性がばれる心配もないから安心してね。」


「ああ、わかったよ。ありがとう、フィンさん。」


フィンは少し微笑むと俺に紙を渡しながら聞いてくる。

ギルドカードの色を変えながら、どうするかを考える。この世界を回ってみたいが

この町も気になる。とりあえずは依頼を受ける形でいこうか。聞いた感じはアンデットの情報もくれるみたいだし。


「これからどうするの?早速依頼を受けてく?おすすめはこれとかどうかな。アルカナくんみたいに子供でもできるGランク依頼だよ。」


俺は子供に見えてるのか。俺の見た目が15歳程度だからだろうが身長は170くらいはあると思うんだが。今まであったやつもみんな180はあったしな。たぶんだけど身長は俺のデフォルトなんだろう。ダンジョンで見たリオウはでかかった。変えることも可能だとは思うが、不便もないしこのままでいいや。それよりこの世界の成人って何歳なんだろうか?フィンさんに聞いてみる。


「成人の年齢?15歳だよ。ところでアルカナくんは何歳かな?16歳くらいかな?エミリアちゃんと同じくらいでしょ。」


うーん、たぶん実年齢はもう少し高いと思うんだけど、まあいいか。というより成人迎えてるやつに子ども扱いって人によっては怒らないか?俺はある種生まれたばかりみたいなところもあるから受け入れてるけど。とりあえず同意しておこう。


「そうだな。俺は16歳だ。」


「そうでしょ。私は18歳だから、お姉さんなんだよ?頼ってくれていいからね。」


「何かあったら頼むよ。あと、アンデットの情報も今度何かあったら頼む。」


なにかしら依頼を受けようと思って、フィンから視線を外して、渡された紙を見る。そこにあった依頼の紙はすべてGランク、つまりすべて採取や雑用などの簡単な依頼だけだった。


そりゃ登録したばかりの新人はGランクだし、おすすめの依頼もGランクだろうけど、薬草採取に引っ越しのお手伝い、なにに使うんだって言う丸い石の採取など、雑用全般といった具合だ。


「フィンさん、討伐依頼ない?さすがに採取依頼とかだと面白くない。」


こんな面倒な仕事は極力したくないと思って討伐依頼をしたいと意思を示すと、フィンさんは何を言うのかと驚いている。そして、俺を頭の先から足元まで何度も往復するようにじろじろと観察すると首を振る。


「だめよ、そんな装備じゃ。武器すら持っていないのに討伐依頼なんて受けさせるわけにはいかないわ。あなたは修行僧モンクではないでしょ?それに、Gランクに討伐依頼は受けさせられないわ。」


Fランクの討伐依頼くらいなら素手でも行けるとは思うけど、確かに今の俺はただぼろいだけの服と靴だ。忘れてたけど、装備なんてない。槍は一応持っているけど〔槍術〕はどっか行ったし、どうしよう。適当に買ってくるか。服はそれまでに着替えておけばいいだろう。



あ、ドワーフのお店に行ってこよっかな。



そうと決まれば、この都市で唯一の教えてくれそうなお姉さんにでもきいてみようかな。


「フィンさん、ここら辺にドワーフの店ってないかな?装備整えたいんだけど。」


「あるにはあるけど、高いわよ?稼ぎの少ないGランクの冒険者に払える額じゃないし。」


確かにそうか。彼女からしたら俺は新人もいいところだ。金なんてないと思っているのだろう。

しかし!!俺には"なんたらの狐"からもらったお金がたくさんあるのだ!!


ポケットの中から周りの人に見えないようフィンさんだけに白金貨を1枚見せる。それを見た瞬間にフィンさんの顔は驚愕に染まる。それはそうだろう。聞いた話じゃ、白金貨は一般人は持てるはずもないものだからな。


一瞬で再起動したフィンさんは俺を引き寄せ小声で話す。


「ちょっと!!そんなのどこでって、もしかして貴族なの?それとも商人の息子?いやそれにしても・・・・・・・・・まあいいわ。とにかく、そういうのは街中で出しちゃだめよ!!」


俺はあまりの剣幕に首がちぎれるかと思うほど全力で首を縦に振る。俺もむやみに見せびらかすつもりもないし大丈夫だろう。


「払えることがわかったし、いいわ。この町、いや、この国一番のドワーフの職人さんのお店に紹介状を書いてあげる。これでもこの町でならそれなりに顔が広いのよ。」


そういって、フィンさんは紙に書いて渡してくれる。どうやらこの都市に来て初めての知り合いは、とても顔が広いようだ。


「ただ、気難しい人だから、認められないと、武器を作っても売ってももらえないけど頑張ってね。」


やっぱり想像通りにドワーフは偏屈なのか。なんにしても楽しみだな。ファンタジーの定番種族だし。

フィンさんに場所を聞いた後、お礼を言ってギルドを後にする。これからすぐにでもドワーフに会いに行こう。目的が若干変わった気がしないでもないが、気にしないで行こう。


あーあ、武器と防具を手に入れて早く依頼を受けたいな。


ドワーフに会いましょう


拙作を読んでいただきありがとうございます.


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