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第198話 竜宮氏族への助力要請

普段は音楽を聴いたりしながら書いているのに、PCが壊れてそれもできなくなりました。どうぞ。


次は、ソフィアに対するお願いだ。といっても、こちらは、ソフィア個人というよりも竜宮氏族への頼みということになるので、個人的なお願いというよりは、同盟としての頼みということになる。


「ソフィアに頼みたいのは、ミザネ村長からの手紙を竜宮氏族長ガルガンドに届けてもらいたい。これはソフィア以外に頼めないことだ。」

「え、パパに?」


ミザネ村長と立てた計画の中で、相手側が海へと逃げるという手段を取った場合の対策はいくら考えても思いつかなかった。

そこで思いついたのが、今回同盟を組むことになった竜宮氏族との共同作戦へと切り替えることだ。


ガルガンドは海底での異変に加えて俺が伝えた地上での出来事が、関係ある出来事だと考えているはずだ。であるとすれば、今回も協力することができると思っている。

その助力を乞う要請のための手紙を届けてもらいたいというのがソフィアへのお願いだ。


この協力が成れば、陸では村長を含めて、ミザネ村の面々が、海中では竜宮氏族の面々が敵の逃走を阻むことができる。

そうなると必然的に地上側の人魚が海中の人魚に合図なりをすることになるため、そこはおそらくソフィアが担うことになるだろう。

メアリーが地上戦力になるのは相手を油断させるためというのがあり、それをしているのに地上にごつい人魚を置くわけにはいかないからな。


「敵を逃がさないためにも竜宮氏族と協力してことに当たりたいんだ。そのための手紙だ。」

「なるほどね。あたしは良いけど、その後の戦いにも参加できるんでしょうね?」


ソフィアは自分が一度海底に戻ることで参戦できない可能英を気にしている様である。そこは心配する必要はない。どうせ参戦することになるだろう。


「大丈夫だ。きっと地上側の人魚は村長と面識のあるソフィアになるのは既定路線だからな。

俺たちも面識がない人魚に背中を預けるよりは、会話もしているソフィアと戦ったほうが安心だしな。」

「そう。それならいいわ!あたしがその手紙届けてあげる。どうせハーちゃんに頼めばすぐだし、皆もすぐにこちらに来れるはずよ!」


ソフィアがそう言ったが、それには俺が待ったをかける。


「いや、ちょっと待ってくれ。さすがにすぐに来られると困る。すこしだけ時間をずらしてきてくれないか。」

「え?どうしてよ?」


俺が止めた理由はわからないようだが、これには理由があるので説明しよう。


「えっとな。もちろん理由があるから聞いてくれ。まずな、海龍王の使者ってことはどこから来るか分かるか?」


俺が尋ねるとソフィアは少し考えるそぶりをしたから、ハッとしたように答える。


「海の中ね!偽物だとしてもレヴァ様の配下を名乗るなら、それらしく海中から現れるのが自然だもの。それ以外は不自然ってことよね。」

「そう。海龍王を含め、その配下は海を通じてこの島へと入るのは間違いない。それを考えれば、竜宮氏族がこちらへ前乗りすることが良くない意味が分かるだろ?」


それからまた少し考えたソフィアは、今度は分からないようで首を傾げている。そこでメアリーが助け舟を出す。


「会遇...。」

「かいぐう?」


ソフィアは言葉の意味が分からずに〔魔物言語〕も働かなかったみたいだ。そんな抜け穴があるんだな。

まあ、メアリーの答えで正解なので、ソフィアにもわかりやすく説明することにする。


「会遇ってのは、偶然出くわしてしまうことだ。もし、早めに竜宮氏族がこちらへ出てきていたら、万が一にも使者と出くわしたときにどうなるか分からないってことさ。

ガルガンドは使者が使者でないことはすぐにわかるだろうし、使者もガルガンドにばれることくらいは理解しているはずだしよ。」

「なるほどね。行き当たりばったりでも、早まるのはよろしくないってことね。」


ソフィアは理解してくれたようだが、言い方に身もふたもない。確かに作戦は無くても、大筋があるんだから、完全な行き当たりばったりじゃないし。


「ま、目の当たりにしたアルカナの強さがあれば、それでもいいんでしょうけど。」


そ、そういうことだな。

とりあえず今言うべきことは終わったので、今度はソフィアに所要時間を聞いておく。メアリーが終日かかるという話なので、ソフィアもそれくらいかかる可能性はある。


「ソフィアはどれくらいでこちらとあちらを往復できる?特に急ぎではないけどさ。」

「うーん、あたしがハーちゃんの全速力で急いだとして、行きに1時間、帰りに1時間の計二時間ってところかな。

それに加えて、氏族の招集と事情の説明、パパの方針の決定を考慮すると、2時間くらい。

だから、合計で4時間って感じ。飽くまでスムーズに話が進んだ場合だけどね。」


俺の想定よりも全然早い。それだけ竜宮氏族が氏族長を中心とした部族であるということだな。


「十分だ。想定よりも全然早い。当日までに近海に待機してもらって、ソフィアだけでもこちらへと来てくれれば良いからな。」

「そう?それならゆっくり来ても大丈夫そう。」


これで、ソフィア延いては竜宮氏族への頼みは終了だ。これ以上はどうしても相手がいないと話にならない。

これからは俺は、先程の話の最中に思いついたことを実行せねば。


「よし、それじゃ、そろそろ、村が動き始める頃合いだ。各自、自分のやることをしよう。」

「ええ。それじゃ、早速海岸でハーちゃんを呼ぶわ。夕食までには戻ってくるから。」

「全力...!」


こうしておれたとは行動を開始する。ソフィアは海へ、メアリーは浜まで、そして俺は家へ自分ができる準備をする。

あ、まずは、村長に二人が了承して行動を開始したことを伝えなくちゃな。


俺はいそいそと外出して村長の元へと向かう。




***



「ふぅ。これで、もうやることは無いな。それじゃ、自分の準備にかかるか。」


村長の社から戻った俺は、無事に報告が終わって今度は自分の準備へとかかる。これは当初の予定ではないが、ソフィアに話している間に思いついたことなんだが、折角村長以外は子供のような村人だけにしたのに、俺が混ざっていては本末転倒だよな。


ということで、見た目で侮られやすいように、新たなマスクを作成しようと考えたわけだ。もちろん仕上げは先ほど作成したマスクと同様に急ぎで『スパイダーシルク』に依頼することにする。


まず、取り出したるはゴブリンの死骸。もちろんこれは、この島へ来る前にベルフォード王国で受けた依頼で殺したゴブリンだ。

胴体を一刀両断した死骸なので、少々修復が面倒だが、それ以外は捨てたり、処分したりと、残ってなかったのでしょうがない。とりあえず、肉を残して皮だけを剥ぐ。

今回必要なのはゴブリンのような子供サイズの形なので皮は不要なのだ。


「あー、細かい作業は嫌いだ。」


ぶつくさと言いながらもゴブリンの皮をはぐ。どうしても細かい作業はイライラしてくるので嫌いだ。どうせなら豪快にはがしたいが、そうするとすべて台無しになりかねないので慎重に進める。


ゴブリンの皮をすべて取り除いた後は今度はそれかぶせるための皮を取り出す。今回は、相手が油断すればいいので、そこまでの性能は求めない。だから、使い回しでいいと思うので、グランオーガの皮を利用する。


グランオーガはレイアと倒した31体の群れの内、18体を俺が倒したことになっているので、その内半分をギルドで売却し、残り9体が〔骨壺〕に収納してある。

現在までに間食などで、消費もしているので、完全な状態で残っているのが7体、骨なしが1体、バラバラが一体になっている。今回は骨なしを利用することにした。


「まずは形に合わせて余裕をもって裁断して、縫い合わせるとするか。目は穴を開けるから良いとして、鼻やら耳やらは形状を整える必要があるか。さて、大仕事だな。」


ゴブリンの体はどうしても貧弱なので、俺の力でも下手に扱うと変形してしまう。なので慎重な整形が必要だ。

じっくりと時間をかけて、耳や鼻を成形する。それに合わせて皮を縫い合わせていき、形を整える。最終的にはプロに任せるとはいえ、出来るだけはやっておきたい。


「おし、これで、頭は良いだろう。次は胴体か。」


頭は胴体よりは大きさに差が無いので、少しずつ小さくしていけば別に難しくない。あ、待てよ。やっぱり、鼻の穴の位置がずれているな。


「ここをこうしてっと。よし、今度こそ本当に胴体だ。」


胴体はゴブリンとオーガじゃ大きさが全く違う。こちらは俺がするのは形を整えるくらいしかない。

胴体をぴっちりと張り合わせ縫い合わせていく。仕上げはプロだからという免罪符を掲げて急ぎの仕事をして行く。

マスクの修復などで縫製技術はなかなかに向上している気がするのは自惚れではないだろう。


王都ベルフォリアではエミィさんに服を仕立て上げてもらったりと、自分でする必要が無かったから何とも言えないが、ルグラではマスクを色々と試すためにも縫製は大事な工程だったからな。


そんなことを考えつつも手はずっと動き続ける。1時間もしないうちに胴体も完成し、残すは両手両足で完成なのだが、こっちはどうしようか。

うーん、こっちは普通でいいか。あちらがうまく行くとも限らないし。『スパイダーシルク』に依頼してうまく行けば改造するとしよう。


グランオーガの腕と足の皮を肘や膝を中心に裁断して縫い付ける。ゴブリンの体はざっとグランオーガの半分ほどなので、手足も半分だ。

完成した腕や足の先に最後に手と足の皮をかぶせて縫い合わせ完成だ。これで、大体の形はできたので、抜けが無いかを確認するために〔骨抜〕で中身のゴブリンを抜きだしてマスク化する。


よし、〔戦力把握〕


~~~~~~~~~~~~~

名前:大子鬼面グランゴブリンマスク・仮縫い

種族:大子鬼グランゴブリン

性別:オス

【固有スキル】

 〔腕力強化〕〔雑食〕〔狂化〕

~~~~~~~~~~~~~


体力:50000/50000

魔力:500/500

筋力:600000

耐久:300000

敏捷:50000

精神:5000


~~~~~~~~~~~~~


うん。マスク化できているな。抜けも無いみたいだし、後はしっかりと縫い合わせることで完成だ。完成形を見せる必要があるので、ゴブリンを中に戻して完了だ。これ以上は素人だときれいにできないので後は任せよう。

当日までには間に合うようにスタンピードブルの肉を追加で渡して頑張ってもらおう。彼らの腕なら今日中に完成するかもな。


よし、『スパイダーシルク』へと出かけるかね。













出かけましょう


拙作を読んでいただきありがとうございます.


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