第197話 方針説明
最近はVRゲーム物にハマってます。自分でも書いてみようかと思いつつ、メモ書きばかりが増えますね。
さて、少し短いですが切りがいいので。どうぞ。
二人に話すにしてもどこからかと悩んでいた俺だが、まずは使者のことからにしようと思う。
使者に関しては全員が目撃しているか、存在を感じ取っているので話しやすい。
「あーっとな。まずは、この村に訪れた海龍王レヴァの使者を名乗る者の対応について話しておこうと思う。」
俺が話しだすと二人は姿勢を正して聞く体勢を取る。
「まず、あの使者は、俺と村長の話し合いの結果から、本物である可能性はかなり低いと考えている。
その理由についても話すか?」
俺が尋ねると、ソフィアは不要だと言ったが、メアリーが詳細を催促してきた。まあ、ソフィアは実際に会っているし、それでおかしいと感じただろうからな。
ただ、メアリーは途中で引き返したのでいることくらいしか知らない。先ほどの俺のお願いがあるからこそ、敵かもしれない者を知っておきたいのかもな。
「それじゃあ、必要なことだけ伝えておくぞ。俺も友達ってわけじゃないから限度があるのは分かってくれよ。」
「勿論...。」
メアリーの了承を取ってから話しだす。
「まず、最初に俺が使者と会った時に感じたのは、メアリーも感じたであろうヤツの神気をヤツ自身が認識していないことだ。
普通、神や神獣は自分のであっても神気には敏感らしい。俺は自分のを感じられないので又聞きだけどな。」
俺は神ってわけでもないし、部下としても特殊だから、ここでの説明は省く。ソフィアやメアリーには、俺が根源種だとかオーリィンのところの神の手伝い中だとかって話は関係ないし。
「それは神本人からすればおかしいことなんだってさ。村長はそのことには一切触れず、そのままにしたらしい。それで疑念を抱いたんだってよ。」
メアリーはふむふむと納得するように頷く。
「納得...。」
「メアはおじいちゃんが初めての来訪の時にそのまま帰した理由が分かったって。」
「ああ、最初の時は気付いてたんだな。使者がいるって。」
どうも、メアリーは使者が来訪したことに気が付いていたみたいだ。だから、二度目の時も俺たちが戻ってきたことも分かってたし、使者がいると教えてくれることもできたのか。
あれ、スキル、じゃないよな。どうやったんだろうか。
「まあ、いいや。続けるぞ。それで疑問に思ってから、さらに話を進めて俺たちが合流してから、もっとおかしいと思ったんだってよ。
あの時は俺もソフィアも間違いなくおかしいと思ってたから、それに気づいたってのもあるらしい。」
メアリーの納得をいただけたところで、話をおおもとに戻す。まあ、これ以上は蛇足だからな。
「それで、ここからは村としての方針を伝えようと思う。それに関してはソフィアも関係ある話だから良く聞いてくれ。」
ここで海龍王までもが偽物であることは一応伏せておく。この島へと来る場所が変更になっているので、説明せずともその時になれば分かることだからだ。
島の浜に来るらしいから、ちょっとのぞけば見えなくもない。
「まず、村としては、その使者が偽物として、当日は何が起こるか分からないという現状から、確定的な未来を取る作戦を決めることはしない。」
俺がそういうと意味が分からないのか、二人して首を傾げる。どうやら理解できないらしい。まあ、わざと難しく行ったのだし、当然だ。
「要は大筋だけを決めて、それ以外はその場で臨機応変に行き当たりばったりってことだな。
村としても使者が偽物であると確定できたわけではないしな。もし、新しく配下に加わったとかなら、こちらが失礼をするわけにはいかないからさ。」
俺がそういうと、ソフィアは口を尖らせて反論する。まあ、ソフィアからしたらあの使者が本物である可能性は限りなく低いからな。
「あんなの本物なわけないじゃない。あたしと初対面の方はもういないもん。それにもし初めてだとしてもあのレヴァ様があたしのことを伝えないはずがないわ!」
俺としては「あの」とか言われても、そのレヴァ様を知らないので困る。だって、印象が違うんだよな。村で聞いたのと竜宮氏族から聞いたのだと。
ということで、まずは村の方針から話した。まあ、ソフィアとしては納得いっていないみたいだけど。
今もメアリーに「絶対、先制攻撃するべきよ!」と熱烈に説いている。メアリーはそれに対しては取り合わないようにしているみたいだ。彼女も一応村の一員なので、方針には従うらしい。
「と、まあ、方針はどうしたって変わらない。もし敵であるとすればソフィアが言うように先制攻撃を仕掛けることになるさ。」
なだめる様に言うが、そうなった時点で後手に回ってしまっているのは状況的にはしょうがない。俺や村長ならそこからでも十分に挽回可能であると判断してのこの方針だけどな。
何とかソフィアをなだめることに成功した俺は、今度は気が重いお願いをすることにする。
「ここからは最初に言ったお願いだ。まあ、無理なら無理でって話だけどな。」
「何よ!早く話しなさい!」
「万端...。」
二人は真剣に聞いてくれるみたいだ。俺も意を決して言う。
「えっとな。実は二人には協力をお願いしたいことがあってさ。それを頼みたいんだ。」
俺は当日の大筋について簡単に話す。まあ、特に決まってないことの内、するべきことのいくつかだ。
「まず、当日は相手が指定してきた浜へと出迎えることになる。しかし、そこだと俺たちは少人数で出迎えることになる。村長としてはもっと多くの村人で囲もうと思っていたみたいなんだが、それができなくなったってことだ。
狩人連中はみんなデカいからさ。そんなことしたら万が一失礼だろう?」
本来の来訪場所であれば、伏兵のように狩人を伏せておくことも可能だったのだが、広い浜ではそれができなくなったのだ。それが使者の狙いかとも思うが、こちらの立場からして反対はできなかったらしい。
「なので、その場で出迎えるのはできるだけ少数で、かつ戦闘が苦手そうなものを数人ということだ。俺としては反対なんだが、そこにメアリーとソフィアはどうかって村長がさ。」
「やるわ!」
「了解...!」
俺がそういうと、メアリーとソフィアは二人して食い気味に了承する。やっぱり好戦的なんだよな、この二人。
予想通りの展開に心の中でため息を吐く。少なくともメアリーは狩人ではないのだから、これに関わらせるのは反対だったんだ。はぁ。
俺の内心は無視して話の続きをする。
「まあ、了承が取れたってことで村長には話しておく。はぁ、決まっちまった。」
俺がため息を吐くと、今度はソフィアがこちらに質問してくる。質問内容は、それ以外に何かすることは無いのかってことだ。
「ねぇ、他には何かすることは無いの?」
もちろんある。これは参戦が決定したら頼むことだったので、これから話さなくてはならない。
「二人にお願いすることが、参戦が決定したことで発生した。一人ずつ説明していくな。まずメアリー。」
メアリーの名前を呼ぶと、彼女はいつにも増してやる気に燃えた目でこちらを見る。そんなに戦いは好きか。
「メアリーには当日の場所である浜を制圧してもらいたい。これは村長からそう言えば分かると聞いたので俺はよくわかってないんだが、出来るんだろ?」
「可能...。了解...。」
メアリーはなんのことだか分かったみたいだが、俺にはさっぱりだ。村長にメアリーたちブラウニーの〔妖精魔法〕で制圧できると言われたが、具体的には聞いていないのだ。
「どうやって制圧するか教えてくれるか?」
「了解...。〔妖精魔法〕...展開...制圧...。」
「へぇ、すごいじゃん。」
メアリーにしては長くしゃべったが、断片的過ぎて俺には理解できなかった。俺もそろそろ〔魔物言語〕を覚えても良いと思うんだけどな。
「きっとわかってないだろうから、あたしが通訳するわ。」
ソフィアは理解できたみたいなので翻訳をお願いする。
「えっとね、家妖精が使う〔妖精魔法〕にはその妖精独自の領域を確保する魔法があるらしくて、それを浜で展開してくれって言うのが村長のお願いみたい。
浜で展開すると、そこがメアの領域になるから、もし戦闘になったらこちらに有利になる可能性があるってことなんだろうって。」
「なるほど。」
「感謝...。」
「いえいえ。」
つまりは浜を家と見立てているってことなのかな。家妖精の領域ってそういうことだろ?それは今の領域には関係が無いのか?
俺が質問するとメアリーが答え、ソフィアが通訳する。
「大丈夫みたいよ。というより、村長としては家から浜までに広げてってことだと思うって。ふぅん。家妖精ってすごいのね。」
「なるほど。それじゃ、メアリーに家を捨てさせるとかじゃないってことで安心したよ。それなら、今日はその作業をすることになるのか?」
「肯定...。終日...。」
うん。今のはわかった。一日中掛かるってことだな。まあ、村のためってことで頑張ってもらおう。
そうだ。シュツェンをメアリーの手伝いに駆り出そう。あいつは〔土魔法〕を使えるし、何かと役に立つはずだ。
「シュツェンも連れて行ってくれ。足にもなるし、〔土魔法〕を使えるからさ。」
「感謝...。」
これでメアリーに頼むことは終わった。次はソフィアか。
次の説明をしましょう
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