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第17話 ≪リオウ視点≫

お読みいただきありがとうございます。


≪リオウ視点≫


「反撃開始だ」


そのスケルトンの訳がわからない言葉を聞いた。我は、その言葉を訝しく思って、スケルトンから視線を動かさずに見た。頼みの綱であるはずの着ぐるみを脱いだことで,観念したと思っていた相手がまさかこれから逆転を視野に入れた行動を取ると分かる発言をしたのだ、当り前だろう。

やけくそになったことによる戯言だと,その言葉を無視して決着をつけてもよかったが、どうしてか、いや,獣王としての野生の勘か,スケルトンを注意深く警戒したほうがいいと警鐘が鳴る。





そもそもが,このスケルトンは異常だった。





ハオが死んでから、何年がたったかも忘れたころ、ここにあいつは来た。久しぶりの人間かとも思った。そいつからは少しだけ,ハオの気配をほんの少しだけ感じた我は、やつの子孫がやつと同じようにこの祠を見つけて先祖同様に攻略しにきたのかと思った。扉の向こうにいるときには、ハオと同格かそれ以上の存在、少なくとも今の弱体仕切った我には倒せるとは思えないような存在がいる、とわかった。

そして、我が守護者として扉を開けるようにすると、そこから現れたのは、あまりにも形状のおかしいスケルトンだった。



我にはそれが何かがわかった、根源種であろう,と。

我がまだ全力が出せた時分、根源種の一角である龍と一度だけ戦ったことがある。やつとは何年も戦い続けたが、決着は最後までつくことはなかった。最後には、父上とブラフマン様の説教を二人して受けることとなり、懐かしい昔の記憶である。

やつが根源種であるということと共に父上の加護も受けているということも直感的に理解する。


そもそも根源種と神獣は似ているようで似ていない.神獣はその仕える神から生み出されるいわば子供である.我のように神を父として仰ぎ憚らないような神獣はほかにはいないが,皆が親のように感じていることだろう.しかし根源種は違う.根源種とはいずれ神に成る可能性があるものである.そもそもこの世界の神とは皆,創世期より存在する三柱の神から始まっている.そして三柱以外の神はすべてがこの世界のいきものから昇華することで神となる.

要は,神獣はどうやっても神になることはできず,根源種は神に至るものである.

他にも神獣には役割があるのだが,今は関係ないので省略する.

また根源種は,神の加護を持っていないものはなることができない.神獣も神の加護がなければいきれない.

そして,神の加護は引き合うのだ.


我がそんなことを考えていると、

またおかしなことが起こった。そのスケルトンは、デスタイガーへと姿を変えたのだ。


ありえん!!


我はそんなことしか思えなかった。明らかに我の知識を凌駕する出来事が起きたのだ。

我は歓喜した。これだけ生きてきて、それも死ぬ間際で、今まで味わったことのない高揚感を覚えた。

このような稀少な存在は今までの根源種,骨の王にはいなかった。

今の死神は、実につまらんやつだったからな。いや、今でも仕事ばかりのつまらないやつだったな。父上に忠実であることは良いことではあるが,少しくらいは我のところにきてくれてもいいと思うのだが.


そしてスケルトンはさらに我に驚きを与えた。こやつは我を何度驚かせれば気がすむのだ。

スケルトンがどこらかから取り出したのは、かつての友,ハオの手紙だった。

我はそれを読むとハオの槍を見せる。やつの遺言通りそのまま渡してもよかったが、どうせなら、このスケルトンと戦ってみたい。我の最後としては十分以上の相手である



そんなことを考えている時だった。父上より連絡があったのだ。




『おう。今そこに次の骨の王がいるだろうけどさ。なかなか面白いやつだし、お前の友のハオ君と同じ世界から来たやつだから、お前も気にいると思うぜ。俺はそいつと話したいから、殺すのはなしで頼む。まあ,今のお前では難しいくらいには強くなってるはずだからよ.』


『これは父上、ご機嫌麗しゅう。確かに、こやつを殺すのは今の我では無理でしょう。それくらいであれば今の我にもわかります。我が神獣としての生を終える最後の戦としては十分。骨の王を育てると思ってやつに力を与えましょう。』


『そういってくれると助かる。俺もお前にだからこんなことを言えるんだが、リオウ。骨の王と死神について言っといてくんねえか?』


『骨の王と死神についてですか?それは、私が伝えてよいことなのでしょうか?』


『ああ問題ない。その戦いが終了した後、俺が出る。弱体化してるとはいえ、お前を倒せるほどに強くなったのであれば、このダンジョンではかなう奴なんて、俺を除けばいなくなる。つまりもう降りてくる意味はないわけだ。それに待つの飽きた。』


おそらく一番最後のが本音だろう。父上は出不精な癖に暇を嫌うからな。我のところにも直接来ることは可能なのにいつも念話だけであることもその証拠である.


『わかりました。それでは我は、やつとの戦いに集中するとしましょう。』


そういって父上との会話を終了し、目の前のスケルトンに集中する。スケルトンは、我のほうを格上だと思っているようだが、そんなことはない、我は、まだ神獣としてはまだまだ未熟だ。この体が死してやっと一人前なのだ。


我は、スケルトンに自分の肉体の寿命のことと伝えるべきことがあることを伝えた。

ハオの、古き友のことを話し、スケルトンに戦う意思を示した。

立ち上がった我は、自分の体が想定よりも限界ぎりぎりであることに気が付いた。相手に悟られないように必死で取り繕うなど、初めての経験だ。


我は、スケルトンに【獣王の息吹(キングブレス)】を放った。しかし、私はまた驚かされることとなる。やつは無傷だったのだ。


そこで少しの違和感を覚えた。おそらく、我がステータスを確認しているのだろう。〔戦力把握〕は我も持っている (〔獣王〕に進化したことで統合された。) 。


自分のステータスと比べているのだろう。首が小刻みに動いている。自分では気が付いていないだろう、全く面白いやつだ。


我は笑いを堪えながらも、何度もブレスを放った。何度か放っているうちにやつの皮はただれ、中から銀色がかった骨がむき出しになった部分ができた。

そこからが奇妙だった。我がはなったはずの光線はまっすぐに我のほうへと返ってくるようになった。


そして、冒頭に戻る.

言葉を聞いた時から警戒し,やつには最初の時点で遠距離に対する対抗策がないことがわかっているため遠距離での攻撃をしているのだ.そして我は最後の攻撃として自分の全力を込めた【獣王の息吹(キングブレス)】を放った。その時に我はやつが骨の姿に戻ったのを見たのだ。てっきりあきらめたのかと思ったのだが、そういうわけではなかった。


それも最後の最後に苦手を意外な方向に克服したのである.


その数瞬後、私の視界は白く染まり,次の瞬間には自分が放ったブレスに呑まれた。





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