第14話 「俺は今、50階層のボス部屋の扉の前に立っている。」
お読みいただきありがとうございます。
――まあ,光っているのは横に置いておいて,今はできることをしておこう.
進化もできたことだし、とりあえず自分がどんだけ強くなれたかを確認するか。根源種というのがどういうものかはわかったが,そのすさまじさは,文章だけでは理解ができない.
まずは、進化前のステータスから見てみよう。
~~~~~~~~~~~~~
名前:―――
種族:アイアンスケルトン(絶滅種)
性別:男
レベル:20/20
体力:2476/2476
魔力:11760/11760
筋力:237
耐久:134092
敏捷:244
精神:10200
運 :81
【伝説級スキル】
〔戦力把握〕
【固有スキル】
〔万能骨格〕〔骨抜き〕〔骨壺〕〔変形〕〔換装〕
【通常スキル】
〔拳骨〕〔槍術〕〔打撃耐性〕〔精神耐性〕〔損傷耐性〕〔料理〕〔剛力〕〔頑健〕〔再生〕
【加護】
〔戦争と死の神の加護〕
【称号】
〔異世界の死体〕〔着用者〕
~~~~~~~~~~~~~
こんなもんだよな。耐久と魔力が飛び抜けてるけど、そこまでじゃないよな。普通に成長している。かなり堅いな。ここまで来るのにも、ほとんど無傷だし。この時点でもここでは上位のステータスである.ほとんどの攻撃はダメージ量としては1か0である.スキルのおかげもあって即回復するために実数値は全く分からない.
49階層までほぼ無傷で来れたのはこの硬さがあってこそだな。スケルトンの絶滅種でもこんな個体はいないんじゃないだろうか。てか、他にいないんだったな。一本取られたな.取ろうと思えばいくらでも取れそうな体《骨》だけど.
今の時点でかなり強く,これ以上ないと思うんだけど.これが進化するとどうなる?他の追随を許さないっていうのはどれほどの力なのか.
これで大したことがなかったらオーディン殴る。余計なことしてくれやがって、ったくよぉ。正直かなりのストレスだな.
よし、次だ。気を取り直して,進化後のステータスの確認だ!
ステータスオープン!
~~~~~~~~~~~~~
名前:―――
種族:シルバースケルトン(根源種)
性別:男
レベル:1/30
体力:4952/4952
魔力:23520/23520
筋力:474
耐久:335230
敏捷:488
精神:15300
運 :82
【伝説級スキル】
〔戦力把握〕〔超強体〕
【固有スキル】
〔万能骨格〕〔骨抜き〕〔骨壺〕〔変形〕〔換装〕
【通常スキル】
〔拳骨〕〔槍術〕〔全異常耐性〕〔料理〕
【加護】
〔戦争と死の神の加護〕
【称号】
〔異世界の死体〕〔着用者〕
~~~~~~~~~~~~~
すごいな。数値はだいたい倍くらいになったかな。耐久はもっと増えてるかな。これでますます攻撃を食らわなくなったし、新しいスキルがやばいな。
いくらかの通常スキルを統合して進化しているみたいだ.
〔全異常耐性〕:すべての状態異常に耐性が付く。
〔超強体〕:〔剛力〕〔頑健〕〔再生〕〔頑健〕が統合されることでできる。一定時間、魔力を10000消費して自分のステータスを2倍にしてさらに〔超再生〕を発揮する。〔超再生〕:損傷や体力の回復をする。
な?とんでもないだろ?
ステータスがとんでもなく上がって,さらに2倍.それで回復効果まであるとか.この消費魔力10000っていうのがこのスキルのデメリットなんだろうが,使えなくもない.
調べてみたら、この一定時間はだいたい1時間ぐらいだった。1時間で10000の魔力は,はっきり言ってコスパが悪いが,ここぞというところで使うのはありかもしれない.
ある程度のスキル検証と身体能力の向上をみて、ついに50階層のボス部屋を目指して歩を進めることにした.
――俺は今、50階層のボス部屋の扉の前に立っている。
その扉を見るだけで今までのと違うのがわかる。
わかるどころではない.あまりにも違いすぎるな。なんだこれは宮殿とか城だな。今までのもそれなりに重厚な扉ではあったが,ここまで凝ったつくりでもないし,威厳というものを感じるな.あの手記にあった強者がいるというのは気配だけでわかる.
神々しい。入るのが気が引けてしまうね、これは.ここまででほとんど魔物がいなかった理由もわかるな。これはただの魔物にはつらい環境だろうな.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・入って大丈夫か?
浄化されたりしないか?こちとらアンデットだぞ.
でも行くしかないし。
やだな。
・・・・・・・・・よし、行くか。
俺は覚悟を決めて、中に入るために、扉に手を添える。
ゴゴゴゴゴゴゴォッ
と、いつも通り力を入れることもなく開く。毎度のことだがすごい光景だな。これぞまさに、自動ドアだよな。
開ききった扉をくぐるとそこはとてつもなく広い真っ白な空間が広がっていた。
幻想的な空間だ。そこにいるのはとんでもなくでかいライオンだった。ライオンはその場に横になっていた。
地球のバーバリーライオンよりもさらに大きく体高が6m以上はあるライオンで、その体毛は金色をしている。そのライオンは俺を見つけると、むくりと起きて近寄ってくる。こちらも近寄る。
ある程度近づいたあたりで俺が止まるとライオンも止まった。
そして、ライオンはその口を開く。
『久方ぶりの来訪者だと思ったら父上の加護を持つ根源種とは、いやはや、面白い』
喋ったことにとても驚いたが、その声はとても落ち着いたものであったため、俺も返答しようと思ったが、あまりの神々しさに声が出なかったので、〔換装〕で死虎面を被る。単純にステータスを増やしたところで,どれだけ動けるかわからないが.
すると、ライオンは驚いた顔をしてこちらを見ている。
『おもしろいな。デスタイガーになれるのか。やはり面白い存在の様だな。それに稀有だ。ただのスケルトンではこんなことはあり得ん.根源種というやつはなかなかどうしてこうも皆面白いのだろうな。くっくっく。』
ライオンは心のそこから面白そうだった。俺は、気になっていることから話す。
「面白いとか、そういうのは後でいいんですよ。ところで,ハオ・メルエムを知っているかこの手紙を書いた人間であるようなのだが。」
俺が手紙を〔骨壺〕から取り出すと、ライオンは名前が出たことに驚いたようで少しキョトンとした後に手紙を見る。そして納得したように、一つの槍を取り出す。
どこから取り出したのかはわからないが,おそらく〔骨壺〕と同様のスキルであろう.
『これはハオの槍だ。やつとは幾度となく戦ったが、なかなか楽しかったぞ。この槍はやつとの最後の戦いの後に受け取ったものだ。貴様にこれを手にする資格があると思うのなら,我を倒して受とれい!』
ライオンは声を上げて、さらに咆哮する。
俺も〔死の咆哮〕で対抗するが、どうにかこうにか拮抗ができているような状態だ。
必死に声を出す俺を見てライオンは愉快そうに喋りだす.
『なかなかいい咆哮じゃないか。ふむ、先に少し話をしておこう。我もそろそろ寿命が近い。力も十全に振るえん。おそらくお主が我が生涯最後の相手となるだろう。伝えねばならんことはそうないが、少しだけ重要であることでもあるからな。』
おそらくハオ・メルエムのことなのだろうが,それには俺も興味がある.その声に耳を傾け、おとなしく座りなおした。
話を聞きましょう。
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