第13話 「あ,俺の体少しだけ光ってね?」
お読みいただきありがとうございます。
一応活動報告にも書きましたが,少しの間更新を停止しておりました.
当方ノートパソコンでの投稿をしているのですが,キーボードが壊れてしまったようで,どうにかこうにか無効化して外付でキーボードを使っております.その準備に時間がとられました。
引き続きよろしくお願いします。
今俺の目の前にいるのは,虎である.それも俺が今つけているマスクの下位互換種で戦虎である.こいつにはマスクとして今も主戦級のデスタイガーマスクに成ったという実績があるため,是非とも確保しておきたい.
また,それを別にしても......
「ぐるぅ(旨いんだよなぁ)」
骨が.
じゅるりと垂れるよだれを抑えて,戦虎と対峙する.すでにあちらは臨戦態勢にあり今にもこちらにとびかかってくるほどの気迫だ.
しかし,こちらも現在は死虎面をしているのだ.相手からしてもその威圧感は相当なものである.
〔戦力把握〕でいろいろな魔物を見たところ,どうやら,ここでは俺のステータスは飛び抜けて高いようだ.そんな俺がさらにマスクを被っているためにより恐怖を感じるはずである.
俺だったら,こんなのと対峙するのはいやだな
そんなことを考えながら,まず一歩目を踏み出す.
警戒していたのに加えて,若干の恐怖を与えていたのか,戦虎はびくりと反応する.しかし,その隙を逃す様な俺ではない.その一瞬で戦虎に近づく.
爪を立てた横の一閃.
バシュッ
という音とともに戦虎の首から血が噴水の様に吹きだす.
これはここまで戦いマスクを得るために効率的な狩りを追求した初撃である.大体はこれで片が付く.このダンジョンでの強者の立ち位置にある戦虎でもそれは変わらない事実だったようだ.
一撃で決まったことに安堵していた俺にいつもの声が聞こえた.
《必要経験値を満たしました。個体名―――がレベル20に上昇しました》
《個体名―――はレベルが最大値に達したので進化が可能です》
いつも通りデスタイガーマスクを解除してその声に耳を傾ける.んふふ,そうなのだ.俺はレベル限界一歩手前だったのだ.階層を進むごとに取得経験値が増えているのかレベルアップの速度は以前の比ではない.以前進化した時から,ほとんど時間を置かないでレベルは最大値へと成った.40階層あたりで魔物のレベルが一段回上昇した気がするのも急速なレベルアップを促している.
さて,ついに進化が来た.ついにというほどの時間はかかっているわけではないが,まだ2回目ということもあり進化の際のこの期待が薄れることはない.それにこの進化で、俺はさらに強くなることができる。あの手記では50階層のボスは当時の強者であっても太刀打ちできない存在であると書かれていた.強くなることに貪欲でもよい.いや,貪欲にならねばならない.
よし、進化先はどんなのがあるのかな。
《個体名―――を進化させます。よろしいですかY/N》
もちろんイェスだ。
《進化可能先を表示します》
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進化可能先一覧
・シルバースケルトン(絶滅種)
・シルバースケルトン(根源種)
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今回の進化先は2種類か。
パッと見た感じでは、二つとも一緒に見えるけど、よく見ると種が違う。根源,見るからにやばそうだ。
とりあえず,まずは絶滅種からだ。
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シルバースケルトン(絶滅種)
銀でできたスケルトン。より固いスケルトンのみが進化の道筋を辿ることができる。
少しだけ珍しい部類に入る
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アイアンスケルトンと同じような説明だ。より固いというのは俺が耐久に特化したステータスを持っていることに依存した結果だと考えられる.なんだかんだで硬いなら生存率も上がるしいいことづくめである.
次は、根源種のほうだ。
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シルバースケルトン(根源種)
銀でできたスケルトン。より固いスケルトンのみが進化の道筋を辿ることができる。
少しだけ珍しい部類に入る
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説明は一緒だ。進化先が同一ということは,この説明はシルバースケルトンのみの説明であることがわかる.ということはやっぱり、根源種ってのがどんなもんかによるな。
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根源種
系統の根源にあるとされる種。現存するのは、龍、吸血鬼のみ。
他の追随を許さない力を持ち、スケルトン種の王となる資格を得たことになる。次の『骨の王』となる。
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なんかすごそうだな。強くなれるのはいいけど、『骨の王』ってなんだろ。突っ込み所が多すぎるな.なんだかんだで,強くなれるルートに乗っているのはわかった.龍に吸血鬼か.どっちも小説とかで強い種族に描かれる典型じゃん.そんなのと並んでるんだから,もっと強くなれそうだ.
しかし,いるんだ,龍に吸血鬼.
そんで,『骨の王』って?
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骨の王
俗に言う死神。根源種のスケルトンのみが至る。
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あ、だめだ。絶滅種でいこう。こんなの厄介ごとのにおいがする.
《個体名―――をシルバースケルトン(絶滅種)に進化させます。よろしいですかY/N》
ああ、イェスだ。
《それでは進化を開始しま―――上位の存在により進化がキャンセルされました。上位の存在によりシルバースケルトン(根源種)に進化させます。》
おぉぉおおぉおぉおおぉおおい、待てええええい!
キャンセルだ!それこそキャンセルしろよ!
なんだ上位の存在ってなんだ、神か神なのか。マジか、やりやがった。死神とかなんのやだぞ。おい待ってって、おいいいぃぃぃいいいぃいぃいぃいいい
キャンセルしろよおおぉおぉぉおおぉおおおお!!!!
叫びは通じず、俺の意識は刈り取られた。やべ,周り安全だよな?
≪???視点≫
あいつ!根源種になんの蹴ろうとしやがった。こうしてやる。
おら、キャンセル!からのこっちに進化しろ!
へっ、どうだこれこそが神の力だ。
誰もいない空間で一人でつぶやく.なんだかむなしくなってきたな。
とにかく、あいつが根源種になってもらわねば、俺の頼みは聞けんからな。それに他のにも根源種,所謂,使徒を作れって言われてるし.
これはしょうがない措置だった、うん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕事に戻ろう。
――意外に神は暇なのかもしれない.
≪スケルトン視点≫
うーん
目を覚ますと,そこは雪国だった.
――なんてこともなく,先ほどいたところと同じ場所である.幸いなことに襲われてはいないようだ.
これは最近気が付いたのだがこのスケルトンの体は,あまり敵対されないようで,死体に擬態することが可能である.――犬系統の魔物には通じないというより好んで襲われるのだが.
どれくらいの間,気を失っていたのだろうか。これは,進化したんだよな?ざっと見た感じでは,見た目はほとんど変化してない。
あっ、進化先,変えられたんだった!くっそ。あいつ、――会ったことないけどあいつでいいや――やりやがった。どういうつもりだ。強くなるって言っても、しょうがないとは思いたくない。
これで大したことなかったら、神殴る。
よしとりあえずは、ステータスの確認をしてから、50階層にいこう。他の追随を許さない力だっけ?少しでもパワーアップしてくれるといいんだがな。
あ,俺の体少しだけ光ってね?
進化したので確認しましょう。
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