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第152話「それはあまりにも唐突に」

 二階堂翼に言われて、出会って間もない女性陣とお風呂を共にすることになったコスモス。その目的は、彼女達が本当に信頼出来る人物かを見極める為。

 個人的に割と気に入っている服を脱いで、コスモスはふと自分の体を眺めてみた。


(……改めて見ると、随分育ったなぁオレの体。『進化前』は如何せんガキ過ぎだったからなー。フフンッ、これならリリー先輩にマウント取られることも減りそうだ)


 今のコスモスは、人間でいうところの中高生くらいの発育をした健康的な肉体をである。幼児ボディであるリリーと比べれば、その差はまさに『大人と子供』。

 今度会ったら思い切り見下ろしてやろう、などと考えながらコスモスは浴室の扉を開いた。


「ダーイブッ!!」


 バシャァアアアアアン!!

 コスモスの顔面に水しぶきが激しく飛び散った。

 見てみると、千石恵美が浴槽に飛び込んだらしい。この浴場は、数人が同時に入ってもゆったり寛げるくらい広い。だが、それを良いことに一部の人物が高校生とは思えないはっちゃけた行動をしているようだ。


「あーもう、年頃の女の子がみっともない」

「まあこんな良い場所で湯に浸かれるなんてそうそう無いことだし、メグがはしゃぐ気持ちはわからなくもないけど」

「恵美さーん! お風呂に入る前に、まずは体を洗わないとダメですよー!」

「……何やってるんだオメエら」


 声を掛けたことで、彼女達はコスモスの存在に気付いた。


「あれ。コスモスさんも一緒にお風呂に入るんですか?」

「……ああ、汗かいたからな。それと、オメエらの監視も兼ねてだ」

「監視?」

「二階堂の旦那は受け入れているようだが、オレはオメエらを信用していない。何か変な真似をしでかさねーか見張っておこうと思ったんだよ」


 コスモスがそう言うと、遊戯部一同は互いに顔を見合わせた。


「別に何も悪いことしようなんて思ってないよ」

「そうですよ。私達、清く正しく良い子な遊戯部なんですから!」

「なら、それを証明出来るのか? オメエらが無害であるという証明を」

「なるほど。そういう話だったら仕方がないですね……」


 唐突に東大が前に出る。

 彼女はコスモスの正面まで近寄っていき『バッ!』と、ある物を掲げてみせた。


「遊戯部が無害であるという証明? ふっふっふっ、それを教えて欲しければ……我々全員と『ゲーム』で勝負ですっ!!」

「いやなんでだよッ!?」


 東大は、自身のスキルを使って何も無い空間から『大型ディスプレイ』と『ゲーム機本体』を取り出した。物を収納することが出来るスラタロウと同じような力だろう。

 浴場だというのに電子機器が大量に並べられていく。明らかに浸水や漏電が心配になるが、これだけ遠慮無いということは何かしらの対策をしているのかもしれない。

 そして、一通り設定を終えた東大がコスモスを席に座らせると、千石、茨田、但野も同じく空いた席に座り出した。


「はえっ? ちょっと待て、これってどういう状況だァ!?」

「我々は遊戯部。つまり、遊戯を制する者だけが我々を制することが出来るのです。分かりますか?」

「まっっっっったくわからん!! オレに理解出来るように端的に教えやがれッ!!」

「要するに、ゲームがしたいんですよ私は。今回はプレイヤー数が多いのと初心者の方にも配慮して簡単なレースゲームで遊びましょう。操作方法を教えると、Aボタンがアクセル、Rボタンがカーブで……」

「オイ、話を進めるな!!」

「コスモスちゃんコスモスちゃん。もうレースが始まるよ」


 千石の言う通り、ディスプレイの画面には既にカウントダウンが進行していた。

 レース開始まで、三……二……一。


「あ、え、マジか。ちょ、まだ操作方法聞いてねーぞ!?」


 ゼロッ!

 レースカーが一斉に走り出した。

 コスモスが全く予期していないままに、戦いの火蓋が切って落とされたのである。

『本作を楽しんでくださっている方へのお願い』


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