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救済する悪意  作者: 人型ヒューマン
7/23

第7話 開発者と使用者

書いてる途中で携帯付けっ放しのまま寝ちゃったから実質丸1日かけて書いたと言えるはずです

それだけです

王都に滞在すると言った理由は大きくわけて3つ

ハーヴェン兵器研究所が見たかったのと

アルベルトさんが言っていた俺をよく思っていない大臣、重役連中の炙り出し

そして3つ目は教会に行って魔法を少々学ぼうと思っている

聞いた話しによると、魔法に関してはストラ教が管理している、その中でも王都の教会は最前線だ

2つ目はまぁ、出来たらでいいや

まずは!兵器研究所!

これが1番の本命なのだよ

なんでも天才的な開発者がいるらしい

なぜ使いもしない兵器を研究しているのか理解できず興味を持った

どうせ使わないんだからよこせよ

俺が使ってやるから

と、奪い取るつもりで見学を志願

この国、いや、世界ではそのような悪意の具現化は快く思われない

抑止力と未知に対する備えという建前で誤魔化してはいるが

それを税金で行っている以上やはり少しの不満はある様だ

朝一番、馬車を止めて乗り込む

ワクワクしすぎて早朝に目が覚めてしまった

「ハーヴェン兵器研究所まで」

「ここからだと川沿いの裏口の方が近いですが、どうします?」

「そっちでいいですよ」

「・・・わかりました」

馬車に乗ってガタゴトガタゴト

新品のシートの匂いだろうか

それとも長旅の疲れが残っていたのだろうか

酔ったか・・・?

ぎもぢわ゛るい゛・・・研究所はもうすぐだというのに!

「こ、ここで良い、降ろしてくれ!」

しかし前を向いたままこちらを見向きもしない御者

止まれよおいこら

苛立ちながら声を荒げようとした時、気付く

「降ろせと・・・!」

この腐卵臭!

そして足元の陽炎

乗り物酔いじゃない、これはガスだ!

ドアにも鍵がかかっている、それも外から

外から鍵、つまりは閉じ込めるためにわざわざ作ったのだ

明確な悪意、殺意を持ち、それをこちらに向けてきたのだ

窓ガラスをぶち破って!

?・・・ぶち破って!・・・ぶち破って!

ぶち破れねぇ!クッソ

そこまでするか、とフィリップは少し口角を上げた

確実に殺そうと策を練ってきたのだ

少し喜ばしいな、俺が相手じゃなければ、と笑ってしまった

だが、まだ甘い、天井は薄いはず!

「ふん!」

ジャンピングオーバーヘッド直上頭突き!

オーバーヘッド・・・?

見事に首だけ外に出てしまったが、これでガスは大丈夫だろう

しかし、戻そうとすれば木の破片が刺さって痛いし

上に抜けようにも足がつかず力が入らない

どうしたもんかな、と悩もうとするも

通り過ぎる人達がみんなひぃっ!?っと声をあげる

馬車から頭が生えていれば当然だ

悲鳴にも慣れ、こっからどうすっかな、と考える

この地理・・・これは!タイミングさえ合わせれば!

彼は思い付いてしまった

この先に何があるか

・・・・・・今だ!

「おい御者!こっちを見ろ!!」

「ひぃっ!?」

真っ直ぐ進む馬車

馬車ごと川に投げ出される


「いってぇーーー!!!」

身体中がいてぇ!

擦り傷、打撲、切り傷

身体中ボロボロだ、くそったれ!

脳内だけで荒れつつも周りをきょろきょろと見渡す

「く、くそっ!しくじった!」

「誰の差し金か言わないとこのまま死んじゃうけど、言う?」

城でお土産に貰った最新式の試作の銃を持ってきて正解だった

これから何かしら武器は携帯すべきだな、と教訓を得た

治安が良いとはなんだったのか、ガスで殺されかけるなど前の世界でも無かった事件だ

「大臣の、オーブリーだ・・・」

「それで、あのガスは毒か?俺を殺すつもりだったのか?」

だとしたら問題だ、この世界の人間に殺されそうになったら人として終わりだ

こんな温厚な人達を怒らせるなんて間違っている

というのは半分冗談で

殺しに手を染めるほどになったら少し余裕が減る

余裕で調子ぶっこいていたいのでそれは困る

「殺すなんてとんでもねぇ!拉致して脅す気だったらしい!逃げるなら早くしな・・・!

確認の為に大臣の手勢が来る事になってる」

やはり治安はいいようだ

殺す気であれば恐らく既に死んでいるし

挙句に拉致の対象であるフィリップに逃げろ、とまで言ってのけたのだ

「そうか、ありがとよ」

銃のストックで後頭部をぶん殴る

頭を水に沈め自然死に見せかける

これだけ派手に馬車も壊れている事故で死んだかどうかなんてわからない

余計な情報を喋られては困るので

消せるなら消しておくに限るだろう

「ここら辺のはずだ!!探せ!!」

手が早く察しも良い。なおかつ自分の領域内でするのは確認だけ

オーブリー、できる男のようだ。警戒しておくべきだろう

存外に早く追手が来たが

しかし幸い研究所の入り口はすぐそこ

こそこそと素早く姿勢を低く目立たないようにドアまでたどり着き

扉を開く

ドアを開けてすぐに階段

どういう作りだ

「おや?どなたですか?」

白衣に眼鏡、髪もボサボサの女性が気だるそうに尋ねてくる

「すいません、匿って貰えませんか?」

女性は露骨に嫌そうな顔を浮かべ一言

「なんて汚い・・・」

「あ、いや、すいませんホント」

恨むなら大臣にしてくれ、と言いたい所だが

こいつも息がかかってるかもしれない

下手な事は言うべきでない

っていうかお前も汚ねぇよ

と突っ込む、もちろん心の中でだけ

「まったく、どうせワケありでしょう?」

まったくもってその通りだが、そろそろその嫌な顔やめてほしい

お互いに苦虫を噛み潰したような顔を浮かべている

にも拘わらずお互いに平然と会話を進める

「申し訳ない」

「大人の汚い事情に私を関わらせるなと常々言っているはずですが!?」

常々、と言われても記憶にないし。おそらく記憶違いや物忘れでもない

「あの、なんの事でしょう」

「はい?あなた、国の人間でしょう?それも、そこそこ以上の立場とお見受けしますが?」

「なんでわかる?」

服はズタボロ、階級章をぶら下げてるわけでも無し、紋章も提示していない

わかる要素なんてどこにも無い

「はぁ〜・・・その試作の銃は、狩りが好きな貴族連中に高額で売りつけた物。それを持っている、と言うことは貴族と近しいもの、つまりそこそこ以上の立場という事だよ。」

隠すつもりもないであろうため息を盛大に吐き洩らしながら答える

なぜ試作の銃を知っている?それに売りつける・・・?

「あんた、もしかして」

あの天才兵器開発者

「ポーレット・フェイヴルという名称だが」

探していた、会いたかった人に出会えた喜びがこれほどとは

「あっ、あの!聞きたい事があるんですが!」

そう、ずっと聞きたかった

もしかしたら自分の仲間かもしれないこの人に!

兵器のロマンを知るこの漢に!

いや、女性だが

「なんで兵器の研究してるんですか!?戦争とか起こらないのに!」

彼には人の心はわからないが幸い、察することは出来た

故に、彼は思うのだ

俺、間違ったんじゃねぇか。と

これ喧嘩売ってるようにしか聞こえなくね?と言う事ぐらいは

それぐらいは彼にも察する能力があった

「やれやれ、君もかね?無駄だ、とでも?他の大臣共と同じように・・・!」

ほらね、完全にやらかしたやつやん。と彼は後悔した

しかし良い情報も聞くことができた

この国の偉い方々に良い感情は抱いていないようだ

これならば、引き込む事は可能だ、それも容易に

「俺と一緒に、戦争しませんか!?」

告白みたいになってしまったのはやはりコミュニケーション能力の不足だろう

「ふむ・・・しかし、いや、断らせて貰おう」

ガッデム!!

コポコポと黒色の液体が何かの反応を起こしている

何これ、コーラみたいで美味しそう

などと呑気な事を考えているのはその場にいる片方だけだった

「隠れたまえ!早く!机に!」

条件反射で机の向こう側に飛び込みうずくまる

液体が何かの反応をして爆発するのかと思ったので一応耳も塞いだ

だから彼は知らない、そこでそのような言葉が交わされたのか

彼女が何を言ってくれたのか、

「ここに人が来なかったか!?」

身なりの良い男が尋ねる

「いいえ、誰も来ていませんよ?」

白衣眼鏡がダルそうな顔で答える

「そうか、ならば良い」

身なりの良い男が立ち去ろうとした時

何も知らぬ彼はやってしまった

知らぬがゆえに

「あれ?なんだよ何もないじゃん!」

ズタボロの金髪が整った顔を出す

「あっ、バカ!」

バカだと!?と憤慨するも一瞬

「貴様隠していたか!!この事は上に報告するからな!おい!捕らえろ!」

言い終わるかすんでのところで破裂音が響く

パンパンパン!!

時間差!?での爆発に勘違いしたフィリップはガタガタともう一度机の下に隠れる

だが違う

倒れる男の頭に穴が空いている

そしてポーレットの左手には前の世界で映画やゲームでよく見たもの

拳銃、のような物が握られている

「えっ、普通に殺すやん・・・」

びっくりしたのはその指先一つで人を肉に変える道具ではなく

その殺意。この人やっぱ俺側の人間だ。という驚きと喜び

「君も、私をおかしいと思うかね?」

「変わってるなーとは思うけど、別に良いんじゃない?」

つい素で返してしまったが

ニコリと、ほんの少しだけ返り血のついた笑顔で返してくれた

笑うと可愛いんだな、なんて思うのも数秒

やっと彼は気付く、その異質さに

「拳銃?なんで?」

ライフルはともかく、拳銃は狩猟に向いていない、つまり、人に撃つ為に作られた銃、という事になる

それはつまり、殺意の込められた対人の銃器の存在

「拳銃?まだ名前を付けた覚えはないが。新開発した小型の銃だよ、低威力のため程度接近しないと使いものにならないが」

つまり、この人は正常に殺意を持ち合わせている、という事

やはり自分側、とフィリップは喜びを再確認した

「やっぱり俺と一緒に戦争をしましょうよ!」

なんでこの人は断ったのだろうか

「そうだな、君のせいでここにはいられなくなったし、その話し、お受けするしかないだろう」

苦笑いで答えてくれる

やったやったと子供のようにはしゃぐ

「あ、研究資金はちゃんと支給されるだろうね?」

さっき渋った理由はそれだろう

フィリップの事などただのちょっと金持ちのガキ

ぐらいにしか思っていなかったはずだ

「フィールドテストも付けますよ!」

当然だ、これから使う機会は増加する

元が0だから間違いなく増加する

「素晴らしい・・・!!」

足元の死体など完全に意識の外である、恍惚とした表情を浮かべ

嬉しそうにまた笑う彼女

「あ、そういえば聞きたい事がいくつかあるんですけど良いですかね?」

「その話しは死体を運びながらしよう、ここを発つ準備もしなくてはならんしな」

死体を脇から持ち上げズルズルと溶鉱炉まで運ぶ

普段は溶鉱炉に不純物をブチ込むなど絶対に許さないらしいがどうせ放棄するから良いのだと話してくれた

「あぁ、それで、ですねなぜ兵器を開発してるんです」

「邪悪な大人達を消し去る為さ・・・!」

なんだってそんな事を・・・

「この平和な世界には純粋で、清い子供達さえいれば良いのだよ」

ひぇっ、と胃が縮む思いをする

にも拘らず、彼女はとても綺麗な眼差しをしていた

カンボジアで独裁者の経験とかあるのだろうか

だがまぁ、彼女の目的が邪智にまみれ欲望の下僕となった大人達の抹殺だろうがただの虐殺だろうが関係ない

彼女の手段がこちらの目的なのだから

すなわち、彼女が殺そうとすればするほど文明は発達するのだ

「なるほど、それともう1つ、あの黒い液体なあに?なんで急にコポコポしたの?」

死体を溶鉱炉に放り込む、ズヴォアァと音を立てて沈んで行く

タンパク質の焼ける匂いが充満する

この匂いは結構好きだったりする

「あぁ、アレは魔法器で人の憎悪を抽出したモノで、兵器転用できないかと試行していたのだ。

反応の理由は悪意を持った人間が近付いた事による共鳴反応だよ」

!?

「抽出された人間は、憎悪なくなります?」

だとしたら非常に困る!と食い気味に訪ねてしまう

いや、使えるかもしれんが憎悪は抱いたままでいてもらわねば困る

「これは哲学の領域だが、憎悪は向ける対象が存在する限り、一定量沸き続けると私は思っている。事実抽出した人間は息絶えるまで憎悪を抱いていたぞ」

良かった、ならば使いようはいくらでもあるはず

「他の感情を抽出する事は?」

憎悪は、という事は他の感情は無くなるなるか、薄くなる?

「普遍的で大きいものならできる、憎悪より量は少なくなるが。愛情や友情は足し算で増えるが、憎悪は引き算で増える」

好きは加点方式、嫌いは減点方式、か

つまり、好きになるのは好きな理由が増えるから

嫌いになるには好きな理由が減っていくから、というわけだ

それに愛する理由は簡単に無くなるが、憎む理由は、誤解だったとかじゃない限り消えにくいものだからなぁ

「おいしそう、と思ったんだけど、飲んだらどうなるんですかね」

てきぱきと大事なのであろう書類や道具をカバンに詰めていく

「純粋に憎悪そのものだからね、注射でも経口でも身体に溶けて、君がちょっと嫌いとか、その程度のものが憎しみに変わるのだよ。量次第だがね」

恐ろしい薬品である

人の精神が手間なしで変えられるなんて、悪魔の液体と言っても過言ではない

「あ、準備できました?」

「あぁ、これだけあれば問題は無い

あ、そういえば君の名前を聞いていなかったね」

「フィリップ・ド・エルディンですよ。これからよろしくお願いしますね」

「あぁ、よろしく頼む、共犯者君」

熱い握手を交わす

「これは君へのささやかな贈り物だ」

拳銃と、いくらかの弾薬を受け取る

安全装置などついていないのが恐ろしいが

ふと思い出したように彼は周りを伺う

目的の物を見つけササっと手早く手に取った

紙にペンで自分の住所を書く

「ここが私の家です、先に向かっていて下さい。あとコレを城の者に渡せば、適当な部屋をくれるはずなんで」

命令書を書きそこに指輪の印で、蝋を溶かそうと思ったがなかったのでインクを着け

紙に押し込む

財布から出した電車代、馬車代と一緒に渡す

「まさか名門の貴族、それも領主様とは、驚いたよ。了解した、では世話になるぞ」

指輪の判子を見てから気付いたのか、存外に抜けているようだ

自分は四番目に栄えた土地の領主のはずだが

「あぁ、それじゃ向こうでまた」

「くれぐれも捕まらないでくれたまえよ?」

彼女と別れて研究所を出て時間を確認する

まだ昼前か、じゃあ教会にも行けるな

しかし城まで馬車で帰れる程度の金額しか残っていない


1度荷物を取りに部屋まで戻らいとな、めんどくさ!

怪我をした足を引き摺りながら馬車を止めた

スゲー思想のお姉さんが出てきた

でもこんな事を大真面目に考えてた人が実在するから怖い

誤字脱字あったら胸の奥にそっとしまって下さい

そして、できれば、時々で良いんです、思い出して下さい

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