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救済する悪意  作者: 人型ヒューマン
4/23

第4話ドキドキ☆初めての闘争!〜離さないでその悪意〜

いよいよ戦争が起こりました

主人公の悪意がちょい漏れしてます

わかりにくいけど土地の名前、それに由来する人名は楽園の名前を適当にいじって付けてます

決してかっこいい名前を考えたのではないです

本当です

「兵を集めろ早く!山賊が暴れている!鎮圧に向かうぞ!」

精鋭の近衛部隊を率いて鎮圧に向かう

そう、鎮圧だ、討伐じゃなくて

しかも精鋭の近衛部隊の皆さんも実戦経験無し

ふざけてんのか!

まぁ、統率がとれるだけまだましだろう

馬に乗って全力で飛ばす

「いいか、相手は凶悪な山賊だ!!

出会い頭に殺害しろ!これは命令だ!!」

「「「はっ!!」」」

あくまで鎮圧だ

駆けて駆けて駆けて

全力で走る事しばらく

「止まれ!!あそこが拠点だという情報だ

総員、下馬!整列!」

丁寧で迅速な行動、さすがは精鋭だ。訓練は怠っていないのだろう

記憶によっても怠っていないことがうかがえる

「総員かかれ!全員殺害せよ!!」

雄叫びと共に突撃していく

まぁ、殺しを最終手段だと言っていたしよっぽど負けはしないだろうが

心配になるな

お、血の匂いがしてきた、殺ってる殺ってる

「敵の一部が何やら話しが違うと叫んでおりましたが」

「なるほど、なにかこの事件を裏から手引きしている者がいるのかもしれん、拠点及びその周辺を捜索しろ!」

威勢の良い返事と共に黒幕の号令によって散っていく部下達

神様の為だからね、ある意味聖戦に近い

神のご意志なのだよ

所謂、神が、それを、望まれた。という奴だ

「裏手からこのようなものが!!」

「なんだこれは・・・!」

「エイヴァロン領の、鎧・・・!?」

エイヴァロン領、今回の被害者であり表向きには加害者

エルダード領北の領地、曾祖父の代に何かあったらしく

少しお互いに近寄りがたいな。進んで手を貸したりはしないぞ。

ぐらいの仲の領地だ

そして鎧も当然、この男が仕込んだもの

「それも近衛騎士のものだ・・・!」

王の御前ゆえ、一応の形として

親睦の証として譲り受けた飾りがこのような形で使えるとは

実用性のない鉄屑を有効利用してあげたのだからむしろ感謝されてもいいと思う

「つまり、村を生贄にしてまでこの私を殺そうとした、ということか・・・!!

王都に使者を送れ!城から本隊を連れてきてこのままエイヴァロン領に侵攻するぞ!!」

エイヴァロン領を手に入れたら何しよう

とりあえず武器の生産だよね!

いやいや、まず紛争に勝たなきゃだよね☆

「戦争を起こす気ですか!?会議をして処罰を求めましょう!」

手ぬるい、脳内で(ばっきゃろす!それじゃあお前・・・意味が無いんだスカポンタン・・・)と悪態をつき

適当な言い訳を考える

そうだな・・・と一呼吸置いてから

「村を1つ潰してまで殺しにきたのだぞ!

会議などしている間にどれだけの人が犠牲になるか!!下手をすれば向こうから侵攻してきて、我等の民が、家族が犠牲になるかもしれんのだ!

早くしろ!」

「「「はっ!!!」」」

家族、我らの、という言葉を出した途端に目の色が変わった

優しさゆえに守るべき、と判断するものが彼らには多いようだ

初めての人殺し、血の温度、燃える炎、苦しむ人々

それらを直に見た後だ、かぞくがそうなる事が生々しく想像できたのだろう

いい感じに興奮している兵士たちはさらりと命令を聞いた

熱が冷めない内に畳み掛けなきゃ!

「諸君らは人を殺すのではない!家族を、友を守るのだ!!それは恥ずべき事ではない!!むしろ誇りに思え!!」

その興奮と熱で蕩けた脳は、近衛騎士の鎧が出てきただけでエイヴァロンがやったとも限らないし攻めてくる前提で話している事にすら気付かない

そもそも自分の主人が戦争を起こそうとしているという可能性を考えない

興奮状態って素晴らしいね。とほくそ笑んだ

「装備の手入れとこの屋敷の捜査を!まだ何か出るかもしれん!休息も怠るな!」

血の匂いを嗅げ!

死体を見ろ!

興奮を醒ますな!

自分も意外と興奮してたのか思ったより時間が経っていたようで、本隊は早く来たように感じた

「エイヴァロン領主の館まで侵攻する

敵は発見次第殺害しろ、行くぞぉぉぉぉぉ!!」

「「「「おおおおおおお!!!」」」」

エイヴァロン領主かわいそっ!


エルダード城から王都までは馬で一週間

その内に決着を付ければ実質勝ちだ

ここから領主の館までは2日

この速度ならあと半日で着くから

一泊くらいしておくか

「もうすぐ森に着く、そこで一泊しよう」

「はっ、かしこまりました」

気の利く事に本隊の連中は遠征の用意までしてくれていた、おまけに銃、弾薬まで持って来てくれたし

やけに気が利き過ぎる、というのも気になるがまぁ今は良いか

だっておかげで肉を使った鍋が食える!

獣には銃を放てと言ったがこんなに獲れるとは!

美味い、獣臭いが美味い

「あの領主様、よろしいでしょうか」

「あぁ、ランス君、そこに座りたまえ」

ランス君は、剣術に秀で近衛騎士の中でもトップクラスの武芸者

低級とはいえ貴族の血筋で頭もよく人柄も評価できる。

人柄に関してはこの世界では皆そうだが

ランス君は静かに、考え込むようにゆっくりと話し始める

「この事件、何か怪しい気がするのです」

「怪しい、とは?」

「本当にエイヴァロンが仕組んだモノなのでしょうか、僕にはもっと大きな、何かを企んでいる者がいる予感がするのです」

ホームズかな?

探偵になれるよ君、直感だけで

と、脳内でおどけるも緊張させた顔は緩ませない

まず彼の胸中を少しでも吐き出させてみないことにはこちらも手が出しずらい

「なぜそう思うんだ?」

「なんというか、あの家にわかりやすく近衛騎士の鎧が置かれていた事、そして山賊の言っていた話しが違うという言葉、何か・・・おかしい気がすると・・・」

「所詮は山賊、忘れて置きっぱなしにしたのかもしれんし、苦し紛れの言い逃れかもしれん」

「しかし!」

「しかし、違うかもしれない、君の言うもっと大きな何かがあるかもしれない、だとして、君はどうするのだね?」

自分の主人が戦争を起こそうとしていると知った時、こいつは一体どうするのだろう

私を殺すだろうか

それとも上に報告して処罰を求めるだろうか

正直、どちらでも良い、どちらでも対処はできるし

万が一死んだところで何も変わらない

「調べてみるかね?」

「いえ、自分は自分の主を信じます

あなたがそうしろと言うのであればそうするまでですよ」

「そうか、ありがとう」


・・・・・・チョロ!!

都合の良い手駒じゃん!!

そのくせ戦争を起こそうとしてるのバレたら裏切るんだろ!?

こういう綺麗事を軽く並べるヤツは!

ヤンキーの友情永久不滅!!と一緒のタイプだよ安っぽいんだよなぁ〜マジ信用ならねぇ!

ムカついて来た!もう寝よ!

フィリップの脳内は大荒れ、前の世界の常識すら持ち出す有様

あふれる感情の波に抗うという選択肢すら捨てるほどに


そして一晩明けて、目が覚めて最初に思った事は

ヤベェ、兵士も俺もちょっと冷静になってる

しかし再度燃焼、とまではいかなくても頭を、意識をはっきりさせなくては

「諸君、今日中に館に辿り着く、そして恐らく、殺し合いになる。覚悟は出来ているか!!」

「「「おぉおぉぉおぉぉ!!!!」」」

大丈夫かなぁ・・・大丈夫かなぁ・・・

不安に駆られていた、引きこもりで人と触れ合うこともせず

誰とも向き合わなかった彼には人の心を確かめる術を知らなかったのだ

「進むぞ!!」

馬に乗って走る事数時間、だいぶ都会に出て来たけど

視線が恥ずかしい、道行く人すべてに見られる

当然だ、なにしろ他領の兵士が血眼で武装して駆け抜けてゆくのだ

視線を集めないほうがおかしい

恥と緊張に耐えていると時間が経つのは遅いもので、なかなか着かない・・・今のうちに作戦とか言い訳考えようと頭を動かそうにも上手く働かない

まぁ、銃をぶっ放せば余裕で勝てるのは間違いないとして

王都にはなんて言い訳しよう・・・

争いの火種を消すために・・・

禍根、禍根の元・・・違うな・・・

真剣に考えると時が経つのは早いもので、無駄に早く着く!

「これは、エルディン卿!いかがなs」

館の門番が気さくに声をかけて来る

すかさず兜の隙間に槍をブチ込む!!

意外と感触は気持ち悪くないんだなぁ

と悠長なことを考えてながらも

極限状態で脳は覚醒していた

「奴らは獣ぞ!獣には銃を使って良いのだ!!

撃ち方構えぇ!!」

これはちゃんと昨日の内に兵士に言っておいたはずなのだが・・・

少し困惑しているようだ・・・

「撃ち方!!構えぇぇぇぇ!!!!」

怒鳴ると慌てて銃を構える

敵が慌てて城門から出て来るタイミングで!!

「ってえぇぇええ!!」

響く銃声と砲煙、そして血しぶき

この、銃を知りながらも複数人で同時で撃つことを

明確に人を、確実に殺す事を目的に

つまりは人同士の闘争に使うことを知らなかった世界での

初めての斉射はこの国で起こる大戦争の幕を上げた

そして号令を発した本人もビビっている

鎧きてても余裕であんなんなるんか・・・

むしろ貫通する弾も鎧の内側で跳ね返るからより残酷な事に・・・!

と、高速で飛ぶ鉛の弾の威力に

「突撃ぃぃぃぃ!!!!」

ビビってるうちに衝撃を加えなくては!!

俺も皆んなと同じ、戦争初心者だからなぁ

学ぶ事がおおいや

この場に一人、人が死のうが苦しもうが素知らぬ顔をできる者は冷静だった

ゆえに学んだ、闘争を、死を、殺し方を

さて、余計な事を言う前にエイヴァロン卿をぶっ殺さないと!

と、「次」を考える余裕を生むほどに

「なな、な、何事だぁ!」

「あ、エイヴァロン卿、さようなら」

槍で、前から突き刺す!!

だって鎧を着ていないから!!

銃であっても槍であっても拳であっても、布の服と人体は無力だ

その日、フィリップは銃で4人、槍で3人を仕留めた

初めてにしては凄いスコアだと思うんだ!

完全な奇襲、初めての闘争、そして銃

戦時国際法が無くてもオーバーキルなのは当人達のみが知ること

本当はもっと殺すチャンスはあったんだけど、恥ずかしながら銃が余りにも当たらなくて////

と、本人はのちに語る

それはそれとして、完全にワンサイドゲームだなこれ

ほとんど虐殺。このような形で初戦を迎えられたのは有難いことだ

まずは簡単な所から始めなくては、いきなりハードモードでは話しにならない

「エルディン様!この方はどうしましょう!」

「離しなさい!!お父様が、お父様が一体何をしたと言うの!?悪魔共!!」

半狂乱気味に怒鳴り散らすこいつは記憶では確か会った事があるぞ

エイヴァロン卿の娘の・・・・・・

「失礼、お嬢さん名前はなんと言ったかな?」

「お父様を返して!!お父様は!!お父様が!!」

ふぅ、とため息をつき呆れ顔をして見せてから

「連れて行きたまえ」

「はっ!」

怖っ・・・

何あの人・・・言葉忘れちゃったのかな・・・

事前に決めていた予定を思い出す

あ、書斎にいって直筆の手紙をかき集めて来ねば

「10分後に火を放て、悪魔を根絶やしにするのだ」

「何もそこまでしなくても!!」

「これは戦いなのだ!!徹底的にやれねば!!」

全力で書斎にダッシュ!して手紙を奪取!

今のはちょっと下らなかったな

必要なエイヴァロン卿の文字を集め終わり、逃げ出す

「火を放て!」

ぼくもみんなも戦争は初めて

ならばこの戦いが基準になるのだ

やり過ぎなくらいやっておけば

次からも多少やり過ぎても大目に見てもらえると言うもの

少々、兵士達の良心が壊れるくらいやっておかねば

「とらえた女、子供はどうしましょう」

「殺しても構わんし犯しても構わんただし後腐れなくな」

ここに来るまでにフィリップは気付いた事がある

こっちの世界の人間は悪意というものが薄いだけで、害を与える方法は考えれば考えつく

そもそも考えないのだが

だからやって良い、と言えばちゃんと悪い事も出来るのだ

つまりは、この程度ではないもっと大きな争いを

だから戦争が起こらず、ノウハウも無いままだった

つまりは、起こしてやれば良いのだ

考えなくてはならない状況に、嫌悪する暴力に頼らねばならない状況に

大きな戦争を起こせば後はなし崩し的にバンバンやりまくるだろう

その先頭に私が立ってやれば良いだけだ

「いや、待て!ここでは人目が憚られる、連れて帰るぞ、城でやろうではないか」

3名の軽傷者。敵対者全滅という圧倒的戦果でもって

我々は帰還した

麗しの祖国

我らの土地へ

どうせ読んでる人もいないしちょっと休みます

誤字脱字あったら報告して下さい

あと矛盾とかもあったら教えて下さい

電話越しに頭下げて謝るんで

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