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救済する悪意  作者: 人型ヒューマン
3/23

第3話 クズが頭をひねった

疲れたんでここで切ります

え、これおかしくね?ってとこあったら連絡下さい

寝不足のせいで脳がイかれてるんで


目が覚めて最初に目に映るのは石の屋根

こちらに来てから最初の睡眠なので少し驚く。

疑ってたわけではないが、何事も無かったかのように元の世界に戻っているのでは、なんて

「誰ぞ〜誰ぞあるか〜」

昔から一度やってみたかった呼び方をしてみる

「はっ、こちらに!」

「奴隷の住民登録と、例の荷物を」

「かしこまりました!」

入浴し、身だしなみを整え、自分のイケメンっぷりに驚き、そして部屋を出る

護衛の人に挨拶をされたので返す

「おはようございます!」

「ん、おはよう」

平和ボケした兵士でも武器は持っている

交通事故よりも遥かに低い確率とはいえ、人は死んでいるのだ

しかし武装は槍、ある程度発達した文明とのミスマッチに違和感を覚える

昨日、本で調べたところ、銃は狩猟用で人に向けて撃ってはいけないのだと

元の世界との根本的な違いに憤る

元の世界では無いのだから当たり前なのだが

奴隷用宿舎の鐘を鳴らすと慌てて出てくる

ふふっ、アリの巣に水流したみたいだなぁ

なんて、思う間に全員出てきたようだ

「おはよう諸君」

「「「おはようございます!」」」

点呼確認してみたら脱走者はいなかった、当たり前だ

「では、この名簿の50名は私と共に、他の30名は城に入り手続きを済ませ言われた通りの鍛錬をしておけ」

読み書きができるもの、魔法の才能があるもの、身体能力の高いものを集めた名簿を渡す

配下にする本命はこの50人と少し。これから50人を下回るだろうが

そして、なぜ読み書きができるもの、魔法の才能がある者までもが奴隷になっていたかと言うと、昨日調べた限りでは災害などにより村が壊滅すると飯も仕事もあったもんじゃない、それで奴隷商に行きなんでも(尊厳が損なわれない限り)するから働き口を見つけてくれ、というわけだそうだ、本から知識を得られるのは素晴らしい。と痛感した

このいい人ばかりの世界での奴隷は大半がこのパターンらしい。稀に、犯罪者だったりその子供もいるそうだが

「例の荷物は?」

「こちらに」

既に全てが万全に用意されている、手際も良い。

さすがに奴隷とは違うらしい、比較的に学のある人達だ

「この袋に銀貨が10枚ずつ入っている、これを1人1つずつ取って馬車に乗ってくれ。」

奴隷達には北の関所近くの村で買い物と言っておいた

好きなものを買っていいぞ、と吹き込んで優しい領主様を演じた。あくまで演じた。

昨日も乗っていた愛馬に乗り込む

いや、昨日からしか知らないが

記憶によると子供の時から一緒らしい

御者にはついて来い、としか命令をしていないのでどこに行くかは知らないはずだ

実際は言わずもがな、野盗のアジトに向かっている

道中、休憩中にて

「そこの、君は名前をなんと言ったかな?」

「はい!僕はティトリです!」

こいつにした理由は簡単、顔は良いが俺よりイケメンじゃないのと、気が弱そうだった。などという適当な理由だった

「小話しなのだが、なぜ銃は人に撃ってはいけないのだね?」

「えっ!?死んでしまうからですよ!」

うん、そうだね、当たり前だね

「そうだな、なに、気にするな」

「は、はい」

意識の違いがまざまざと、ハッキリ見られた

戦争を起こすのも一苦労だ

せめてもの救いか、野盗や族は人を殺す事が極稀に、あるそうだ

野盗でその程度なら、どうやったら戦争になるんだ

戦争を起こす方法を考えているウチに関所を通り、村へ到着した。少し挨拶に周ると嘘をつき、奴隷達には待機を命じる

自分は、野盗のアジトまで馬で向かう。

思っていたよりも近く、なんの問題もなくたどり着いた

誰も付いてきていない事を確認すると、とある荷物を

その少し大きい、屋敷の様な建物の裏に隠すようにそっと置いておく。

屋敷の正面に戻ると少し身なりを整え扉を3回ノック

少し厳つくも、しかし優しそうなツラの人たち

「あん?どちら様だい?」

「あ、私アグルテス国のエルダード地方を治めさせて頂いてます、領主のフィリップ・ド・エルディンと申します」

元の世界で見た刑事ドラマを意識して、貴族の持つ家紋章をスッと見せる

国の名前も、自分の領地も、自分の名前でさえもこっちに来てから初めて口にした

「・・・貴族様がなんの様だ」

「そうですね、あなた方をこちらで雇用させて頂きたいな、と」

嘘では、無かった

「この暮らしも悪くないと思ってる、帰ってくれ」

「あなた方のやってる事は犯罪行為ですよ?」

「殺しはしねぇ!それに、用心棒やちょいと手助けした相手から金を貰ってるだけだ!」

それにしては高額過ぎるし、その後も時々顔を見せては、金を少しずつ受け取っているようだが

そうか、それなら・・・とまた少しだけ悪く微笑む

「そうですね、では、今回限りで雇わせて頂いても?」

顔の筋肉が疲れてきた

「自分とこの兵士じゃいけねぇのかい」

領主からの仕事、毟り取れる!と喜んで然るべきだが

疑い深い野盗は食い下がる

「えぇ、なにぶん都合がございまして」

ここから、エルディンの口からは嘘ばかりが飛び出す事になる

見抜かれなければ嘘は真実だ

事実ではないけれど

「話しは聞いてやる、入れ」

こっちのもんだとばかりに笑顔が少しは強くなる

「で、要件はなんだ?」

エルディンの想定よりも人数は多かった

すこし計算がずれるかもなぁ、と勘案

「表に奴隷達がいるんですけどね、そいつらは1人、銀貨10枚持ってるんですよ、捕まえたら、それを差し上げますので、追いかけ回して欲しいな、と」

「わけがわからねぇよ!そんな事してあんたに何の得があるんだ」

当然の反応

「避難訓練ですよ、緊急時の対応を調べたいんです。あ、それと麓の村、わかります?」

「あぁ、でもあそこはあんたの領地じゃないだろ」

「合同演習と区画整理を兼ねてまして、その解体作業をあなた方に、破壊という形で依頼させて頂くわけです。

あなた方はこれで元の暮らしに戻れますし、我々は専門の業者を雇うよりも安く、避難訓練も兼ねる事ができる、一石二鳥というわけです」

出まかせに嘘をかけてハッタリで味付けしてる感じ

しかし、権力者で、この世界だ

戦争を起こす、そんな事を思っているなど、夢にも思っていないだろう

急ごしらえで矛盾だらけとはいえ、事前に練って来た計画だった、戦争を起こすにはまず恨みを募らせる事

「そちらは儲かり、こちらは手間や金が浮いて訓練になる、どうでしょう?」

「そうだな、まぁ、悪い話じゃない、良いだろう」

「あぁ、あとこれは独り言なんですが、城の兵士は来ていない・・・更に村に連れて来ている奴隷達は元犯罪者達で不安だ・・・逃すくらいならどさくさに紛れていっその事・・・・・・

おっと失礼、では、よろしくお願いしますよ?」

不安と期待と焦燥の混ざった顔、伝わったようだ

彼らならキッチリ殺して恨みをばらまいてくれるだろう。

家から出ると村に聞こえるか聞こえないかの大声で叫ぶ

「逃げろー!!山賊だー!!」

そして後ろから怒声

「行くぞお前らぁ!!」

「あ、村に置いてある馬車は火をつけて放置してくださいね!開始の合図みたいなもんです!僕ももう逃げますんで!」

やはり、地元の人だ、自分が思うよりもずっと早く村までたどり着いたみたいだ

蜘蛛の子を散らす様に慌ただしくなる

村がどんどん赤く、熱くなっていく

鼓膜が破れそうになるほどの衝撃と爆発音

言った通り馬車に火を付けてくれたようだ

あの爆発で村人が死んでくれてたら良いが!

「あ、ティトリ君!奴隷をすぐに召集するんだ!」

「しかし村がこの様な!!」

「それより人命が先だ!早く!!」

「はい!!」

村は阿鼻叫喚だな・・・

「兵士も連れていない我々ではどうする事も出来ん・・・逃げるぞ!!」

生き残ったのは48人、何人か死んだようだが、見積もりよりも多かった

帰りはひたすら走るだけだ、命がけで走ってくれたまえ!

なんて頭では余裕ぶりつつも、汗を垂らし言う

「大金を持って出かける事がバレていたようだ、まさかあそこまで過激な攻撃を仕掛けてくるとは・・・」

半日近く走って逃げて休んでまた走って。

やっとこさ自領の街にたどり着いた頃には生き残った人達は憔悴していた、当然自分も。だが・・・

「皆は休んでくれ・・・すまぬ・・・」

奴隷達は一回休み

次は兵士達の番だ

「兵を集めよ!山賊の襲撃だ!人も死んでいる!」


ちょっとゲスりましたね

でも予定ではここから加速するんで

お願いです読んで下さい

恥ずかしいけど

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