出発
「おばちゃーん、何か作ってちょうだい。あと、彼が赤の妖精のとこに行くよ」
腹が減ってはなんとやら。まずはお腹が減っていたからおばちゃんの料理を食べに行った。
「あら本当かい?あそこはねえあたしの故郷なんだ。お手紙は用意してるからお願いね」
そしてしばらくしたら料理が出てくる
こんがり狐色に焼かれたパンと絞られた花の蜜、草が浸されたお渋めのお茶が出てきた。スタンダードだが、花の蜜の甘い香りが食欲をそそった。
「「「いただきます」」」
「ええい、ヒビキ!こんなところで何をしている。あれほど輸送は時間が命だと言っているだろうが!」
食べ終わって一服していたところにツバサが怒鳴りこんでくる。
「もう、いっつも忙しくないくせに時間に厳しいふりして。いい加減落ち着いたら?」
「いいやハナ、何事も形からという有名な言葉がニンゲンの世界にはある。オイラはそれをリスペクトしてるだけだ」
「はぁ、ごめんなさい。アイツは昨日だけじゃなくっていつもこうなんです。でも鳥使いは珍しいから慣れてあげてください」
そして表に出たらすでにツバサの鳥が枝に止まっていた。
「赤の妖精のとこは暑いし遠い。途中青の妖精のとこに停まるぞ。んじゃ掴まれ」
「安全運転で頼むよ、手紙が落ちたりしたら大変だからね」
「わかってるわかってる。でもお前らが落ちても知らないからな」
鳥の背に掴まり俺達は再び青の妖精のところへと飛び立った。