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ハル・アルダートンと大地の王冠  作者: ゆう
第2章 外の世界
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冒険者講習一日目

 ゴーーン、ゴーーン、ゴーーン


 「んん、朝か・・・」


 ハルは鐘の音で目を覚ました。外はまだ薄暗い。どうやら今のが第一点鐘のようだ。


 「んー、まだ眠いー・・・」


 昨晩はかなり遅い時刻までカシスの街を見て回っていた。そのせいでまだ寝足りない。確かにハルはその気になればほとんど休みを取らずに秘境の過酷な環境の中でも過ごせるが、寝なくても大丈夫というのと、ゆっくりと寝たいという願望は別物である。


 「あーでも、これから冒険者講習があるんだった。しょーがない起きるか」


 ハルは眠気を我慢してベッドから起き上がる。のんびりと身だしなみを整えた後下の食堂に向かった。


 朝食のメニューは、優しい味わいの野菜たっぷりのスープとパン、スクエアベリーという甘い果実で作られたジャムだった。


 清風亭の料理はこの宿の主人でありアンナさんの夫であるサリハさんが作っているらしい。スープも美味しかったのだが、ハルは特にスクエアベリーのジャムが気に入った。ほどよく酸味が効いており甘ったるくなく香りも良かった。果実そのものも美味しいらしい。今度店で見つけたら買ってみようと心に決めながらハルは宿を後にした。


 この街の朝は早いらしい。既に多くの店が開いていた。ハルはウィンドウショッピングを楽しみながらギルドに向かった。


 ギルドはかなり混雑していた。やはり朝から仕事を始める人が多いらしい。ハルは受付に向かい、ギルドカードを見せながら講習を受けにきた旨を伝えた。


 受付の女性に指示されハルは2階に向かった。上がってすぐの所に『冒険者講習会場、第一会議室→』という案内がありそれにしたがって進むとすぐに場所はわかった。そこそこ大きな部屋だ。いくつも長机といすが並べられていた。既にいくつかの席には先客がいた。


 一人はハルより少し年上くらいのオレンジの髪をした真面目そうな少年。これから始まる講習のことを考えているのか、緊張した面持ちである。


 そこから少し離れた所にいるのはオレンジ色の髪をした少年と同い年くらいの男女2人組。少年は水色の髪、少女は赤紫の髪をしている。もともと知り合いなのか隣同士で座って何か話しているようだ。


 部屋の後方の席に座り腕組みして目を閉じているのは褐色の肌にスキンヘッドの背の高い男だ。年齢は二十歳くらいだろうか。


 そして部屋の1番前の席に座っていたのはハルと同じくらいの年齢の、ショートカットの明るい茶髪をした美少女。


 「え、あの子は確か・・・」


 そこにいたのはハルが昨日ギルドに登録しようと受付に並んでいる際に見かけ、自分を除いたらギルドの中にいる者の中では1番腕が立つだろうと思った少女だった。


 「てっきり上位の冒険者なのかと思ってたなぁ。っと入口に突っ立ってたら邪魔になるな」


 誰かが2階に上がってくる気配を感じたハルは、入口を離れ近くにあった席に座った。





 第二点鐘が鳴らされる直前になった時には室内は20人近くまで増えていた。ぎりぎりの時間に入って来たのは無駄に装飾が多い剣と『それはどう見ても観賞用だろ・・・』と思わずハルが呟いてしまうほど華やかな、実用性の欠片もない鎧を着た気位の高そうな金髪の青年と、頭とガラの悪そうな男たち3人組だった。その4人が入った直後、第二点鐘が鳴らされた。



 すぐに、ギルド職員の制服を着た中年の男がやって来て点呼を取った。その後、講習の説明が始まった。


 「この講習は、冒険者仮登録の者及びギルドから講習の再受講を命じられた者が受けるものです。期間は最短で7日。この講習が終わり次第皆さんは正規の冒険者となります。この講習は泊まり込みのものです。講習が終わるまではギルドの管理下で生活していただきます。初回の講義は私が行いますがこの後の戦闘訓練以降は担当となった教官が執り行います。初回であるこの講義の内容はギルドの施設や依頼の説明、ランクアップの話などおそらくここにいる皆さんが既にご存知のことですが、一応真面目に聞いてください。今日の講義はそれほど長くなりません。講義が終わり次第ギルドの訓練場に移動していただき、そこで担当となる教官との顔合わせの後戦闘訓練を行います。ここまでで何かご質問は?」


 誰も手を挙げないのを確認した職員は小さく咳払いをした後、今日の講義を始めた。









 「―-―-以上で今日の講習を終わります。お疲れ様でした。続いてこれから戦闘訓練です。今からギルドの訓練場に向かいますので着いて来てください」


 ギルド職員の後に続いてハルたちはギルドの裏側にある訓練場に向かった。


 ギルドの訓練場はかなり広いグラウンドだった。所々に射撃練習用の的があったり試し切り用の人形があったりするが、大部分は何もない広場になっている。また、外周部は1段高くなりコロシアムのように観戦できるような場所になっていた。


 訓練場の真ん中には50代半ばくらいの渋い顔立ちに鋭い眼光をした隻腕の男が仁王立ちしていた。


 (へえ、この人結構強いな。あのショートカットの子よりもワンランクは強いかも)


 既に身体能力が落ち始めている年齢だし、片腕もないが、間違いなく今までハルが見た人間の中では1番強い。


 短い、黒に近いダークブラウンの髪に白いものが混じり始めているが、その男からは周囲の者とは比べるまでもないほどの威圧感が放たれていた。


 ふと見ると時間ぎりぎりに入って来たガラの悪そうな3人組が表情を引き攣らせていた。さらに、ハルより少し後から入ってきたやけに不貞腐れていた様子だった少年も同じような表情をしている。


 一体なんなのだろうとハルが思い始めたところで、それまで仁王立ちしていた男が目をクワッと開くと同時に大きく息を吸い込んだ。



 「気を付けぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!」


 空気をびりびりと震わせるような大声で男は叫んだ。


 あまりの迫力にハルたちだけでなく訓練していた冒険者たちまでが思わず姿勢を正す。


 先ほど妙な挙動を見せていた4人にいたっては芸術家の作り上げた彫像のように恐ろしく美しい姿勢になると微動だにしなくなった。


 しんと静まり返った訓練場の中に男の大声が響き渡る。


 「聞けぇ蛆虫共!俺は貴様らの担当教官となる元Aランク冒険者、アレクセイ・バーニングハートである!!今は精々肉の盾か、魔獣を釣るための餌程度にしか使えないであろう貴様らをこの1週間ほどで一人前の冒険者になれるように鍛え上げてやる。その日までは貴様らは蛆虫だ! ゴブリンにも劣る世界で最も下等な存在だ!早速始めるぞ。まずはぶっ倒れるまで走らせてやる。貴様ら蛆虫共のために砂袋を用意してやった。これを背負ってひたすら走れ!!!」


 「ちょ、ちょっと待ってください!アレクセイさん、これはいったいどういう・・・?」


 受講生の一人が慌てて質問する。


 「黙れ!!話しかけられた時以外は口を開くな。口でクソたれる前と後にSirと言え。俺のことは講習期間中教官と呼べ!!!今の糞野郎、聞きたいことがあるならたれてみろ!」


 「さ、Sir・・・」


 「ふざけるな!大声出せ!!タマ落としたか?」


 「Sir!!この罵倒には何の意味があるのですか、Sir!!」


 「『ピー!!』の役にも立たないような貴様らは人間ではない ゴブリンの『ピー!!』をかき集めた程度の値打ちしかない!そんな貴様らにはこれくらいの言葉使いがふさわしい!!わかったか蛆虫共!!!」


 「は、はい」


 「声が小さい!!返事はYes、Sirだ。わかったか!!!」


 「Sir,Yes,Sir!!!!!」


 「よし、砂袋を受け取った者からそれを背負ってトラックを走ってこい。手を抜いてみろ、肥溜めに放り込んで肥料の一部にしてやる!!よし、行け!!」


 「「「「「Sir,Yes,Sir!!!!!」」」」」


 不幸な少年は既に半泣きだ。他のほとんどの者たちも罵倒された悔しさと、教官の威圧感と眼力にやられ涙を浮かべ震えている。彫像と化していた4人は悟りを通り越して今すぐ昇天しそうな表情をしていた。平然としていたのはハルくらいだ。


 そのハルはというと


 (おお、これって勇者様が伝えたっていうハ〇トマン式ってやつだ。外界にも伝わってたのかぁ。猟兵団の新兵時代にやられたなあ。ゴリ軍曹元気にしてるかな)


 などと考え事をしていた。


 「ほう、早速よそ事を考えているとはいい度胸だミジンコ野郎。その度胸に免じて貴様には砂袋2つ渡してやるありがたく受け取れ!!」


 それに目敏く気が付いた教官が凶悪な笑みを浮かべてハルに砂袋を2つ渡してきた。


 「Sir,Yes,Sir!!!(このオッサン鋭いな・・・)」


 ハルは渋々袋を受け取ると2つを背負い走り出した。




 約2時間後、既にほとんどの者が死にそうな顔をしていた。半数近くは半ば意識が飛んでいる。冒険者になろうと思って集まった者たちだ。みんな一般人よりも体力はあった。しかし約20キロ程の重りを背負わされた上に教官にかなりの速さを要求されたのだ。それでも彼らは足を止めない。なぜならば・・・


 「おらぁ、どうした木偶野郎!!手足ふん縛って魔獣の前に転がされたいのか?」


 「はぁはぁ、さ、Sir,No,Sir!!!」


 「そんなノロさで街の外に出たらゴブリン共に捕まって苗床にされるぞ!!!スピードを落とすな雌豚!!!」


 「ぜぇぜぇ、Sir,Yes,Sir!!!」


 「足を止めるな『ピー!!』野郎!!次さぼってたらタマ切り落としてグズの家系を断ってやる!!!」


 「うっぷ、げほげほっ、Sir,Yes,Sir!!!」


 鬼教官が後ろを追いかけてきていて遅れ始めた者に容赦ない罵倒と尻への渾身の一撃が待っているからである。


 最初のころには、気位の高そうな派手な金髪の青年が何度か教官に逆らおうとしたがその度に徹底して潰され、既に教官に対する反抗心は折れていた。


 「後30分程したら休憩をくれてやる!!それまでペースを落とすな!先頭のミジンコ野郎と隣の雌犬!!おまえらはまだまだ余裕がありそうだなぁ?特別メニューをくれてやる!休憩までにこいつらを5回追い抜け!!どちらかでも出来なかったら2人まとめて足腰立たなくなるまで可愛がってやる!!」


 「「Sir,Yes,Sir!!!」」


 ミジンコ野郎と雌犬とは、ハルとショートカットの少女のことである。ハルにとってはこの程度【身体強化】を使うまでもなかったし、ショートカットの少女は器用に【身体強化】を使いながらハルと同じスピードで走り続けていた。


 集団を追い抜くよう指示されたハルは、一気にスピードを上げた。ショートカットの少女も【身体強化】の強度を上げ、当たり前のようにハルについてくる。2人は結局余裕をもって集団を5回抜くことに成功した。




 正午を告げる第三点鐘が鳴らされた。


 「よーし、全員徐々にスピードを落とせ!!心拍を少しずつ落ちつけながらクールダウンしろ。終わった者から俺の下まで来い!!!」


 「「「「「Sir,Yes,Sir」」」」」


 指示を聞いて、全員がスピードを落とした。ハルも流石に軽く上がっていた息を整えながらクールダウンに移った。




 「よし、全員集まったな。よく聞け蛆虫共!!これから貴様らに休みをくれてやる。今朝、講義を受けた第一会議室に貴様らの餌が用意されているはずだ。次の指示が出るまでその部屋で休憩とする。以上、解散!!!」


 「「「「「Sir,Yes,Sir」」」」」


 返事を聞き、満足そうに頷いた教官が背を向けた瞬間ハルとショートカットの少女以外の受講生たちはその場に崩れ落ちた。


 「あーあ、流石に限界だったみたいだなぁ。・・・あいつは大丈夫か?痙攣しているようにも見えるけど」


 死屍累々となった周りを見渡しハルは頬を引き攣らせる。


 「あ、私水を貰ってきます!」


 まだ余裕のありそうなショートカットの少女はギルドの建物に向かって駆けていった。


 「おーい、木偶野郎君生きてるかぁ?」


 「誰が木偶野郎だ!!?」


 少女を見送った後、ハルが痙攣していた同い年くらいの大柄な少年に声を掛けながら軽く突くと思いのほか元気そうに半身を起してきた。


 「お、それだけ叫べるなら大丈夫そうだね。今、雌犬さんが水を取りに行ってくれてるよ」


 「え、何?今後、教官に付けられた渾名でいく感じなのか!!!?」


 「いや、名前知らないからとりあえずわかるように呼んだだけ。オレはハル。ハル・アルダートン」


 「―-俺はパベル。パベル・フェリシアーノだ。あの渾名は勘弁してくれ」


 「よろしく、パベル。それで、ギルドの二階まで行けそう?あそこで休憩を取れって話だったけど」


 「きついけどなんとかギリギリってところだな。もうすこしだけここで休んだら移動するか。あの鬼教官がどれだけ休みをくれるかわからないしな」


 「同感だね。流石にお腹すいたし昼食を取り損ねるのは勘弁したいから・・・っと、あの子が戻ってきたみたいだ」


 気配を感じてハルが振り向くとショートカットの少女が、飲料水の入っているらしい小さめの樽を持って向かってきていた。




 「ぷはーっ、生き返ったぜ」


 コップに並々と注がれた水を一気に飲み干したパベルはようやくなんとか立ち上がった。


 「悪い、助かった。ええっと・・・」


 「あ、私はセーラって言います」


 「オレはパベル。んで、こいつがハルだってさ」


 「ハルです。よろしく」


 「よろしくお願いします。ハルさんは昨日も会いましたね?」


 「あれ、気が付いてたんだ?」


 「はい、同じくらいの年齢の人がいるなーって」


 フラフラのパベルに合わせたペースでギルドの二階の大部屋に向かいながら会話をする。ハル同様にセーラの方もハルに気が付いていたらしい。


 「受付の列で気付いた時は既に冒険者として活動しているのかなと思ってたんですけど、資料室に行ったら新人が見るような資料まで読んでたからひょっとしたら私と同じでギルドに登録したばかりなのかなって思ったんです」


 「あれ?資料室に来てたの?」


 驚いてハルが問う。


 「はい。しばらくの間いましたよ?ハルさんはとても集中していたみたいで気付いていないようでした」


 「うん、全然気付かなかったよ。たまに集中してる時に周りが見えなくなるんだよね。お、着いたよ。パベル、大丈夫?」


 「なんとか。つーかおまえら俺とそう年齢変わらないくらいなのに凄いスタミナだな。一番動いてたのおまえらだっただろ!?」


 息も絶え絶えのパベルは賞賛半分、嫉妬半分といった表情だ。


 「んー、まあオレは小さなころから鍛えられてたから。ちなみに歳は14歳だよ」


 「あ、やっぱり同い年でしたね。私もそんな感じです」


 「なんだ、おまえら有名な道場の家の子かなにかかよ?これでも俺は地元の同年代の中では断トツで体力あったんだけどな・・・。ついでに俺も14歳だ。」


 「まあオレはそんな感じだね。別段有名じゃないけど」


 むしろユーヤ国の関係者以外で知っている者はいない。


 「――わ、私もそんな感じです」


 「?」


 セーラの反応が一瞬遅れた。名字も明かそうとしないし触れられたくない部分なのかもしれない。




 昼食は、硬い黒パンに干し肉、味気ない豆と野菜のスープという質素なものだった。というか、完全に冒険者が仕事先にもっていくような保存力を優先したものだった。ハルたち三人は固まって美味しいとはいいがたい食事をとっていた。


 「うわぁ、干し肉しょっぱ!?逆にスープはほとんど味が無いし。一緒に食べろってことかな」


 「そうみたいですね。一緒ならなんとか・・・」


 「はあ、この際味はどうでもいいよ。冒険者になったらこんな食事も増えるんだろうしな。問題はボリュームだろ?全然足りないぞ。きつい訓練の後にお腹一杯食べられないとか拷問かよ・・・」


 パベルはかなり不満顔である。彼だけでなく各地で不満の声が上がっていた。


 「まあまあパベル。どうせ腹一杯食べてもすぐに全部吐くことになるんだし」


 「ここは慰めるところだろ!!?心折りにくるなよ!!」


 「あははは・・・」


 ハルとパベルの妙に息の合ったやり取りを見てセーラは苦笑を浮かべた。


 「まあ、無いものねだりしてもしょうがないさ。夕食がもう少し立派なものであることを祈りながら、今は少しでも体を休めるべきだね」




 



 「おい、蛆虫共!!休憩は終わりだ。さっさと訓練場に出ろ!!ちんたらしてる奴はオークのケツの中に頭をぶち込んでやるぞ!!!」


 「「「「「Sir,Yes,Sir!!!」」」」」


 ささやかな食事が終わりそれぞれが体力回復に努め始めてからしばらくした後アレクセイ教官がやってきた。受講生は既に条件反射のように返事をする。


 ハルたちは午後もまた砂袋を背負ってただひたすらに訓練場のトラックを走らされた。流石に何人も倒れる者が現れたが、倒れた者はギルドが雇った治癒魔法の使い手に治療され、さらに口の中に無理やり体力回復効果のある魔法薬を流しこまれ、ゾンビのように地獄の行進へと舞い戻った。




 ようやく訓練が終わったのは第五点鐘が鳴り終わった時だった。


 「ようし、今日はここまでだ!!明日の講習までギルドの敷地内で自由に過ごせ。水浴び場は訓練場の右奥だ。貴様らの餌は昼と同様第一会議室だ。隣の第二会議室に人数分の毛布が置いてある。寝るときはその部屋で雑魚寝しろ!!明日は第一点鐘で起床。すぐに身だしなみを整え第一会議室で朝食を取れ。俺が着くまでに食事が終えられてなかったら訓練の量を倍にしてやろう!!以上だ、解散!!!」


 「「「「「Sir,Yes,Sir!!!」」」」」


 アレクセイ教官が立ち去った後、昼と同様にほとんどの者が崩れ落ちた。


 「セーラはまだなんとか大丈夫そうだね。パベル生きてるか?」


 「ああ、辛うじて。走ってる最中何度かお花畑が見えたけどな」


 「私も流石にそろそろ限界です。ハルさんはまだまだ余裕がありそうですね」


 「まあね、体力には自信があるんだ」


 「体力に自信があるってレベルじゃないだろ・・・ふう」


 パベルがなんとか体を起こして立ち上がる。


 「水浴びして晩飯食ったらさっさと寝よう。まだ早いが今日は爆睡できる自信があるぞ」


 「同感です。しっかりと休みを取っておかないと最後まで体がもちません」


 「はは、それじゃあとりあえず水浴びに行こう。男女別になってるみたいだよ」


 ハルたちは水浴び場に向かって歩き出した。


 




 次話18時頃更新予定です。

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