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それはたぶん、物語の進行です


『ふ、ふふ、ふはははは・・・』

 

すっかり日も暮れ、もはや真夜中の部屋。

 いつのまにか起きていたセーレ殿がこっそり出て行き、一人、いや、一頭の若い狼が器用に前足で頭を抱えて何事かをぶつぶつと呟いている。


『ハゲた? ふふん、馬鹿だなぁ。これは夢だ。念願のもふもふになれたとゆーのにハゲるとか?絶対ありえないこともなくもなくもなくもないかもしれない・・・いやいやいや』

 

この若い・・・というか、生後二日目の子犬は、今現在ハゲつつある。

本人は知らないだろうが、これは獣人系の若者が初めて人型に変身するためのプロセスなのである。

 もっとも【獣王】に以前聞いたところによると、この「毛が抜ける」というのは獣生(じんせい)においては最初しかなく、後は任意にできるらしい。

 それを知らない彼にしてみればたまったもんじゃないだろうなぁ。教える気は無いが。

そのうちセーレ殿かアルトゥールが教えるだろうし、大丈夫だろう。


 と、そのとき。ドタドタと足音を立てて何者かが部屋に入ってきた。そして満面の笑みでこう言う。


『やあやあ息子よ!! 初めまして! お父さんです!』


 なんだ、ただの馬鹿か。おっと、見つかってはマズイかもしれない。よし、隠れよう。


 【語り部がスキル【隠密】を使用しました】

 【語り部がスキル【消臭】を使用しました】


『・・・・・・も、もふもふだ・・・! 銀狼とか・・・!! あ、え、お父さんすか?』

『そう、お父さん! あと、お前の名前はセトになったらしいぞ! セーレが教えてくれたのだ!』

『・・・そか、あれ名前だったのか・・・』

 

 新たなもふもふに目をきらきらさせているが、この時点でまだ毛は抜け続けている。

この惨状に気づかないとは――――さすが【獣王】(バカ)である。

と、ふいっと後ろを向いた。


『というわけで、お前たち! 入ってきていいぞー!』


 奴の一声で茶黒、白灰、茶、灰の四色の仔狼が一気になだれ込んでくる。

そしてピシッと一列に並んで――――


『俺ぁギル! にいちゃんって呼べ!』

『レレーナ。・・・・・・よろしく?』

『僕はパリスト! 初めての弟ができてうれしいです!』

『ちょっと、パリス! 弟に敬語でしゃべってどうすんのよ! あ、わたしはマリッサよ!』


 ――――自己紹介。

 彼、いや、セトは、すごくうれしそうに尻尾を振っていた。

 どうでもいいが、何か忘れていやしないか?


 

 




ちゃんと更新している奇跡! でも遅筆。


感想とかをもらえると倍のスピードになります。わくわく。

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