獣と帰宅と違和感と
みなさん、とりあえずこれからもよろしくお願いいたします!
彼も彼の母親もよくやるものだと思った。
死んだと認識したかと思うと獣になったと喜び、生まれたばかりの息子をあわや窒息死かというところまで追い詰める。
まったくもって理解不能である。まあ、彼女が美人というところは認めるが。
『っは!?・・・てか俺生きてる?? 生きてるぞー! わー!! し・ん・で・な・いー!』
『んぅ・・・? セト? おはよ・・・!?ちょ、いき、息できな・・・』
む、どうやら目が覚めたらしい。
起きてすぐだというに母親の首元に噛みついてわーわー言っている。
若干キャラが崩れているが、まあよしとしよう。
しかし親子そろって窒息させかけるとは。やはり理解不能である。
ぐぎゅるるるるるるるぅ~
『は、腹減った・・・』
突然大きな音が鳴った。原因は彼の腹の虫。
まあ、生まれでて一日たらずで窒息させかけられた上、食べ物すら与えられなかったのだからそれは当然ともいえる。だが問題なのは彼の食事である。
赤ん坊なのだから普通は母乳なのだろうが・・・
『ごほっごほ、あららー? セト、おなかすいたのねー? ちょっとまってねー』
そういってなぜか彼女――――セーレは獣毛の生えた手でごそごそと藁の下を探り始める。
そしてとりだしたのは、ちょっと太ってて・・・血みどろの鳥。
おい、ちょっと待てそれはさすがにやめたげてくれ。不憫すぎる!
『あっ、ごは・・・・・・』
ああ、放心してる。やっぱりそれはダm
『なにそれ!!マジうまそー!』
・・・は?いやいやいや!それは無い!元人間がそんなこと言っちゃいけません!
どうなってるんだこいつの脳みそ。馬鹿か、馬鹿なのかそうか馬鹿か。うんうん。・・・うん?
ええい、落ち着け、わが身よ!そんなでは主に顔向けできん。
しかし、これは・・・我が主人が強引に転生させたせいなのだろうか?
やはりもう少し監視が必要かも知れぬ。
・・・いつ家に帰れるのかなあ・・・。
* * *
生きてた。俺の頭にあったのはただそれだけで、すごくうれしかった。
目の前をヒラヒラと飛んでいくちょうちょっぽいのを見るだけで涙が出るほど感動した。
感動のついでに噛み付くふり。あぁ、獣って感じ満載。なにこれ超うれしい。
・・・死にかけたのが俺のこっちの母さんの強烈なハグのせいだとしてもな!
『っは!・・・てか俺生きてる!?生きてるぞー!やっふー!し・ん・で・な・いー☆』
生きてるってすばらすぃー!!一回死んでるけど!なんか実感できてないけどね。でもやっふー!
なんか噛み付いたら母さんがぐえって言ったけど気にしな・・・ってだめだろ。
ぐぎゅるるるるるるるぅ~
あっ! しまった! せっかく小粋なトーク(笑)で気をそらしてたのに・・・いや、この際もう言ってしまおう。
『腹、へった・・・』
よし、言ったな、後戻りはできんぞ、準備はいいな?は、恥ずかしいがこれも自然の掟だ(ゴクリ)
『あらー? おなかすいたのねー?ちょっとまってねー』
よし、準備はできてる、出来てるが・・・(ドキドキ)
ゴソゴソ・・・
お?? ぼ、げふんげふん。Bのつくアレじゃないのか?
う~ん、残念なようなそうでないような。
それにしてもすげえな、獣人だ獣人!でも、母さん獣人だけど、なんで俺はちが・・・
『あ、ごはん・・・』
【観測者が【運命の改変】をしました】
【観測者の【運命の改変】により【相野谷奏人】は以後【セト】となります】
【観測者の【運命の改変】により【セト】は思考・能力を定められました】
ん? なんか変なのが聞こえたような気が・・・まあいいか。それよりめしっ!
『うおお!! それマジうまそー!』
うわ、なんだこれ! すっげーいいにおいする!
あれ、でも、血みどろがおいしそうってなんかちがうような・・・?
むう・・・謎。なんで? でも食うのだっ
三個目・・・かな?
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等でもいいです?