高校からはちゃんとする!!
桜の木から落ちる桃色の綺麗な花びらが宙を舞い落ちて、花びらで校門の地面を埋め尽くす。
「ここか。」
「ここね。」
金髪で綺麗なロングヘア、眩しいほどおしゃれなネイルを纏う誰が見てもギャルな女、金子紗希。
何の変哲のない黒い髪の毛、地味さを極限までに際立てているメガネとごくごく普通のバックを背負い前のチェストベルトを閉めている男、一ノ瀬晴翔。
高校に着いた2人は心の中で違うのであった。
『高校からはちゃんとする!!』と
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「ホームルームを始めます。全員起立、礼、着席。」
うー緊張してきた。
一番右前の席に座っているの男は緊張からか小さく小刻みに震えていた。
男はというと俗にいう逆高校デビューを目指していた。
中学での彼はというと、どうしようもないクズであった。
煌びやかに光る金髪とピアスのくせしてドでかい鈴の音を響かせながら、バイクに乗っているこの男は中学時代の一ノ瀬晴翔である。
当たり前のような校則違反。遅刻登校、無断欠席、授業はまともに聞かずに先生の揚げ足をとったり茶々を入れるか寝るかの二択、真面目なんてものは彼の脳みそにはない、まさにクズ怠惰の極みである。
そしてその隣に座っている女子生徒もまた緊張していた。
彼女はというと俗にいう高校デビューを目指していた。
中学時代の彼女はというと、地味そのもの。見た目はというと三つ編みヘアの眼鏡っ子。何をするにも1人で休み時間の行動は読書、勉強、睡眠まさに陰キャの極みである。
「じゃあ初めに、隣同士で簡単な自己紹介してみようか。」
先生の呼びかけの声が教室に響く。
「「きた」」
2人の男女が小さく呟く。
まずはこいつにアピールする。
まずはこの人にアピールする。
2人はそれぞれの思いを持ちながら身構えた。
『一ノ瀬視点』
「はじめまして、」
「初めまして〜。私、金子紗希って言いま〜す。呼び方は何でもいいよ〜」
「名前は一ノ瀬晴翔って言います。」
「オッケー、ハルトくんね」
家で練習した通りの喋り方で自己紹介をする。
以外と俺が逆高校デビューってのはバレなさそうだな。
この人にアピールできればこの人の周りにも俺のキャラが知れる。そうすれば、俺の高校生活は安泰だ。
名乗った後に無言が続く。
やべこういう時って何を話すんだ?クソ、中学からちゃんとしとけば良かった。
そんなことを思ってると彼女の口が開いた。
「なんか気まずいね〜、一ノ瀬くんってなんか趣味とかないの?」
んー趣味か、
「バイクとかが好きっすね。」
「へー、なんか意外だね。なんで好きなの?」
「いや、普通に乗り回して風を切るのが好きっすね、嫌なこと忘れられるし。」
…
ん?何だこいつ口開けっぱで黙りこんで
「い、一ノ瀬くんって今何歳だったっけ?」
「15歳っすよ。まだ4月だしそれはほとんどみんな一緒じゃないんすか?」
え?この人ってもしかして留年してんの?でも明らかに新入生だしそんなことはないだろ。
じゃあどういう意味の質問だ?
金子の口が開いたまま閉じない。俺なんかおかしいこと言ったか?
(今更だが言っておこうこの男、一ノ瀬晴翔はバカである。)
なんかこの人固まったままだし何だかまた気まずいな、よし俺も質問してみるか。
俺も金子に話しかけた。
「金子さんも趣味とかあるんすか?」
返事が返ってこない。
「おーい、聞こえてますかー?」
「ん?あ、ごめん私の趣味?」
やっと動いた金子さんは動揺していた。
「私の趣味は、えーっと、ほ、本を読むのが好きです。」
あれ、急な敬語?なんかこの人、さっきと雰囲気違くないか?喋り方も変わってるし、見た目に似合ってないような読書。
俺の中学の知識ならこういう女は読書なんてものを知らない。可愛いものとか、そんはバカっぽい返答が返ってくるはずなのだか。
「なんか、意外っすね。」
「あ、あーそうなんだよねー意外とこういうの好きなんだー」
口調が元に戻った。
一体何だったんだろうか。
「でもいいっすね。読書俺もたまにみるんですけど面白いっすよね。」
一ノ瀬が言う読書はただの漫画である。
俺は無言が続かないように返事をする。
にしても何だか周りが静かだな。
周りを見てみると全員前を向いて黙って座っている。先生に目をやるとコチラを見ていた。
「もう終わった?」
俺ら待ちだったのか、ここで目立つのは避けたいもしみんなに迷惑もかけたくないな。
「終わったよ〜」
横から金子が返事をするのが聞こえた。
「じゃあ、オリエンテーション進めていくよ、ーーー。」
最後目立ってしまったこと以外は一旦は成功かな?
なかなかのいい出だしができたと思う一ノ瀬であった。
『金子視点』
ここは私から話しかけよう。
そう思うのも束の間で目があった途端に隣の人がが話しかけてきた。
「はじめまして、」
まずい、先手を取られた。けどここから巻き返す。
「初めまして〜。私、金子紗希って言いま〜す。呼び方は何でもいいよ〜」
うんうん。いい調子いい調子。入学までいろんなドラマとかアニメとかを見て研究したかいあってギャルっていう感じの喋り方だ。これならいける。
「名前は一ノ瀬晴翔って言います。」
こういうのは、くん呼びするのが陽キャなんだったはず。
「オッケー、ハルトくんね」
にしてもこの子中学時代の私ぐらいの陰キャムーブかましてる。なんか仲間っぽくて嬉しいな。いやダメダメ私は高校デビューをするんだから。
、、、
何だか無言が続いてるな。
ここは、私が、
「なんか気まずいね〜、一ノ瀬くんってなんか趣味とかないの?」
この質問が1番の最適解。聞き返された時にプリクラとかって言えば私の陽キャイメージが増すしね。
「バイクとかが好きっすね。」
あれ?こういう子ってゲームとかアニメが好きなんだと思ってたけどバイクが好きなんだ。でも男の子だし別に変じゃないか。
「へー、なんか意外だね。なんで好きなの?」
「いや、普通に乗り回して風を切るのが好きっすね、嫌なこと忘れられるし。」
は?
待って待って確かバイクの免許って16歳からだよね?ん?
「い、一ノ瀬くんって今何歳だったっけ?」
「15歳っすよ。まだ4月だしそれはほとんどみんな一緒じゃないんすか?」
どういう事なの。何でこんな見た目の子が普通に法を犯してるの。へ?これが普通なの?
待って待って私こういうのに憧れてたのに実際に前にすると信じられないんだけど。てか本当に見た目からは全然想像つかないんだけど。
「・・・・〜」
いやでも待って流石にこれは冗談なのかな?いやでも冗談でも面白くない。だってただの犯罪者じゃん。
「おーい、聞こえてますかー?」
やばい、中学のくせで考え込んじゃった。確かさっきの質問の続きでしたよね?
「ん?あ、ごめん私の趣味?」
「私の趣味は、えーっと、ほ、本を読むのが好きです。」
やばい、またミスを犯してしまった。口調が元に戻ってる。
「なんか、意外っすね。」
やばい巻き返さなきゃ。
「あ、あーそうなんだよねー意外とこういうの好きなんだー」
いやでもこの見た目で読書は無理がありすぎる。だってどうやってこんなツンツンな爪で本なんてめくるんだよ。あほか。
流石に高校デビューがバレたと思い首筋から汗が垂れる。
「でもいいっすね。読書俺もたまにみるんですけど面白いっすよね。」
耐えたー!!
心の中で全力のガッツポーズをする。
良かった深読みされなくて。こう言う子はたいて賢くで感が鋭いから流石にヒヤヒヤしたよ。
一息ついて周りを見渡す。
あれ?全員前を向いて座っている。
「もう終わった?」
先生が目が合った一ノ瀬くんに話しかける。
ここはさっきの巻き返しで陽キャっぽい返しを私がするしかない。
「終わったよ〜。」
「じゃあ、オリエンテーション進めていくよ、ーーー。」
よし何とか耐えた。途中はどうなるかと思ったけど一旦はどうにかなったな。
少し不安が残りながらも昔の癖で真面目に先生の話を聞き入ってしまう金子であった。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
反響が良ければ続きを長編で書こうと思います。
良ければぜひ評価よろしくお願いします!!




