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異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


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52曲目 一難去ってまた一難

 盗賊たちを無事に討伐した俺たちは、いよいよ王都へと戻ることになった。

 アジトからは大量の盗品が見つかっていて、大規模な調査が行われることになった。当然ながら、そこには兵士たちの見張りが付く。

 なので、現地の兵士や冒険者たちにも加わってもらって盗賊を見張りながらののんびりとしたものとなった。


『ふぅ、ようやく王都に戻ってきたな』


『まったくですね。出発をしてから二週間かかりましたかね』


『えっれえ長かったよな、リーダー、キーボ』


 久しぶりに見た王都の姿に、俺たちはようやく気が楽になったもんだ。メロディたちもようやく安全なところに戻ってきたとあって、ほっとした様子を見せている。

 だが、俺が気になるのはリリアだ。

 あいつはゴブリンなんだが、なんだか他の連中と違って一人だけ雰囲気が別物だ。その上、アジトから戻ってきてからというもの、さらに雰囲気が変わった気がする。その雰囲気の変化には、俺も首をかしげるばかりだぜ。

 盗賊退治という経験をしたこともあったから、そのせいかもと思って放っているが、やっぱりなんだか違うような気がするんだよな。


『なあ、リリア』


「はっ!」


 俺が声をかけると、驚いた顔をしている。まるで考えごとをしていたかのような反応だな。まったくどうしちまったっていうんだよ。


「な、なんでしょうか、リードさん」


 反応したりリアだが、なぜか眉をひそめていやがる。なんだろうな、この反応は。


『いや、なんかずっと考え込んでいるから、どうしたのかと思ってな』


「あはは、そんなに深刻そうな顔に見えましたかね」


『ああ』


 やっぱりなんだか反応がおかしいな。なんかはぐらかすような受け答えをしてくる。

 なんだろうな。なんかこのやり取り、記憶の中にありそうなんだが……。


「リードさん、そろそろ王都に入りますよ。国王陛下にお会いするんですから、集中して下さい」


『おっ、悪いな。そんじゃ、華々しく凱旋といこうじゃねえか』


「わたくしたちにそんな資格があると思いまして?」


 メロディに言われて俺は気を引き締めようとするが、やっぱりやり遂げた後だと騒ぎたくなっちまう。

 ところがだ。思いっきりフォルテから釘を刺されちまったぜ。まったく、貴族ってのは堅苦しいなぁ、おい。

 まっ、郷に入っては郷に従えっていうからな。俺たちの常識で無理やり押し通すのもよろしくないな。

 そんなわけで、俺たちは打ち上げで大騒ぎするということを自重することにした。俺にだってそういうところはあるんだよ。


 俺たちは城の中へと進み、国王の前へとやってくる。ちなみにだが、魔物であるスフォルとリリアも同席している。こいつらも功労者だからな。他のゴブリンは、兵士たちと一緒に盗賊を牢屋に移動させたり、ピアノート子爵に馬車を返しに行ったりしている。

 国王たちの前に、メロディたちは跪いている。


「よく戻ったな。聖女モニー、フォルテ・ピアノート子爵令嬢、メロディ、リリア。報告は受けているぞ」


 国王が無事に戻ってきたことを労っている。

 メロディたちは黙ってその言葉を聞いている。


「リピート村の問題も、街道の盗賊問題も片付けてくれたこと、心より感謝する。後ほど褒美を取らせる」


「はいっ、ありがとう存じます」


 フォルテが代表して反応している。

 だが、話はこれだけでは終わらないといった雰囲気だな。

 なにせ、まだまだ周りの空気がピリピリしてるんだからよ。まったく、何が始まるっていうんだ。


「そなたたちに、更なる依頼がある。聞いてはもらえぬかな?」


「はい、お聞きいたします」


 国王から話を振られ、再びフォルテが反応する。


「知っての通り、世界には魔王なる者が世界征服を企み動いている。各地で魔族たちによる被害も多数報告されている」


 うげっ。なんかめんどくさい流れになってきそうだぞ、これは……。


「そこでだ。そのよく分からぬ魔道具たちとともに、魔王の討伐を依頼したい。ただし、拒否権はないぞ」


 おい、こら。何を考えてやがる、この国王は!

 十代の少女ばかりだというのに、なんでそんな危険なことをさせようとするんだよ。頭おかしくねえか?

 俺は必死に文句を言うが、残念ながら俺の声は国王には届かない。聞こえるのはここにいるメロディたち四人だけだからな。

 こんな依頼、受けられるわけがない。断るべきだと訴えるも、まったくその声は届かなかった。


「承知致しました。聖女として国王陛下のご依頼、お受けいたします」


 モニーがしっかりと返事をして、この魔王討伐の依頼を受けてしまった。


『だああ、なんでだっ!』


 俺は頭を抱えることになるが、ベスとキーボも乗り気なようだった。


『リーダー、物は考えようですぜ』


『まったくです。これで、残るドラムを探しに行けるというものですよ』


『はっ!』


 二人の言葉に、俺は思わず目からうろこが落ちた気分だった。

 そうだ。俺たちにはまだ打弾弩羅夢というもう一人のメンバーが残っていた。

 モニーの話によれば、別の大陸にいるわけだしな。魔王討伐の依頼を受けたとなれば、自由が利くようになるわけか。なるほどな。


『しょうがねえ。俺たち全員が揃うためだ、引き受けてやるか……』


『そうこなくっちゃですぜ、リーダー!』


 ゴブリンと盗賊を退治してきた俺たちは、話の流れで魔王討伐をやらされることになってしまった。

 最初は嫌だった俺だが、残るメンバーである打弾弩羅夢を探すという体でやむなく引き受けることにしたのだった。

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