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異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


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48曲目 盗賊たちの後始末

 さて、ようやくゴブリンたちが呼びに行った兵士たちが来たな。

 俺たちの耳にガシャンガシャンという金属鎧の音が聞こえてくる。


「こ、これは一体……」


 駆けつけた兵士たちは、目の前の状況を見て唖然としてしまっている。

 まあ、そうなるのも無理もねえ話だ。なんていっても、盗賊どもは俺たちのライブを至近距離で食らって泡吹きまくってんだからよ。白目までむいてるから、相当耐え切れなかったってこった。

 にしても、音楽のない世界とはいえ、ここまで酷いリアクションは見たことがねえ。同じように間近で聞いていたゴブリンどもは平気だし、そもそも演奏していたメロディたちも平気なのによ。まったく、弱っちい連中だよ。

 目の前で体を縛られた状態で横たわる盗賊たちの姿に、俺はなんともいえない気持ちになるしかなかった。


「騎士様、盗賊たちはこの通り一網打尽に致しました。ささっ、早く連行していって下さいませ」


「あ、ああ。おい、全員ひっ捕らえるぞ」


「はっ!」


 モニーに声をかけられて我に返った騎士と呼ばれた男が、部下に命じて盗賊たちを次々と捕まえていく。逃げられないように全員の腰に縄を回してつなぎ、両手もしっかりとガチガチに縛っていた。

 牢屋のついた馬車というのもあるらしいが、ここまで連れてきていなかったので、馬車のある最寄りの街までこいつらは徒歩での移動となる。まっ、悪い連中に対する処罰としちゃあ、ちょうどいいもんだろうよ。


「まったく、すごいな君たちは」


 モニーに騎士と呼ばれた男は、メロディたちを見て感心しているようだった。


「大したことはありませんわ。私たちはこの楽器と呼ばれる魔道具を演奏していただけにすぎません。盗賊たちを捕まえて下さったのは、スフォルとゴブリンのみなさんですから」


「ご主人たちのためなら、いくらでも頑張れる」


「俺たち、すごい? すごい?」


 モニーに入れて、ゴブリンたちは本当に誇らしげな感じで話している。

 いや、こいつらって野蛮とか言われる魔物だったよな? そんなことをみじんも感じさせないくらいに見えるぜ。服装のせいもあるんだろうかな。


「はいはい、みなさん。自慢するのもいいですが、兵士の方たちをお手伝いしませんと。まだ私たちの仕事は終わっていないのですからね」


「ギギッ、分かったのだ」


「任せてくれ」


 リリアから指摘されて、ゴブリンたちは兵士たちを手伝って、盗賊たちをガチガチに縛り上げていく。こういう時、まったく遠慮がない。こういうところは魔物らしいって感じだな。

 あっという間に盗賊を連行する準備ができると、騎士がモニーたちに声をかけてきた。


「準備できましたので、我々は一度戻りましょう。盗賊のアジトは場所が分かり次第調査ということになります」


「分かりました。それでは、フォルテさん、メロディさん、一度王都まで戻りましょうか」


「はい、モニー様」


「分かりました、聖女様」


 騎士とモニーの言葉に従い、一度俺たちが戻ろうとする。ところが、スフォルが引き留めようと吠えついてきた。


『どうしたんだよ、スフォル』


『どうやら、においでアジトの位置が分かるって言ってるみたいでやすね』


『なるほど、さすがは狼ですね』


 俺たちが話をしていると、フォルテが反応する。


「まあ、スフォルってばすごいのですのね」


 両手をがっちりと組んだかと思うと、スフォルのことをしっかりと褒めてきている。

 このあと、騎士と話をした結果、スフォルの鼻を信じて盗賊のアジトの捜索も行うことになった。ただ、盗賊たちを一度牢屋に収監しなければならないので、近くの街に一度移動してからということで話に決着がついた。


 街に到着して盗賊たちを街の自警団の牢屋に閉じ込めると、騎士と数名の兵士、それとゴブリンの一部も加わって盗賊のアジトの捜索を行うことになった。


「それは、私が代表していってまいります」


『ああ、気をつけるんだぞ、リリア』


「はい、必ず無事に戻ってきます」


 スフォルの背に乗って、リリアは騎士たちと一緒に盗賊のアジトへと向かっていった。

 その間、俺たちは街の中で待機ということになる。

 正直言って、リリアを向かわせることには消極的だったんだが、スフォルと意思疎通ができるということならやむなくといったところだ。


「リリアさん、無事に戻ってこれるでしょうか」


「戻ってきてもらわないと困りますわ。わたくしたちと一緒に行くなどと宣言しているのですからね」


「はい。ですので、リリアさんのために祈りましょう。私たちには神様がついておいでなのです。きっと、リリアさんにもそのご加護があることでしょう」


 メロディが心配する中、フォルテは強気に構えているし、モニーは聖女らしいことを言っていた。

 まあ、俺たちにできることといったら、今は待つことだけだ。久しぶりにゆっくりさせてもらうことにしようじゃないか。


 一応、国王から命令された盗賊の問題は解決することはできたのだが、王都に戻って盗賊を引き渡すまでが一応の任務だ。

 兵士やゴブリンたちが監視をしてくれるとはいえ、まだ気を緩められる状況ではない。

 とはいえ、ようやく重責から解放されたとあって、その日の夜はメロディたちはぐっすり寝就くことができたようだった。

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