表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/61

35曲目 ゴブリンに襲われた村

 村では兵士たちが事情を説明していたようだが、やはりメロディたち少女三人と一匹でゴブリン退治をすると聞いて、それはなんとも信じられないという顔をしていた。

 だが、国王からの命令だと聞くと、納得したような感じではないが引き下がっているようだった。やはり、国王の力はそれだけ強いっていうことなんだよな。

 とはいえ、俺たちだって引き下がるわけにはいかない。こんな理不尽な命令、本当なら聞きたくもねえところだ。俺たちだけだったは強く突っぱねていただろう。

 俺たちが黙っているのは、国王たちに言葉が届かないっていうこともあるが、それよりも巻き込まれたメロディたちが心配だからだ。メロディたちを守るためには、この命令を無事にやり遂げるのが一番だからな。


 村から話を聞いて俺たちは、村人たちの案内でゴブリン被害が出ている場所へとやってくる。


『なるほど、こいつぁひでぇや』


 俺たちがやって来たのは、村の畑だ。育てている作物が根こそぎ持っていかれている。

 聞けば、数日前にゴブリンが出現していたらしい。村人たちでは追い払うだけが精一杯だったらしい。

 それというのも、過去には追いかけていったことがあるらしいが、数で追い立てられて逆に命からがら逃げることになったそうだ。それで、村で見かけたら追い返すだけといったことになったらしい。

 村からも討伐の依頼は出したようだが、今まで叶えられることなく、現状放置状態なのだという。

 ようやくやって聞くれたかと思ったら、メロディたち少女三人だ。村の人も落胆するわなって感じだよ。


「村のみなさま、ゴブリンが住んでいる場所には心当たりがございますの?」


 そんな中、フォルテが村の現状を見て、怒りに震えているといった感じだった。さすがは領主の娘といったところだな。村人たちが困っているところを見て我慢できなくなったという感じだ。


「そうですね。これは私たちで何としてもゴブリンを退治いたしませんと」


 フォルテに続くようにモニーもやる気を見せている。さすがは聖女だな。

 二人の様子を見ていたメロディも、一人だけ怖気づいているわけにはいかないと、気持ちを奮い立たせている感じだ。


「はい。私も村で生活している身ですから、ここの人たちのつらさがよく分かります。何とかしてあげませんと」


 さっきまで怯えていたような様子を見せていたメロディですら、引き締まった表情を見せている。困っている様子を見て吹っ切れた感じだな。


『よしっ、ここは俺たちの力を見せつけてやろうぜ』


「はい、リードさん」


 俺が話し掛ければ、メロディはぐっと握る拳にさらに力を入れていた。

 そんな俺たちの目の前では、スフォルのやつがにおいをかぎ始めている。まさか、ゴブリンのにおいを覚えようとしているのか?


「ばうっ!」


 顔を上げたと思ったら、フォルテに対して吠え始めている。


『へへっ、どうやらゴブリンのにおいを覚えたようですぜ』


「そのようですわね。ならば、わたくしたちだけでもゴブリンのところへといけるということですわ。とっとと退治をして、村人たちを安心させませんとね」


 スフォルの鳴き声を聞いたベスとフォルテが、やる気満々のようだ。


『はあ、こりゃ止めらんねえな』


『そうですね。となれば、ゴブリン退治にふさわしい楽曲をご用意いたしませんとね』


『だな』


 この勢いは止められないとみた俺たちは、その流れに乗ることにした。


『そんじゃ、現場に着くまでにふさわしい曲を選ぶから、とっとと行くことにしようぜ』


「はい、そうですね」


「分かりました、リードさん」


 見えない何かと話すメロディたちの姿は、普通に見れば怖いだろうな。

 実際、村人たちはざわざわとどよめいているしよ。兵士たちもなんとも冷ややかな目だぜ。


「スフォル、わたくしたちが背に乗りますので、ゴブリンのにおいをたどって案内して下さいませ」


「わうっ!」


 フォルテが呼び掛けると、スフォルはその場にしゃがみ込んでいた。俺たちが乗りやすいようにしてくれてるってわけだ。本当に、フォルテの言うことならきちんと聞いてくれるな、この犬っころはよ。


「それでは、わたくしたちは行ってまいりますわ。兵士のみなさんは、ここでゴブリンの警戒にあたって下さいませ」


「わ、分かりました。ですが、いくら国王陛下の命令とはいえ、あなた方を三人だけで向かわせるのは心苦しいものです」


「ありがとうございますわ。ですが、心配ご無用ですわ。必ずわたくしたちは無事に戻ってきますから」


 心配そうに見ている兵士に対して、フォルテははっきりと言いきっていた。まったく、飛んでもねえ自信だな。まあ、俺たちもそうなんだがよ。

 俺たちがスフォルの背中に無事に乗り込むと、スフォルはすくっと立ち上がり、覚えたにおいに従って走り始める。

 少女三人とはいえ、俺たち楽器まで加わって相当の重さになっているはずだ。だが、それを感じさせないくらいに実に軽快な走りを見せている。魔物って連中は、大した身体能力を持ってやがんな。

 一気に村から飛び出たスフォルは、近くの森の中を警戒に駆け抜けていく。この走っていく先に、今回の依頼の討伐対象であるゴブリンたちがいるはずだ。

 俺たちは大規模な魔物との戦闘が控えているとあって、かなり気を引き締めている。

 さあ、俺たちの初ライブといこうじゃねえか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ