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夢とは叶うものだった

 読んでいただきありがとうございます。

 この小説を執筆するにあたり書籍やインターネット、惑星、歩兵部で四式中戦車について調べ参考にしていますが、四式中戦車素人なものなので間違っているところが多々あると思います、おかしなところなどにご指摘いただけたら幸いです。

 ちなみにここに出てくる四式中戦車は試製二号車という設定です。

 調べてもわからなかったところは、九七式中戦車や九五式軽戦車などを参考に筆者の想像です。

※何故かおかしくなっていたので修正しました。

 木の隙間から木漏れ日が差し込め地面を照らす。


「……ん」


 自分が意識を覚醒した瞬間、感じたのは口の中の違和感だった。

 口を動かすと同時ジャリジャリ音が鳴り、それに不快感を覚え目を開ける。


「……なんだ?地面?」


 目に入ったのは地面だった、うつ伏せで寝ているらしい。

 自分は腕立て伏せをするようにうつ伏せ状態から立ち上がる。服についた砂や土を払いながら目の前を観察する。

 どうやらここは森の中らしい。

 風がほほを撫で自然の香りを運んでくる。

 木々や草が生い茂り、空気が驚くほど澄んでいる。しかも人の手が加わっていないような雰囲気だった。

 だが、こういうのはだいたい仰向けに転生させるものだろうと、あの女神にやや思う所あり歯に力を入れる。

 ジャリ、と音を立て砂の粒を歯でかみしめた感触が顎に伝わり、全身の手穴がぞわぞわと鳥肌を立てる。

 うつ伏せで寝ていたから口の中に入ったのだろう、そう思い、ますます女神に文句を言いたくなる。

 気持ち悪くなりツバを地面に吐くがまだ口内に砂が残っており、


「ひ、ひず」


 気持ち悪く口を動かしたくない状態で切実な願いを言い、水がないか目の前を見渡す。

 だが、ここは森の中であり運良く蛇口が生えていたりはしない。

 水が無いことに気づき落ち込んでいると、何かが視界の端に映る。

 ここは森の中であり、たとえ異世界だとしても……いや、逆に異世界だからこそ熊や危険生物がいたとしても何らおかしくはない。

 自分はゆっくりゆっくり後ろを向く。

 ……そして固まった。声は出ず、体も動かず、ただただ固まった。

 『それ』は全長約六メートル三十センチ、全高約二メートル八十センチはあろう巨体で、全体が緑一色だった。

 呼吸も忘れ立ち尽くす。

 ポタッと、いつの間にか顎の先に溜まっていた汗が落ちると同時、固まった頭がハッと我に返る。

 そしてようやく固まっていた足を動かす、『それ』に向かって距離が約五十センチくらいになり足を止め、おもむろに手を伸ばす。

 そして『それ』と自分の手のひらが触れ合う。

 金属のヒンヤリとした感触が手のひらに伝わる。

 『それ』は触れられても、ピクリとも反応しない。

 『それ』は生き物ではなかった。

 自分がずっと憧れていた存在、元いた世界には現存せず、本やネット、ゲームでしか見たことのない、かつて旧日本陸軍が開発したが試作車止まりで実戦を経験することなく役目を果たした不遇で美しい幻の戦車。四式中戦車がそこに佇んでいた。


「ほ、ホントに……」

 

 口の中の不快さなんて忘れて思わずつぶやく。

 戦車の周りをソワソワ動きながら、じっくり観察する。

 

「……なんだこれ?」


 戦車後方の上部に何か置いてあった、それを手に取り目にする。

 

「軍服と軍靴、戦車帽、眼鏡だな、もしかしておまけで付けてくれたのか?……というか戦車帽とゴーグルに関しては必須だったな、ありがたい」


 手に取ったものは、戦車に乗っている際頭をぶつけても怪我をしないようにする戦車帽と履帯で巻き上げられた砂塵から目を守り視界を確保するゴーグル(眼鏡)に、旧日本陸軍の軍服と軍靴だった。

 すっかり忘れていたが、これがなかったら戦車がまともに使えないほど重要な物だ。

 思えば思うほど有り難く思う。

 

「早速着てみるか」


 手に持っている物を観察し、ワクワクしながらつぶやく。

 大自然の中で着替えるというのは少し抵抗があるが仕方がない、今着ている高校の制服、靴を脱ぎズボン、上着の順番に着て靴も履く。そして戦車帽を被りゴーグルをつければ戦車兵コスプレの完成だ。


「おー!」


 興奮し誰もいないのに声が出てしまう。

 帽子にしてはかなり厚かったが、防弾性能はほぼないだろう。

 ゴーグルは視界は少し狭まるが、これをつけなかったら、枝や破片などで最悪失明などという事態を引き起こしかねないので感謝し付ける。

 軍服(九八式)は普段の服と比べ首元等が窮屈だったが、身と精神が引き締まる。

 軍靴は歩きやすく、疲れにくそうな履きやすい靴だった。

 自分はもちろん軍人ではないのでコスプレ状態なのだが、ここは異世界だ、誰も自分やこの服装のことをを知らないのでコスプレをしていても恥ずかしい、という気持ちは……ちょっとしかない。そんな事を考えながら服に馴染むため体を動かす。肩を回したり、腿上げをしたみたりいろいろだ。

 一通り体を動かした自分は少し緩かった靴紐をきつく締め、脱いだ服などを手に持ち戦車へ目をやる。

 さっきと同じく四式中戦車はそこに佇んでいた。


「じゃ、乗ってみるかな」


 乗る、憧れた四式中戦車に乗れるのだ、そう考えた瞬間自分と四式中戦車しかいないはずなのにひどく緊張し興奮した。

 興奮と緊張が入り混じった息を吐きながら、戦車前方へ歩む。

 戦車の砲塔上部にはハッチが取り付けられており、そこから戦車内に入るのだ。

 前方へと移動した自分は思わず見上げる。


「砲身……こんなに長いものなのか……」


 近くだと視界に収まりきらないほどの長さを持っている四式中戦車の砲身、それを今から自分で動かすとなると興奮が抑えきれない。

 だが、そんな自分を落ち着かせ転輪、履帯に足をかけ登り砲塔へ落ちないよう慎重になりながら進む。

 戦車に乗ったことがないためこの乗り方が正しいのが分からないが、今は乗れればよしと言うことにしておく。

 

「っと、ここだな」


 そう独り言を言い、砲塔についた自分はハッチの取っ手を掴む。

 ハッチ付近にある車載機銃にとてつもなく興味が湧くが今は我慢だ。

 少し深呼吸した自分は、


「よしっ」


 その掛け声とともに勢いよくハッチを開ける。

 ギィという金属がこすれる音を鳴らしながら、戦車の中への入り口が開く。

 ハッチから覗く。そこには今まで見たことのない世界が広がっていた。


「すげぇ……では失礼します」


 自分はハッチの縁を掴み、物を折ったりしないよう慎重に車内に足から入る。

 比べるのもおかしいが乗用車とは比べ物にならないほど車内は狭かった。中戦車でこの狭さ、軽戦車は快適の「か」の字もないほどだろうと、想像を膨らませる。


「おー!これが閉鎖機構!」


 キョロキョロと内部見学をする。

 ここは砲塔内部で、車長、砲手、装填手がいるところだ。

 目を動かすごとに興味のあるものが飛び込んでくるが、今は戦車を動かすことが最優先だ、興味ある物を全て調べてしまうと丸一日ほどかかってしまうので、またまたここは我慢だ。

 早く戦車を動かそうと、狭い車内を縫うように車体前方へ移動する。


「あー、狭いぃ」


 そんな文句を口に出しながら、ようやく操縦席に着き、席に座る。

 使い方の分からない計器やレバー、ペダルがところ狭しと取り付けてある。

 席に座ったところで、大事なことを思い出した。


「そういえば自分、戦車の運転なんてわからないんだった……」


 戦車を動かすだの自分は言っていたが、そもそも操縦の知識がない、女神は知識は流れ込んでくるとか言っていたが嘘だったかのか?やっぱあいつ自分のこと舐めているんじゃなかろうか、と忌々しい気持ちでいっぱいになる。

 だがこうしていても何も変わらない、そう切り替え計器やレバーと向き合う。


「えっと、計器類は今はいいと……問題はエンジンの始動方法だな、どうやるんだ?」


 そう、誰かを恨んでも意味がない。

 まぁ、そういう時もあるよな、こう切り替えるしかないのだ。

 一つ一つ問題を解決しようと、計器相手に十分ほどにらめっこをしていると、


「このスイッチは……ってなんだ!?気持ち悪!」


 突然、頭の中に情報が流れ込む。

 脳の処理が間に合わず流れ込んできたものが詳しくわからない、ひとまず落ち着くために深呼吸をしていると、


「あれ?」

 

 ふと今まで何が何だか分からなかった戦車の使い方が急に理解できていることに気づく。

 もしかして女神は嘘をついていなかったのか?ただ自分がお馬鹿すぎて、知識が定着するのに時間がかかっただけかもしれない。しかも自分は戦車に触れていればと言う大事なことを完全に忘れていた。そう思うと女神に申し訳なく思う、あと自分がそんなに頭が悪かったんだと思うと悲しくなる。

 だ、だが知識を得たことで戦車を動かせるようになった。


「ええっと、戦車を動かすにはまずエンジンを始動させないといけないから、セルモーター……」


 もらった知識を整理し進めていく、知識はあるが実際に戦車なんて触れたことがないのでかなり不安になる手つきだ。

 所狭しと配置してある計器などの中からセルモーターの電源スイッチを見つけ、パチッという音と共にスイッチ押しセルモーターの電源を入れる。

 これエンジンを動かす準備は整った、あとはエンジンを始動させるために自分の目の前にあるボタンを押せば、エンジンが掛かり戦車を動かせる。

 ボタンに手を伸ばす。数秒間手が止まった後、意を決しボタンを押し込む、後方からキュルキュルとセルモーターが動く音が聞こえる。

 …………いくら待ってもエンジンが掛からない。

 一度電源を切る。


「なんでだ?そんなに寒くないし……」


 原因がわからず考える。寒すぎるとエンジンが掛かりにくいという話は聞いたことがあるが、それは満州の凍えた大地での話だ、今の気温は少し涼しい程度だろう、満州は比べ物にならないほど寒い。

 

「まさか、そもそも燃料がないのか」

 

 簡単なことだった、燃料が無ければ動かすことができない、子供でも分かることにかなり時間をかけてしまった。

 だがどうすれば燃料が手に入るのか、とまた考えているとふと思い出す


 

「燃料か……そういえばなんかアイツ言ってたな、魔水が軽油の代わりになるとか」

 

 魔水、そう魔水である四式中戦車に夢中で忘れそうになるが自分は今、世界にいるのだ。

 元いた世界では異世界もののラノベやアニメも好きで、かなり読んでいたがまさか本当に異世界があるとは……

 そう、そして転生先の近くに都市や街がある、というのがお決まりなのだ。この森から出て歩けば人がいる場所に行ける、魔水がなんなのか聞ける。

 何だか行けそうな気がしてきた。

 とりあえず、戦車の中にいてもしょうがないので、また狭い車内を移動し、そこら辺のものに慎重に足をかけながら砲塔上部のハッチから脱出する。


「あー、狭かったー」


 と、体を適当に体を伸ばしながら言う。

 ストレッチを終えた自分は周囲を見渡す。


「この森どう抜け出すんだ……?」


 闇雲に森を歩くなんて絶対にやってはいけない。

 どうしようか、と悩んでいると、


「あそこ、道か?」


 視界に入ってきたのそこだけ草が生えていない獣道のような狭い道だった。


「そこしかないよな……」


 道の入り口に立ち、入るか入らないか悩む。

 悩んだ挙句道に入ると自分の中で決めた。

 

「戦車ここに置いていくしかないのか……」


 少しの間、戦車の方へ振り返り、


「絶対に戻ってくるからな!」


戦車相手にそんなことを告げ、後ろ髪を引かれる思いで獣道を進んでゆく。




 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 話が進まない!自分の文章力が無さすぎるせいで約一週間かかっておきながら全くもって話が進んでおりません。本当に申し訳ありません。

 次の話は出来るだけ早く書き上げたいと思います。


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