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幼き頃より繰り返し観た夢の中の少女

作者: 風船心臓

昔から同じ夢を繰り返し観ていた。それはひとつではなく、それぞれに関わり合いもないものだった。幼少時の恐怖体験とかそういう印象の強い体験が原因であろう。それらの夢のひとつに記憶には残っていない誰かもしれない少女が出てくる。夢の舞台はかつてのわたしの実家だ。そして、ひと部屋の押し入れの中である。私には10歳と離れた兄がいて高校進学と同時に知り合いの縁とかで神戸の私立高校へと家から出て行った。それまでずっと虐待されていた。父は意思薄弱で反応薄く、母は兄を軽く怒って庇うだけで止まらなかった。周囲に家もない一軒家、家の前には神社と小学校と中学校だけ。夜になると人ひとりいない。幼い私は怖くて家の外に逃げ出せなかった。だからよく押し入れに隠れて震えて泣いていた。夢に出てくる少女は、その押し入れを開けてわたしを見つける。まるで隠れようとして驚いた表情なのだ。三つ編みお下げでそばの中学校の制服の膝下スカートの見慣れたセーラー服である。そこに兄の怒声と暴れる気配。彼女は私に微笑んでから押し入れを閉めて出て行った。ただそれだけの夢。彼女が誰かも知らないまま今に至る。そんな理由も根拠も知らない古い夢の話。

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