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9.魔法とは

 扉の先にいたのは小さな女の子だった。その女の子は、こちらを見れば訝しげに上から下へと嘗め回すように見てくる。そして、鼻で笑って口を開く。


「なんだい、あんた。こんな場所に用事があるようには見えないんだがね」

「え、えっと、ガードナーさんからの推薦で、こ、ここに行けば魔法について聞けるって」

「ああ、あの坊やの推薦か。それにして、珍しく人をよこしたと思ったらなんとも才能がなさそうなのを送って来たもんだね」

「そ、そう、ですよね。ぜ、全然、他のところに行けでも大丈夫です」

「なんだい、顔はいいのに辛気臭い顔をしているしているうえに自信がないのかい」

「え、えっと」

「はあ、まあ、いいわ。こっちに来て中に入りな」


 見た目に反しに声は老人より。見た目は、金髪でロリータ服を着ている西洋の人形にありそうな雰囲気でかわいいけれど少し怖い感じを受ける。たぶん、釣り目でそこにアイラインをさらに引いて猫目を強調しているからこそ、怖いと思うのかもしれない。

 促されるまま家の中に入れば、見た目に反して広い空間になっていた。現実に近い世界観であると聞いていたが、たぶん魔法を使って空間を広げているのだろう。その結果、某魔法学校みたいな感じになっているのかもしれない。


「さて、お前さんはガードナーの紹介なんだろ?今の魔力はどんな感じなのかみせてくれるかい」

「えっと、こんな感じです」


『プレイヤー名:シオン Lv5 HP120 MP120(+20)

 STR100 INT120 DEX120 AGI120  LUK200

 チュートリアル報酬 ステータスポイント+5

 レベル上昇報酬   ステータスポイント+10

 詳細

 空腹度 45/100

 現在の状態:普通

 疲労度:45/100

 称号:なし

 業績pt:10pt

 称号pt:0pt

 【取得済みスキル】

  レイピア初級

  クリティカルヒット15連撃

  解体Level1

 【取得中スキル】

  初級索敵24%

  忍び歩き初級42%

 【取得可能スキル】

  レイピア中級

  ???術

 【頭装備】

 【体装備】

   シルクマント

【腕装備】

【足装備】

   皮のブーツ

【装飾品 】

  【メイン武器】

    レイピア中級 

  【サブ武器】

    スロット 』


 +20はマント補正なのかな?とりあえず、ガードナーのところでもらった装備を付けてきたから困ることはないけれども今後装備関係でステータスが変動するのか。しっかりと装備品について確認したほうがいいのかもしれない。


「100以上ならお前さんに魔法を教える。100以下なら悪いが他をあたっておくれ」

「120で装備で+20されて合計でたぶん140です」

「ほう、おまえさん筋力のステータスは?」

「100です」

「なるほどな。ガードナーがお前さんをここに案内した理由がなんとなくわかるな。お前さん、どちらかと言えば魔法のほうが才能があるみたいだね。魔法といっても一言に全部が使えるかどうかはわからないからこれからその適正を確認して最低限出来るようにしてやるさ。まあ、大船に乗った気持ちで私に任せればいい。このフェアリーゴッドマザーが育ててあげよう」

「ありがとう、ございます?」


 そして、また場所を移動するのだと思った瞬間に視界が揺れた。そして、乗り物酔いみたいな感じの気持ち悪さが自分を襲ってきた。乗り物酔いとかあまりしたことがなかったのだが聞いていた話だとこんな感じなんだと思う。


「さて、お前さんはこの環境から自力で出てきて私のいる部屋までたどり着くのが初めの試練だ。魔法に関しては言葉で説明するよりも先に慣れてしまった方がいいからね。無駄な知識が先に入るよりも自身の感覚のほうが結局は重要になるから、自身で考えてみな」

「え、っちょ」


 その言葉とともに幼女は姿を消した。まだ、視界が揺れていて上手く視線が定まらない。それに、揺れているからだろう物が二重に見えている。とりあえず、この状況を解消しないとなんにもできないと何も教えてもらえなのだろう。

 魔力って結局なんなのかわからないから、定義付けからしないといけないなと思った。魔力は多分、この世界にはよくあるのもなんだろうけれど上手く使えるとか使えなとかの差別化があるのだろう。魔法を受け入れられる容量とそれを輩出する出口とかの関係があるのだろう。そして、魔法は循環しないと上手く使えないと仮定したときに血液と同じ血管内に入っていると仮定する。つまり、魔力は酸素と同じ形式で手に入れられる。


 適当ではあるが魔力の循環について考えてみた。まだ、甘いのか視界が揺れている。それでも、その揺れが落ち着いてきているからとりあえずが待機してみることにした。


 数分待ってみたが、大きな変化が無くなった。微妙な揺れがあるが立ち上がることが可能になった。立ってあたりを見渡そうとするとまた同じ症状が現れ、後ろに倒れそうになった。

 もう、床に頭を打つなと思った瞬間ふわりと何かに包まれる感覚に包まれた。ゆっくりと後ろを見ればクッションが後ろに入ってきたのだ。


「お前さんは、アホなのか。万全じゃないのに立とうなんて。いいかい、お前さんが一瞬和らいだのであればその考え方が正解に近いということだ。そして、魔法は創造性でより正確になる。ならば、具体性がない部分を補うべきだろう」


 クッションからあの幼女の声が聞こえてきた。たぶん、どこかで見ていて怪我とかしない様にしてくれているのだろう。


「創造性……。もっと、具体的に考える。何が、具体的じゃなかった?」


 たぶん、循環系は問題がないのだろう。ならば、排出とか容量とかのほうに問題があるのだろう。後は、魔力の形状とか?とりあえず、魔力の器は部屋にあふれるぬいぐるみだと想像して、そいつらがドアを通って出るイメージ。

 テディベアがふわふわとした足取りで外に出ていく。そして、それが空気中のぬいぐるみとくっついてさらに大きくなる。それによって、俺のこの乗り物酔いみたいなものが解消されると思いたい。

 何体も出ていきそして、それが大きくなったのがドアを通って戻ってくる。そして、血管を通ってそれぞれの場所にくっついていく。そうするとその場所が軽くなる。一回目のときよりもさらに乗り物酔いが解消されさらに体が軽くなった。


「とりあえず、ここから出ないといけないよな」


 あたりを見渡せば、先ほどまではわからなかったがここには机とドア、それから部屋に明かりをともすためのランプが天井からつるされている以上のことは何もなかった。

 机を確認すれば、紙が置かれておりそこには【終わったらここを出て鍵が開いている部屋に入れ】と書かれているだけで他には何もなかった。とりあえず、この紙の指示に従うようにドアを開ければここに来た時とは風景が異なり無機質な空間にドアが3つあるだけだった。2つは固く閉ざされているようだが、1つだけ半開きでうっすらと中をのぞくことができそうだった。


 意を決して中をのぞけば、ナニかと目が合うような感覚がした。

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