5.教会(3)
図書館の本を整理し終えた結果、御神木に関係するような書籍は多くはなかった。多くはないだけで、それなりの数があるから今日はもしかしたらここで本を読んで終わるかななんて思っていたのだ。けれども、本を開けば要約された内容がウィンドウ画面に映りだされたのだ。
その内容を読んでいれば、法則性を確認することができたのだ。
1つ目が、生命と再生。人生の木として描かれ、枝は宇宙の存在、根は無限の精神的真理を象徴されている。その反面、逆さに描かれることで物質世界の無常さと人間の儚さ、精神的真理の永遠性が強調している。とされているらしい。要約されているないようだから、あっているのかどうかはわからない。
2つ目は、無常と永遠。逆さまの形は、物質世界の無常性と精神的真理の永遠性を示し、個人の生死や宇宙の法則を反映している。この木は、世界の本質を理解するために使われている。
今回重要なのは1つ目の方なのかもしれない。生命と再生。けれど、この生命と再生の能力が弱まってきているのが原因で今の状況になっているのかもしれない。それにしても、原因がなんなのかを追求するには結局あの樹に近づいて調べる必要があるのにはかわりがないのかもしれない。
「スルーズ、ある程度読めたんだけれどそっちはどう?」
「そうだな、あの樹が神に関係しているというのは本当らしい。そして、あの樹が枯れることはないとされているというのもある。けれど、あの樹を見た感じだと枯れるのももう少しといった感じではあったな。つまり、他に原因があるということになる。それを探る必要はあるだろう」
「そうだよね」
スルーズも同じ感じの結論にたどりついていた。つまるところ、もう一回あの樹のところに行くのが正解なのだろう。それにしても、調べてみたけれど木の実についての記載はなにもなかった。疑問に思いつつコメント欄を確認すれば。
【匿名希望さんがコメントしました】あの樹には邪気があったな
【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】はあ⁉あの偉大な樹に邪気なんかあるわけないだろ
【小さな存在の母さんがコメントしました】ないていた
【失恋予言師さんがコメントしました】泣いていたのかい?それは、それは、不思議だな
【こっくりと狐さんがコメントしました】何がですか?
【失恋予言師さんがコメントしました】ふつう、御神木が苦しむ原因は少ないはずなんだけど……
他にも、原因について考えているコメントを呼んでいるが全体的に現実的な原因である。老朽化などと述べている人もいるけれど、そんな理由ではないような感じがするのだ。そもそも、生命の樹に寿命が存在するのかは甚だ疑問ではあるのだけれども。
「神官さん、もう一回樹を見に行ってもいいですか?」
「ええ、かまいませんが触れないでくださいね」
「はい」
そうして、来た道をもどる。その時に、少しだけ聞きたいことがあったから話しかけようとしたがそれは叶わなかった。理由は単純で、他のプレイヤーらしき人がものを破壊しようとしているのを神官が目撃したからだ。
「なにをしているんですか」
「え、あ、や、こん中に宝物があるみたいな記述あるから……」
「触らないでいただきたい。これは、歴史のある遺物であるのだから。そもそも、ここは勝手に立ち入ることができない場所である。勝手に忍び込んだんだろう。衛兵に突き出す。それから、君の冒険者カードを控えさえてもらおう」
そして、こちらに視線をやり少し思案したあとに別の神官に案内するように伝えその神官は不埒な行為を行った人間を連れて行ったのだ。コメント欄では「なにがいけないの?」とかから「さすがに壊すのはまずいのでは?」などさまざまな意見が飛び込んでいた。俺としても、勝手に物を壊すのはよくないと思うからだ。
樹にもどってきて鑑定をする。そうすれば、すぐに鑑定結果がすぐに出てくる。
『フィクス・レリジョサ
樹は大きく成長する木で、広がった葉が特徴的。
葉はハート型で、長い葉脈が特徴的。
この木は樹皮が丈夫で、空気を浄化する能力がある。
現状:侵食状態 』
侵食状態と書かれているのが気になる。よくよく観察してみるけれど、何もわからない。けれど、侵食状態が原因なのかわかればもしかしたら解決するのかもしれない。
「スルーズ、侵食状態って書いてあるんだけれど原因なにかわかったりする?」
「侵食か……。原因が近くにあるのかもしれない。そもそも、こういうのは魔物とかが原因になっているのがあるのだけれども」
「近くにある可能性があるのか。それは一目で確認することができるの?」
「そうね。鑑定すればできるかもしれないけれど、一目でわかるものもあるわね」
「そうなんだ、ありがとう」
その言葉で、周囲を観察しながら周りの会話をついでに聞いてみている。その中には、ハンター協会に文句を入れるべきではないか。関係悪化を危惧するよりも、遺物や神具の破壊をされる方がこまるのではないかなど会話を繰り広げられていた。




