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3.教会(1)

  教会は、島に入り少し歩くとあった。建物がこの教会しかないからこそ、広々と作られているがここに居る神官は慌ただしく動いていた。なにを忙しそうにしているのかと思ったが、俺らと同じように訪れている人の対応に追われているというのがなんとなくわかった。だから、迷惑をかけないように少し離れたところで待っていた。声をかければいいのかもしれないけれど、忙しそうな人に声をかけて仕事を増やすのも申し訳ない感じがする。


「みんな忙しそうだね」

「そうだな。声をかけるか?」

「ううん、待ってよ?それから、教会を見ていこう?せっかく来たのにただ、ダンジョンに向かうだけなんて面白くないもんね」

「そうね」


 スルーズも賛同してくれたから、教会を見学していたのだ。みんな、見学なんかしないでダンジョンについていろいろと聞いたり物を漁ったりしている。ゲームだからと好き勝手していいものではないと思うのだ。

 とりあえず、教会の信仰している神を考察していきたいなと思ったのだ。この教会じたいはみたいな感じだけれども、建物自体は平屋形式だ。どちらかと言うと中東系の方が近いのかもしれない。大きな庭園があって、その中央には大きな木が生えていた。その木に近づくと神官らしき人が慌ててこちらに近づいてきた。


「冒険者さん、その木には触れないでください」

「え、あ、はい」

「その木は、御神木なんです。不埒な行為は神罰が下りますよ」

「えっと、なんにもしようとしてないんですけれど……」

「そんなわけないです。他のお客様がたの行為で我々は学んだんです」

「……分かりました、離れて見る分にはいいですか?」

「それでしたら……まあ、構いませんが」

「ありがとうございます」


 色々な人の好き勝手なふるまいで、こんな目に合うのは現実でもあるけれどゲームでも同じなんだなと思う。コメント欄では、「好き勝手しすぎた結果か……」などのコメントが見られる。


【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】これは……

【束縛から放たれし英雄さんがコメントしました】その木の実をもらえたらもらうといい

【小さな存在の母さんがコメントしました】その木の実は人の子にとって良いものになるな

【匿名希望さんがコメントしました】え、そんなに有名な木なの?私、知らないんだけど


 よく来てくれる視聴者の会話に疑問に思ったが、触らないと誓った手前木の実があるのかどうか確認する手立てはない。なんなら、木の実があっても収穫ができないわけだから意味もない。


「シオンどうかしたのか?」

「えっと、木の実があれば貰うといいって書かれてるんだけど、触らないって約束したから無理だなって思って……」

「そうだな。木の実か……この活力がギリギリの木にできるものなのか?」

「うーん、どうなんだろ?それよりも、活力ギリギリってどういうこと?」

「なんだ?彼らが言っていただろ、御神木であると」

「うん」

「けれど、この木から神力はあまり感じられない。もし、御神木であるなら神力を元に戻さない限り木の実が手に入るのは夢のまた夢だろう」

「そうなんだ」


 もしかしたら、冒険者が来たことによって神力が弱まってしまったのかもしれない。それか、何かほかの原因があるとかなのかな?


「力を取り戻すにしても原因が分からないとだよね」

「ああ、そうだな」


【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】頼む、神力を取り戻させてやってくれ

【束縛から放たれし英雄さんがコメントしました】僕の方からもお願いします


 支援をしてくれたことがある2人から頼まれた。無償で何かを貰うのは気が引けてきたから、恩返しが出来ると思い引き受けることにした。


『御神木の神の力をとりもどせ


御神木であるはずの木から神力がほとんど無い

原因を追求しとりもどせ


達成条件:御神木の神力が戻る

報酬:500G

  ???

  ??????           』


 クエストとして出現したそれを見て、クエスト出なくてもやるのになと思いながらも引き受けることにした。


「スルーズ、予定変更してもいい?御神木の神力を取り戻して欲しいってお願いされたし、弱っている植物とかって可哀想に思えるから……」

「ああ、構わない。シオンの好きにしたらいい。この旅はシオンのやりたいことをやればいいんだ。まだ、使命を背負っていないのだからな」

「ありがとう」


 スルーズが最後何か言っていたが、上手く聞き取ることは出来なかった。それでも、御神木について調べることに賛同してくれたみたいで良かった。


「とりあえず、ここの人に話聞けたらいいんだけれどね」

「ああ、ただ、な……」


 スルーズがそう言うのも無理が無い。さらに忙しそうに見える。俺たちがここに来た時よりも人が多く来ているのだろう。だから、見た感じ人が多いし忙しいのだろう。


「掃除とか手伝おうかな」

「そうだな」


近くにいる神官に声をかける。俺たちに呼び止められて少し不満そうな顔をしながら、要件を聞いてきた。


「この木についてお聞きしたいのですが、何かお聞きできるか書籍などありませんか?」

「それなら、図書館にあると思います。案内出来る神官をつけますので、ここでお待ちください」

「ありがとうございます」


 そして、2人で待っていればどこか位の高そうな神官が近づいてきた。

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