6.ゲームシステム
目を覚ませば、見知らない天井だった。気絶をしたから、ガードナーは俺を放置かログアウトした時の場所に置いていると思ったのだ。けれど、予想とは全く異なり柔らかいベッドで目を覚ました。ゲームからの強制ログアウトとかも考えたが、そんなことは起きなかった。安全システムが搭載されているからこそ、本来であればこんな事態に陥った時点で強制ログアウトが行われるものだと思っていたが、違ったみたいだ。
「シオン、目を覚ましたか。疲れるってことを話すのを忘れていたなと思ってな。とりあえず何か胃に入れた方がいいがなんか食えるか?」
「は、はい、食べれます」
「そうか、ならこっちに座って食え」
「ありがとうございます」
目の前には木製のテーブルとイスがあった。テーブルの上には簡素ながらもおいしそうなスープが置かれていた。とりあえず、スプーンがあったのでゆっくりとすくって食べてみた。味は、オニオンスープみたいでけっこう飲みやすい、それでいて暖かい。システムの通知音を無視してひたすら食べることに夢中になった。久しぶりに暖かいスープを口にしたななんて、思ったのだ。
第二の世界なんて大げさだなんて思っていたけれど、実際に体験してみればこんなにリアリティがあふれているのかなんて思うのだ。これなら、温泉とかも楽しみにしてもいいかな?
そうだ、システムからの通知を確認してみよう。
『アチーブメント:ガードナーの家に入る』
『アチーブメント:ガードナーから初めて料理をもらう』
『隠しアチーブメント:ガードナーの手料理を食べる』
『アチーブメント:初めてアチーブメントを手にする』
『隠しアチーブメント:初めて隠しアチーブメントを手にする』
アチーブメント。達成目標とかのことか。でも、家に入ることはよくあることなんだろうが手料理をもらうのは隠しってことはそんなに多いことではないんだろうな。それか、隠しアチーブメントがあることを知らせるための物なのか?
「味はどうだった?」
「おいしかったです」
「なら、よかった。そうだ、クリティカルヒットの連撃達成おめでとう。ここで、教えることはあと少しだけだ。でも、倒れたし休憩してからのがいいだろう。それとも、今からやるか?」
「今からやりたいです!」
「…わかった。なら、このスープをもう1杯食べてからやるか。その間に、なんで倒れたかも説明する」
「わかりました」
ガードナーのその言葉とともに、スープの入った鍋をもってきて目の前の空の皿にスープを装ってきた。そして、ガードナーも目の前に座りスープを口にしながら話し始める。
「まず、シオン。お前が倒れたのは空腹値と疲労度が溜まっているのにそのまま訓練を続けらからだ。後で、ステータスの詳細表示をしてみろ。たぶん、スープ2杯だけだったら0からの回復だとしたら45くらいしかされていないだろう。そうだ、このパンも食べておけよ」
「はい」
バケットの固めのパンを目の前に置かれる。この固いパンは俺がいつも家で食べている感じの固いパンよりも固い。噛み切ることができる気がしないからお行儀は少し悪いかもしれないが、スープにパンをつけながら食べることにした。
「次に疲労度だが、これはゲージではなくマークで表現されている。そのマークを押すことで自分の状態がどうなのかとかをシステムが言語化してくれる。これに関しては、毒を盛られたりとかされても変化するし疲労度は無くてもお腹がすいていたりしても変化するものだから、詳細を見る暇がないときとかはこれで確認してみるのも方法の1つではある。俺からはおすすめはしないがな」
「なんで、おすすめしないんですか?」
「なぜって、そりゃあ、そのマークが変化するくらい腹が減っているのならもう倒れる寸前ってことが確定しているからな。なら、前もってわかる数値で確認している方がいいだろ?それに、これから冒険とかにいくのならそこら辺をよく理解している方がいいだろ」
「確かにそうですね。ありがとうございます」
『プレイヤー名:シオン Lv1 HP120 MP120
STR100 INT120 DEX120 AGI120 LUK200
チュートリアル報酬 ステータスポイント+5
詳細
空腹度 45/100
現在の状態:普通
疲労度:25/100
称号:なし
業績pt:7pt
称号pt:0pt
【取得済みスキル】
レイピア初級
クリティカルヒット15連撃
【取得可能スキル】
レイピア中級,
???術』
業績ポイントってなんだろかな。触ってみれば、アチーブメントで手に入れた際に入手できるポイントと書かれていた。何で使えるのかはチュートリアル終了後に業績pt限定ショップで使用可能。ってことは、このptをためることにも意味があるのか。
それに、取得可能スキルの取得方法はレイピアのレアリティが2以上であることらしい。これに関しては、チュートリアルが終わらない限り解放はできないだろうな。訓練用の武器だと不可能だろうし、素振りで成長するとはわからないな。あとは、???術に関してはまだあなたはこの条件を満たしていませんって出るのに取得可能にあるのは、ほぼバグみたいなものだろ。でも、バグが少ないことで有名ではあったからレベル上げたら
それだけ話してまた、無言の食事になった。それでも、誰かと食べるっていう経験がそんなになかったからうれしかった。これが、一時の経験でもなんでもいいからもっとながくいたいな。
「よし、食べ終わったな。」
それでも、時間は無上にも過ぎていくし話は進んでいく。次のミッションは索敵技術だった。たぶん、さっきの話で冒険するかしないかの分岐になっていたのだろう。どっちでもよかったけれど、1人でやるからある程度の技術は持っていた方がいいかと思って受けることにしたのだ。