20.海の街と悪魔
ポセイドンのダンジョンを出れば、そこは目指していた海沿いの街の近くだったのだ。まるで、ダンジョンを通過したことによって時空が歪んでいるように感じたのは少し不思議な感じがしたというのは内緒だ。
「ここが、大き目の街なんだ。それにしても、すごい人の量だね」
「そうだな。ここまで、多いのを見るのは久しぶりだな」
街は、白と青がメインカラーになった街で昼間だからなのか明るい感じを受けた。それどころか、プレイヤーも多いから活気もありよくわからない会話も聞こえるのだ。例えば、「課題が……」や「○○教授ってさ……」「今度、このダンジョンに行かん?」などいろいろな情報がその場で会話されている。それが、少しにぎやかで騒々しい感じもするのが何とも言えないところだろう。
【いっヌ至上主義さんがコメントしました】この街の探索するのおすすめ
【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】とりあえず、ホテル行きな。回復した方がいいよ
【車を駆る雷さんがコメントしました】ホテルの行き方は、簡単だからわかりやすいよ
【小さな存在の母さんがコメントしました】ねどころに おくりもの おいておいた
【隠れ蓑に隠れてない王様さんがコメントしました】いつの間にやってるんだ
コメント欄からは、ホテルに向かうことを進められている。たぶん、MPが完全に回復していないのと疲労度が高いのが原因ということだろう。たしかに、休憩するのが大切かなと思いホテルへと向かう。
街を歩いていれば、これからこの街でレイド戦が行われることを知る。なんでも、悪魔の統率が取れなくなった結果、バラバラに悪魔達が動いているということらしい。幹部らしき存在たちは、何かを探しているから交渉すら出来ないのが現状ということらしい。
「スルーズ、この街でレイド戦があるらしいよ。少し休憩して参加出来そうなら、参加しようか」
「そうだな。レイド戦か、なんとも言いずらいところだな。それも魔族では無く悪魔となると精神系を維持するのが必要だな」
「悪魔と魔族だと何か違うの?」
「魔族は知性とかがある。悪魔は、人の感情に依存しがち」
「そうなんだ、ルシも詳しいね」
「……一応、ね」
どこか気まずそうに返事をしたルシの頭を撫でながらホテルの中へとはいる。1回会員として登録されたからなのか、入る前のガードマンに止められることも無くスムーズに中へとはいることが出来る。それどころか、コンシェルジュがすぐにこちらへと来て案内をしてくれる。何も言っていないのに、そんな待遇を受けると自分が偉いのかとどこか勘違いしそうになる。
「お部屋にお荷物をお届けしております。名前は、匿名希望ということでハンドルネームでのお届けとなっております。万が一ということもありますので、軽く中を調べてはおりますが危険物でないことのみ確認済みです。それでは、何か御用がありましたらお呼びください」
「あ、ありがとうございます」
コンシェルジュは、すぐに部屋から出て下がっていく。そして、部屋の中に入れば広い部屋が目につく。とりあえず、ゆっくりと休むことにする。MPの回復をしない事には、何も出来ないのが魔法職の厄介な点だ。
「スルーズ、ルシ。私、少し休むね」
「わかった。少し、私はレイドのことについて聞いて回ってくる」
「ここにいる」
「うん、わかった。おやすみ」
そう言って、ログアウトする。ご飯を食べたりして、配信のログを確認する。俺が、召喚したが気絶した時の存在が分かればいいなと思ったが画面が白飛びしていて確認は出来なかった。そうなると、好感度ブックを確認する必要があるかな。
ついでに、街でのレイド戦についての情報を探してみる。そうすると、簡単ではあるがいくつかの情報が見つかった。
「えっと、今回のレイドはストーリーが進行されたから発生したとされる、突発型レイド。天使からの依頼で、悪魔が襲来する町を護るということ」
ストーリーが進行された?ストーリーの進行とはなんなのか。このゲームにストーリーが存在されているのか。それにしても、天使からの以来か。ルシと一緒に参加していいものなのか?
「うーん、とりあえずゲームに戻ろう」
ゲームにログインし直して、部屋を見る。そこには、スルーズの姿はなくてルシが近くで丸くなりながら寝ていた。大人しいルシが少し新鮮で前髪を退けてみた。そこには、なにか謎の模様があったのだ。少し、気になったからスクショだけ撮って今度調べようと思ったのだ。
「んぅ、な、に?」
「ごめん、起こしちゃった?寝てていいよ」
「うんん、起きる」
そう言って身体を起こしたのだ。ルシがこちらを眠そうな目で見ていて、どこか気になるなと思ったのだ。
「ねぇ、ルシ。気になることがあったんだけど、記憶少しずつもしかして戻ってきてる?」
「……もしかして、分かってた?」
「わかってたと言うよりも、途中で気がついたかな?ルシが言いたくないなら、最後まで言わなくていいよ」
「……いいや、言う」
「いいの?」
「うん。たぶん、今回の戦闘で分かることだろうし」
そう言って、ルシが話を始めた。その表情はどこか重く苦しそうで何かを考えているという感じだったのだ。




