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18.圧倒的な存在

 攻撃を仕掛けた存在をよく観察してみれば、それは天使のような容姿をしているのが確認できた。しかし、交渉するような感じは一切なかった。それどころか、こちらを一瞥すると攻撃を仕掛けてきたのだ。その攻撃が、俺やスルーズを狙うことはなくルシを狙っていた。

 たぶん、ラファエルさんが言っていた状況なんだと思う。ルシを守らなければいけない状況というわけだ。


【浮名を流す主神さんがコメントしました】命知らずおるな

【悪戯好きの気まぐれさんがコメントしました】うわぁ、僕でもやりませんよ

【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】俺でもあいつのテリトリーでやらかしたくはねえな


 コメント欄では、天使のような存在に対して「命知らず」という評価を下している。けれども、ルシを守りながら戦うことは難しいからどうするべきなのかを考える。それこそ、最善の一手が欲しいと思うくらいには考えてはいる。けれども、MPはまだ完全には回復はできていないから召喚は厳しいだろう。

 それに、神殿での戦闘をしてもいいものか不安なんだよな。神聖な場所で戦闘するのは良心がはばかれる。もし、奉納したらダンジョンから外に出ることができるのかもしれない。それならば、奉納する場所まで攻撃をよけながら逃げるのが正解なのかもしれない。


「スルーズ、攻撃しないで!神殿だから、戦闘しない方がいいかもしれない。奉納場所探して、逃げよう!」

「わかった」

「ルシもこっち来て。逃げるよ」


 ルシを引っ張り、走り出す。走るのも本当はいいことではないだろうけれども、逃げるには走るしかない。目の前に大きな祭壇を見つける。そこに、『????の肖像画』を奉納しようとした瞬間に攻撃がこちらへと飛んでくる。その攻撃が俺に当たることも、ルシやスルーズに当たることもなかった。


 天使だと思わしき存在は、男に串刺しにされていた。その男がこちらへと視線を向ける。まるで、生き物を見るような目とは思えないような視線でこちらを見据える。


「我が神殿で暴れるとはどのような了見か」

「……」

「ほう、返答すらしないか。頭が高い」


 その言葉とともにプレッシャーがかけられる。そのせいで、立つことがままならず膝をつく。そうすると、まるで満足するかのように笑みを浮かべながら優雅に祭壇の方へと歩みを進める。それは、まるでその男がいう通りこの神殿が男の場所であるかのように。その姿勢が、その様相が、神々しいようにかんじたのだ。

 男が口を開いた。


「人の子よ。我の神殿に如何様か」

「えっと」


 言葉を発声しようとしたが、うまく言葉が出てこない。それどころか、プレッシャーのようなものでさらに言葉に詰まる。それで、質問に答えられないからなのか機嫌が悪くなっているのを感じる。どうしよう。どうしよう。なにも、考えられなくなってくる。現実の時のように、理不尽にされるのかもしれない。せっかく、見に来てくれている人がいるのに。


「発言を許してもらってもよろしいでしょうか」

「ほう、貴様は北欧のところのか。よい、許そう」

「ありがとうございます。あなた様の威圧が強く、私の召喚主であるシオンは耐えることができないのだと思います。ですので、威圧を緩めていただけますと話せるかと」

「ふ、フハハハハハ!たしかに、人の子は弱いな。よかろう。その意見を受け入れよう」


 その言葉と同時に、プレッシャーが軽減された。それで、立ち上がることもできる。それに、うまく呼吸もできるようになったのだ。スルーズがいてよかったと思った。これで、安心してはいけない。質問に答えないといけないのだから。


「え、あ、っと、奉納するものをもってきました」

「ほう、この我に渡すものだそれなりのものでないと許されないと思っていろ。それに、この場所で騒いだのだ。楽しみにしているぞ」


 まるで、なんてことの無いように話しているが目は一切笑っていない。それどころか、こちらを見据える目はさめていたのだ。だから、怖くて震えながらインベントリからアイテムを取り出す。どれを出せばいいのかなんて、わからなくて『????の肖像画』を間違って出してしまったのだ。

 その肖像画を見た瞬間、男が立ち上がりこちらへと近づいてくる。ようやく、男をまともに見ることがきたのかもしれない。男は、水色の髪を一本にまとめている。服装は、古代ギリシャとかで着られていたであろう服装をしていた。そして、近くに来たからわかるがその男は2m近くの身長をしていた。現実の俺の身長よりもMoAの中だと低いかもしれないけれど。それでもより高く感じるということにしても、高すぎるのだ。だから、そのくらいあるとみてもいいだろう。


「これをどこで見つけた」

「え、えっと、ドロップ品です」

「ドロップか。これを我に渡すと?」

「は、はい」

「ハハハハハ、よかろう。人の子よ、名を名乗れ」

「シオンです」

「シオン、貴様と契約してやろう。手をだせ」

「え、え?」


 言われるがままに手を出す。そこに、男がキスを落とす。すると、システムからの通知音が来ていたがMPを一気に吸い取られる感覚のまま、また意識を落としたのだった。

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