4.好感度システム
天使の子は汚れていたからだろう、茶色系の髪だと思っていたその髪はきれいな白髪になっていた。長い髪を整えられればいいのだけれども、俺も器用である自信がないからここでの特典でないか確認をしよう。とりあえず、前髪が邪魔だと思ったから前髪に触れてあげてもいいか確認を取ろうとした。
「あのさ、前髪あげてもいい?」
よくわからないのか、反応が薄かった。前髪に触れたとき、少し肩が揺れていたが前髪を左右に分けて目を覗き見たときにきれいな緑色の目と合ったのだ。
「えっと、前髪どけるの嫌だった」
これにも反応は薄い。言葉がわからないのかもしれないけれど、声をかけ続けるのが大切だと思うのだ。植物にだって、動物にだって、話しかける人がいる。言葉の理解をしているかわからないけれど、そのうち理解してくれると信じているのだ。
ふと、召喚魔法で召喚したスルーズのことを思い出した。彼女を置いて逃げてしまったこともあり、心配していたのだ。本心ではある。すこし、そのほかのことに気を取られて後回しにしてしまったのは秘密ではある。
「スルーズ」
名前を呼べば一瞬全体が白くなった。そして、それが光によって目の前が白く感じたのだと実感したのは少ししてからだった。強烈な光をくらったあと数分はぼやけていたが、声でスルーズが来ていることに気が付けたのは幸いなのかもしれない。
「シオン、すみません。力加減を間違えてしまいました」
「平気だよ。えっと、しっかりと自己紹介したほうがいいよね?」
「はい、そうしましょうか」
まだ、視界がぼやけてはいるけれどリビングのような場所のソファに腰を掛けながら3人の人がローテーブルを囲んでいる。方や光で目がチカチカしている人、方や言葉を理解できているか怪しい天使だと思わしき少女、方や召喚された種族多分人外の美少女。この部屋の絵面やばすぎじゃない?無言が耐えらないから、話始めるようにした。
「えっと、シオンです。一応、召喚者?っていう職業やってます。配信をずっと垂れ流しにしてます。あ、まって、配信切ります!見てくれてありがとうございました!えっと、明日も多分配信すると思うのでよろしくお願いいたします!お疲れ様でしたー!」
そう言って配信を急いで切った。中だるみするとみている方も面白いと思えないだろうし、ここから自己紹介とかして探索するかも未定だから見ていても面白くはないだろう。もし、出した方がいい場合は動画として載せよう。そう決心して、配信停止をさせた。
「えっと、急にごめんなさい。えっと、スルーズお願いしてもいい?」
「ええ、わかりました。スルーズです。前衛職であり戦乙女といわれる職業です。種族は神になるますが、シオンの格に合わせて落とされていますのでほとんど普通の人間と変わりがないと思っていてかまいません」
「えっと、スルーズってずっと呼んでもいい?」
「そうですね、名前から弱点を知られることもあるのですよね。それでも、基本私は肉体的な強さなので力押しがメインだから気にしなくてもいいわ」
「そっか、ありがとう」
そして、ずっと無言だった少女へと視線が向く。そして、スルーズがその子の顔を見て顔をしかめたのを見逃さなかった。なぜ、しかめっ面を一瞬したのかなんて聞きたいけれど目の前にその対象がいてもきいていいものか考えてしまう。そして、俺たち2人の視線を受けて驚いた様子で固まってしまう少女という図になった。スルーズが無言でこちらへと視線を向けてきて何か聞きたいようにしている。
「えっと、この子。たまたまスルーズを初めて呼んだ場所でであったんだ。なんだか、追われているようだったし追ってきている人からひどいことされていたのか恰好もボロボロの服で裸足で森の中は知っていたから保護したんだよね。それで、攻撃されているときにスルーズを呼んで逃げたんだ」
「そうなんですね。シオン、この子について少し話したいことがあるのです。ですが、シオンあなたの持っている好感度ブックについて先にお伝えしたいことがあるのでそれについて話してもいいですか」
「え、う、うん、いいけれど。好感度ブックについてなにか知っていることがあるの?」
「ええ」
その言葉と同時にスルーズがここのホテルを利用したときに見せてもらったホログラムみたいなもので説明を始めた。
「まず、召喚者とは1人だけしか習得できない職業になります。そのため、この世界でシオンだけの職業なんです。それ以外の職業で似ているのが【召喚士】や【召喚師】と呼ばれる存在になります。この2つの職業は召喚対象を屈服させるのが基本なんですが、召喚者は違います。この職業は別名【仲介者】と呼ばれるような役割をになっているんです。シオンの場合はまだ、この世界に来たばかりですからまだどのような立ち位置になるのか未定でしょうね」
スルーズの説明で俺の職業が結構特殊であることを理解する。そして、さらに話が続いていく。しかし、その視線はこちらを見ているが時々横に居る天使の少女にも視線を向けているのがなんとなくわかるようになっていた。
「好感度ブックについてですね。それは、召喚者のみが習得可能なスキルです。あなたが見ていた、関心と呼ばれるものは他の人間でも確認することができるんです。その親密度が高いと、報酬でしたりクエストでしたりといろいろな恩恵を得ることができるメリットがあります。好感度ブックは、言葉の通り好感度です。相手から好かれているかどうかを確認することになります。そこには、モンスターでしたり動物なども含まれるんです。確認してみてください」
スルーズに促されるように好感度ブックのスキルを使用してみる。そうすると、目の前には青色のウィンドウ画面がある。その中には、顔写真が無く名前もわからないのに好感度がそこそこ高い人がいたりとして恐怖を覚える。雰囲気は、卒アルの顔写真が貼られている感じに近い。ページをめくっていけば、スルーズの顔写真と名前があるのを発見した。それをタップしてみれば、詳細を確認することができた。
『スルーズ
トールとシヴの娘。ワルキューレとして活動もしている。
シオンと初めて契約した存在。
好き:???
嫌い:???
好感度 55/100 』
好感度は平均くらい。好きや嫌いなどもあるのかとおもった。これを見ていると恋愛シュミレーションゲームのようなものなのかと思ったのは秘密だ。
「確認できましたか?」
「え、ああ、うん」
「よかったです。それで、隣の子を探してみてください」
その言葉で、探し始めることにしたのだ。




