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2.反撃の一手

 業績ポイントが17ptになっていたのだ。内容は『堕天前の天使の保護』『堕天前の天使から好かれる』『勇気ある選択』の3つが追加されていた。これによって、召喚魔法初級を購入することができるようになったのだ。急いで、購入する。

 目の前では、光の剣の猛攻がずっと続いている。それを横目に召喚魔法初級を習得した。そして、インベントリから触媒を取り出し詠唱を始める。俺の行おうとしていることに気が付いたのか、こちらに攻撃を仕掛けようとした。俺の前に光の剣が飛んでくるがそれは、武器と武器がぶつかる音で防がれたことに気が付いた。


「はじめまして、シオン!私は、スルーズ。あなたが助けたドワーフと恋をした乙女よ。私の残したもので解いてくれてありがとう!ここは、私に任せてその子と避難しなさい」


 目の前に居たのは、鎧を着た美少女がいた。その人の手には槍が握られていた。その槍で光の剣をすべて弾いている。しかし、天使の方もこちらが逃げるのを追いかけようとしてくる。余っていた業績ポイント2ptで隠れ蓑を入手していた。一瞬の隙で木々の中に隠れているようにした。木々の隙間からかれらの戦闘を覗き見ていた。

 2人の戦闘はたぶんハイレベルなんだろう。光の剣を降らせる天使とそれをタイミングよくはじくスルーズ。なにをしているのかよくわからないが、多分高度なやり取りがされているのだと思う。でなければ、互いに目線を合わせながら、無言での攻撃をかわすことはないと思うから。


「まさか、あなたのような人が人間に力を貸すとは思いませんでした。それに、その人間に合わせているから弱体化したのではありませんか?」

「ええ、本来ならば人間に肩入れなんてしないわ。それでも、私たち戦乙女ワルキューレは人間に寄り添う存在だもの。それはあなたもなのでは、ガブリエル」

「ハハハハハ、ええ、そうですよ。だから、攻撃をしてなかったんです。本来なら、あれを引き渡せば問題などなかったのに、こちらに引き渡さないから強硬手段に出たんですよ」

「あなたのいうアレとはなんなのかしら?」

「悪の芽ですよ。再び同じ悪夢を繰り返さないためにも可能性があるものは回収して処分をしているのだ。そうでないと、繰り返すだけになる」

「そう、あの子がその存在とでもいいたいの。あの事件については聞いているわ。悲惨で大変なことだったという認識を持っているもの。それでも、なんにもしていない子まで、対象にしたらそのうちもれた子が復讐をするのではなくて。実際に、今回逃げている子が関係ない人に保護されているじゃない」

「そうだ、本来なら殺してでも回収しようとしていたのに邪魔をしたのは貴様じゃないか」


 これ以上聞いてもいいものか分からないから、助けた少女とゆっくりとその場を離れたのだ。まるで、なにか悪いことをしているかのような気がしてならなかったが、そんなことはないと言い聞かせたのだ。

 少女の歩幅に合わせながら森の中を歩けば道のようなものを発見した。その道に沿って歩けば、本来の目的地であった第二の街である『シュメル』にたどり着くことができた。このシュメルという場所には、ギルドなどが多く在籍していると聞いた。ここで、クエストの受注や観光名所についての情報収集などを行うのが定番なんだとか。そんな話をたくさん聞いた。ここにあるギルドの大半は大きなギルドの拠点にもなっているともいわれている。初心者を勧誘するのにも向いているからだろう。

 街中は、カラフルだった。中世をモチーフにしている建物が多いが、材質がレンガではないのが一目瞭然のカラーなのだ。


【匿名希望さんがコメントしました】相変わらず、ここはカラフルね~

【小さな存在の母さんがコメントしました】いろがチカチカする

【鳥と太陽さんがコメントしました】なつかしいな


 コメント欄でもこの場所に来ている人しかいないからだろうが、結構な支持のもと「○○のお店おいしいよ」「××という道具屋はぼったくりだから気を付けて」などの情報は寄せられる。とりあえず、宿屋に向かうことにした。普通の宿屋がいいかなと思っていただが、【束縛から放たれし英雄さんから宿屋の招待券をプレゼントされました】と届いたのでせっかくならと思いそこに向かった。しかし、その宿屋はまるで高級ホテルかのような造りをしていたのだ。


「お客様、申し訳ございませんがこちらは紹介制でして……」


 ドアマンが声をかけてくる。しかし、その目は汚物を見るような目をしていたのだ。何回も向けられたことのあるその目をみて、俺の恰好を確認してみれば砂埃で汚れていて決して清潔とは言い難いからだろう。それでも、確認もしないで断るのは少し残念に思った。


「招待状をもらったんですけれど」


 招待券と書かれていたけれど、招待状と言い換えて伝えてみた。それと同時に、送られたものを見せれば驚いた顔をしてドアをあけたのだ。そして、中に入ればそこは別世界とも感じるような造りになっていた。中に入れば、エントランスが広がっていた。内装は白を基調としていて指し色に青を入れている。そして、テラスみたいなところの先にはプールがあるように見えた。

 俺が、中に足を踏み入れた瞬間いろいろな人からの視線を感じることになった。こちらに視線をむけているのは、プレイヤーマークがついている人がほとんどでマークのないNPCたちからの視線は感じなかった。


「あの姿で、ここに入るとかわかってないんじゃないの」

「やめてほしいわ。私たちの価値までさがるじゃないの」


 なんて陰口がきこえてくるのだ。はてには、こちらに近づいてきて文句を言いだす人もいた。なにをいっているのかがいまいちわからないのは、脳が聞きたくないと拒否しているからなのかもしれない。コメント欄では「こんな差別主義が多いのか」「格が違うのがわからないのか」などのコメントをしている人もいれば、内装を初めてみるからかそれについてのコメントをしている人もいて混沌を極めていた。


「お客様、何か問題でもありましたか」


 ホテルマンのような人がこちらに声をかけてきた。それに、俺に対して喚いていた男が口汚く文句を言っている。それを困った顔で聞いてこちらに視線を向けたのだ。


「お客様はこちらの利用は初めてになりますね。もしよろしければ、招待券を確認してもよろしいでしょうか」

「あ、はい」


 そして、先ほど出した招待券をもう一度みせればホテルマンの顔色が変化したのだ。

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