17.ダンジョン(8)
そこには、石化を解くための方法が載っていた。書いてあることを呼んでみれば、必要なアイテムがあるということだ。
『石化を解除する方法
必要物品
・ラブ・アップル
・満月草
・精霊の涙
制作方法
①ラブ・アップルを絞る
②満月草をすりつぶす
③①と②を火にかけながら混ぜる
④③を冷ます。この時、魔法の使用をすると失敗率が上がる
⑤精霊の涙を入れる
⑥よく振る
⑦最後にふりかければふりかけた場所から石化が解かれていく
石化を解除することができる。しかし、精霊の涙の質によって成功率が左右される』
読んでみたが俺が持ってないアイテムが2つもある。これらを集めると作ることができるのだと思う。俺のアイテムを確認してみる。精霊の涙A⁺と書かれている。精霊の涙に関して確認をしてみるとにした。
『精霊の涙
精霊からあふれでた涙。浄化作用がある。
入手方法:ガチャ、2F穢れた精霊からドロップ
等級:SS~E 』
この内容から見るに等級はそこそこ高い方なのだと思う。プラスが付いているということはAよりも上であると考えられると思う。それに、ガチャ以外だと2Fと書いてあるのは2階ということなのかなと思う。このゲームに関して言われているのは階層が存在していると言われていることだ。しかし、いまだにその場所にたどり着いている人がいないとされているのが実装されていないのではないかなど話されている。
つまり、このアイテムはガチャでしか出現していないということになる。他のアイテムの入手について確認をするためにそのアイテム名をタップして確認してみる。
『満月草
満月の魔力を浴びた草。解毒作用がある。
入手方法:6Fの庭園 』
『ラブ・アップル
恋愛をした林檎。赤からピンクへとグラデーションがされている林檎。
効果を倍増される作用がある。
入手方法:9F楽園庭園 』
どちらとも、入手することができないものだろう。攻略サイトを確認するのであればもしかしたらわかるのかもしれない。けれど、こんなところでログアウトするのは少し不安はある。もしかしたら、ここにアイテムが残っているのかもしれないから探してみるのもいいのかもしれない。
【花ビッシさんがコメントしました】みつけたの?
【小さな存在の母さんがコメントしました】困っておるのか?
【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】俺達にはウィンドウ画面が見えないから教えてほしい
【いっヌ至上主義さんがコメントしました】もしかしたら助けられるかもよ
「えっと、石化を解く方法は見つかったんですけれど、アイテムを持ってなくて。必要なのが満月草とラブ・アップルっていうのです。とりあえずは、ここを探してみようかなとは思います」
そうやって、話した後に部屋を探し始めた。部屋は大きいわけではないように感じていたのに探し始めた瞬間に大きさがなぜか狂っているように思えた。それこそ、その場所が自分を中心に拡張されているような気がして困るようなことだと思った。
【♰闇の覇者♰さんがコメントしました】あるじゃん
【悪戯好きの気まぐれさんがコメントしました】あなた本当は石化解きたかったんですか
【浮名を流す主神さんがコメントしました】うわ、ほんとじゃん
【狂えるものの長さんがコメントしました】策士策に溺れすぎてかわいいでちゅね~
【車を駆る雷さんがコメントしました】は?そんなことしてない
【車を駆る雷さんがコメントしました】もしかして……
【車を駆る雷さんがコメントしました】うわ、確認してきたら娘に裏切られてた
【車を駆る雷さんがコメントしました】つらすぎ
【匿名希望さんがコメントしました】連投やめてください
【隠れ蓑に隠れてない王様さんがコメントしました】身内のりやめてくださいと妻が言ってます
【浮名を流す主神さんがコメントしました】娘の反抗期みたいな感じだから許してあげて
「えっと、ここにあるってことですよね。ちょっと、探してみますね。それと、車を駆る雷さんは娘さん(?)の反抗期なんですか、大変だと思うんですけど世の中の父親が通る道だと思うのでがんばっていきましょう。私、経験したことないんでちょっとわからないんですけど」
そんなかんじのことを話していれば、コメントは子供の反抗期に関することで盛り上がり始める。じっさい、反抗期は子供からしたら親への愛情の裏返しなのかなと思っている。だって、俺は反抗期なんか来るような気がしない。反抗したらさらに悪化する可能性があるということだろう。それなら、反抗なんかしないで静かに過ごしている方がいいと思う。
そんなことを思いながら棚や机を鑑定しながら探していく。そうすると、鑑定術中級の熟練度がいつの間にか89%にまで上がっていた。それでも、見つからないのだからどうすればいいのかわからない。
鑑定を繰り返していれば、乾燥しているけれども干されている状況で満月草と書かれているものを発見した。しかし、今の俺の身長だと手が届かないところに置かれていた。背伸びとかそんな次元ではない。本棚に登るかどうかを悩むレベルで高い位置にあるのだ。ジャンプ力とか強化していれば取れるのかもしれないけれど、そんなことをしているわけではないから本棚をよじ登ることを視野にいれないといけない。
「あれですよね。えっと、どうしましょうか。高すぎるんですよね。ここで魔法使っても平気でしょうかね。本棚がこっちに倒れてこなければ安全ですよね、きっと」
大きな独り言。配信をしていなければ、変な人でしかないのがわかるくらいに大きな声で話していた。その一言の後に、ウィンドカッターを展開してみる。そうすれば、うまいことつるしていた紐だけを切ることができた。壁に傷がついていないかを確認してみたが、傷はついていなかった。これで、満月草の入手ができたのだ。そのあとも、固形でラブ・アップルを探していた。しかし、見つけることができない。もしかしたら、すでに液状になっているのかもしれにと思い薬品棚に向かう。薬品棚にかんしては、想像よりも多くの薬品が保管されている。関係ないものを手に取るのは良くない気がして触らなかった。カラフルな薬品からおどおどしい薬品までいろいろな種類が存在している。そして、その中にお目当てのアイテムを見つけた。『ラブ・アップルポーション』と書かれている。詳細を確認すれば、『ラブ・アップルを絞ったもの』と書かれていた。
「アイテムが揃いました。それじゃあ、作業をしていきますね」
そういって、石像の近くに合ったすり鉢とすりこ木をつかって満月草をすりつぶす。乾燥しているからだろう、すりつぶす際に液もれなどが起こらず、簡単にすりつぶすことができた。それをビーカーに入れて火にかける。手順に合った通りラブ・アップルポーションと一緒に混ぜながら煮る。そうすれば色が薄い緑色へと変化していく。これ以上は危険だと直感で感じたのかビーカーを取り出し、霧吹きに入れる。そこに、精霊の涙を落としいれる。精霊の涙は泡をたてながら溶けていく。まるで、バスボムのように泡をたてている。それを見ながらよくふる。そうすれば、色が鴨蛋青になった。それを石像にふりかけていけば、そこから石化していた場所がじょじょに色を取り戻しているのを確認することができた。
ゆっくりと行っていけば、そこには、ドワーフが目の前にうれしそうな顔をしながらこちらを見ていた。




