10.ダンジョン(1)
商人が出入りが多い場所ということもあり、目的の品物はすんなりと購入することができた。品質がいいものはやはり高価で買うのが難しい。だから、中級よりの下級を買うことにした。まだ、お金はそんなにないから仕方ない。でも、ティターニアから魔力回復のアイテムをもらっているからいざってときは使うことにしよう。そんなことが来ないのが理想だけれども、そうはいかないのがゲームだろうしな。
さて、探索自体は迷子になることが前提の装備を着ているから道にはしっかりと迷った。しっかりと迷ったなんておかしな表現になるかもしれないが、実際に道がそれるのが何回も何回も起きればしっかりと迷ったと表現せざるを得ない。それでも、花のお兄さんがいるからだろうか軌道修正はしっかりとされる。そんなこんなで、歩いていれば崖に扉がついている場所を発見した。
「花のお兄さん、ここに入ろうかなって思うんだけれどいいかな?」
「このパーティは君がリーダーなんだから逆らうことなんてしないから安心してくれたまえ」
「ありがとう。そうだ、私初めてダンジョン?っていうのに入るんだけれどなにか気を付けないといけないこととかはあるの」
「そうだね、これまで歩いてきた感じ君はしっかりと周りを警戒したりしているから平気だとは思うけれども。でも、一番は慈悲を与えすぎないことが重要だよ。モンスターの中には、人の形をとって惑わすタイプもいるからね」
「わかった。心得ておくよ」
その会話とを皮切りにダンジョンの扉に触れてみる。そうすれば、
【???のダンジョンへの入室を許可します。
パーティ人数 2/5
メンバー シオン
花のお兄さん
達成目標:扉までたどり着く 】
この文字を見た後、扉が開き中へと吸い込まれていくことになった。自分の足で入るのではなく勝手に転移される系ということを初めて知った。恐怖もあるけれども、何気に初めての冒険ということもあり楽しみが勝っているのが本音ではある。
中は薄暗いが灯が必要というほどでもない。自信を中心に灯がともっているのはもしかしたら、装備品である初心者シリーズの特典にあった発光効果なのかもしれない。こんなもの何に使うのかいまいち理解できなかったが、こんな状況になると発光効果がついていてよかったと安心する結果になった。なんで、初心者シリーズがあたりかと言われている理由がわかる。これだけでも、出して良かったと思えるのもすごいことだ。
【こっくりと狐さんがコメントしました】こんなところにダンジョンあるんだ
【花ビッシさんがコメントしました】まだ、まだ、未発見のものとかもあるのね
【悪戯好きの気まぐれさんがコメントしました】いいですね、いいですね
【匿名希望さんがコメントしました】この人の子はすばらしいですね
コメント欄をチラ見したが子のダンジョンの情報を持っていそうな人はいない。なんなら、未発見のダンジョンであるのではないかとコメント欄で盛り上がっている。行き方をアーカイブを遡って確認しようとする者も現れているが、遡って確認する機能をONにしていないから確認は配信が終わってからでないとできない様になっている。配信初心者の手引きにて遡り機能はOFFにしたほうが良いと書かれていたのを忠実に守ってよかったのかもしれない。俺にたどり着けないとか文句言われても、装備品と花のお兄さんの軌道修正のおかげで発見したのであって自力で発見したわけではないかである。
「花のお兄さん、ここがどこら辺とかってわかりますか?」
近くにいる花のお兄さんに声をかけながら、索敵スキルを使用してみる。実際に使用してみれば判明するのは、ここが直径10mくらいの円形状の場所でそこからさらに道がつながっているということだけである。
「そうだね、たぶんだけれども僕たちが入った扉があっただろう。あそこがゴールになるのだと思うけれど、ここに入る際になにか達成目標が設定されていたと思うけれど何だったんだい?」
「えっと、扉までたどり着くって書いてあるよ」
「つまり、ここは迷路型のダンジョンということになるね。君のその装備とこのダンジョンでは相性がものすごく悪いんだよな」
「迷路型のダンジョン?」
「ダンジョンにはいくつかの種類があるんだ。本来なら、次の街で冒険者ギルド登録の際に聞ける話なんだけれども、入ってるしせっかくだから僕から説明しようか」
その言葉を皮切りに花のお兄さんが空中に大きな円を表した。多分これも魔法系統の能力だと思うけれども、MPの消費とか大丈夫なのだろうか。
「これは、記憶させたものを出してるだけだから魔力の消費はないよ。それで、ダンジョンの種類だね。ダンジョンはクリア形式によって○○型って呼ばれることがあるんだ。まず、討伐型。これは、名前の通り敵を倒すことが目的となるよ。基本は、ボスを倒すか指定された敵を倒すことでダンジョンクリアになる。次が今回の迷路型、迷宮型と呼ばれる場合もあるね。これは、特定のポイントに到達するとクリアになる。今回はこの形式だね。あとは、探索型とノルマ型、特殊型の3つがあるんだけれどもここら辺は遭遇率が低いかな。もし、一緒にいる時遭遇したらその時に説明するよ」
「うん、ありがと」
花のお兄さんの説明をコメント欄も聞いていたのだろう。「こんなシステムなのか」「ここら辺、スキップしてるから初めてきちんと聞いたわ」などが流れている。スキップ機能もあるけれど、初心者だし躓くとテンポが悪くなるからなるべくはチュートリアルや説明系は聞いていく方針でやっているのだ。それに、この状況が特殊であるというのは決まっているところだとは思うから気にしないで流しても楽しんでもらえるだろうしね。
ダンジョンを回るうえで俺の装備が相性が悪いから装備の付け替えをすることにした。その時に、花のお兄さんからローブをもらったけれど少し相性が悪そうだった。【魔術塔の研修生ローブ】という名前で、魔術への理解度が上がる代わりに魔法への理解度が下がるというものだった。俺は、魔法との親和度が高いから着ない方がいいと思ってアイテム欄へと入れることにした。
【小さな存在の母さんがコメントしました】ぷれぜんとをさずける
【小さな存在の母さんからプレゼントされました】
「プレゼントの受け取りどうやるんですか?あ、この受け取りボタンでいいんですか?」
そのまま、ボタンを押せばアイテムが送られていた。【妖精のローブ】と【妖精の息吹】と呼ばれる衣装だった。両方とも魔法の親和性を高めるアイテムであったため、うれしいがコメント欄はあれにあれている。
【こっくりと狐さんがコメントしました】おい、プレゼントはダメだろ
【花ビッシさんがコメントしました】それなら、私もしたいです
【いっヌ至上主義さんがコメントしました】おれも布教する
【猫吸い中さんがコメントしました】阻止
【小さな存在の母さんがコメントしました】だめなのか。しらなかった
【隠れ蓑に隠れてない王様さんがコメントしました】こちらで、教えておきます。こんかいは多めにみてください
【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】今回だけは許そう
【匿名希望さんがコメントしました】何から目線w
とりあえず、ゲームアイテムのギフト系がよくないということはなんとなく知ることができた。なぜなのかまではよくわからいから、あとで調べておこう。




