9.出発準備
MoAが起動する。それと一緒に、配信を開始してみる。タイトル設定は「花のお兄さんといっしょ」とかいう少しふざけているタイトルだ。配信をつければ、人が集まる。
「えっと、こんばんは。シオンです。今日の朝方の配信とは打って変わって今はクエストの進行中です。それは、モアチューブのほうに初めのほうが上がってます。よければ、そっちも見てみてください。というか、進行途中なのでもしかしたらお話として分からないかもなので見るのを推奨してます」
【炎拳の喧嘩王さんがコメントしました】見てきたよ。魔法誰かから先に習ってたのか?
【猫吸い中さんがコメントしました】チュートリアルスキップしなかったんだ
【花ビッシさんがコメントしました】私、彼がお花のお兄さん名乗るの好きじゃないのよね
【♰闇の覇者♰さんがコメントしました】お前の意見などだれも興味ないだろ
【こっくりと狐さんがコメントしました】彼、顔はいいんですよね
配信をつければ、朝方来てくれていた人たちがコメントをしてくれる。他にも「なんで、初めから魔法使えるの?」や「花のお兄さんには気を付けて!」とかのコメントが寄せられている。ガチャ配信よりも結構な人が来ている。そこには、「MoA速報から見に来ました」や「マジで、有名人多いじゃん」などのコメントが寄せられていた。こんなことを書かれている理由はイマイチわからないけれど、マナーが悪すぎるわけではないからいったん保留にすることにした。
「魔法なんですが、私この手のゲームを一回も行ったことが無くてチュートリアルを全部やってみたんです。その時に、魔法のチュートリアルも行いましたよ。誰に教わったとかは、ヒミツにしておきます」
その言葉を皮切りに、「チュートリアルで魔法があるのか」や「VRMMOしたことない人種とか珍しすぎじゃん」「俺もチュートリアルやったけれど魔法チュートリアルは才能無いと紹介されないぞ」などさらにコメントが加速していく。魔法チュートリアルは才能が無いとできないのか。どこから、才能ありと判断されるのかはわからないから何とも言えないけれど、少しうれしいな。
【匿名希望さんがコメントしました】まほうのさいはよいことだ
【いっヌ至上主義さんがコメントしました】こいつ、変換できないんじゃないか?情弱か?
【猫吸い中さんがコメントしました】お前もできないときあっただろ
「コメントでの喧嘩はやめてくださいね。それじゃあ、花のお兄さんと合流して次の大きな街を目指しながら歩きます。ついでに、装備は迷子な少女シリーズにしてます。せっかくなら、マップ探索とかスキルの成長とかさせながらいきたいなって思ってます」
その言葉を皮切りにコメントがさらに加速する。「初心者なら無謀なんじゃないか」「そんなことしなくても、スキル上がるよ」などの心配よりの声が多い。それでも、普通に街を歩いてもアルヴィースに合えるとは思えない。それこそ、トリックスターと名乗る存在ならばなおさら簡単に攻略できるクエストを用意しているとは思えない。
今いる村は、大きな街に行く人たちが森の通過する前に羽休めすることができるような感じになっている。だからだろう、基本的に宿屋と数件の家屋だけで物資の補充をしようと思うとここに訪れている行商人との交易になるとのことだ。何がひつようなのかわからないから、軽く見てまわってみることになった。
一番の問題は、二人とも魔法系のジョブについているため前線に立つことができる人がいないとのことだ。けれど、知らない人をパーティに招待するのも不安があるのだ。コメント欄では、そのままのパーティで進めるように話をまわしてきている。この判断がいいのか悪いのかがまだわからないから何とも言えない。悩ましいところではあるのだ。
【束縛から放たれし英雄さんさんからのチャレンジ
2人で攻略したら100ダイヤあげる】
100ダイヤと書かれているのは配信しているこのプラットフォーム内課金アイテムだったはずだ。無料でも貰える機会があるから頑張ってためることができれば100ダイヤとかできるのかもしれない。それでも、ポンっと新人でしかも配信2回目の俺に渡すのは少し奇想天外かもしれない。確か、炎拳の喧嘩王さんが呼んでくれた人だったと思うから2人ともお金持ちなのかもしれない。チャレンジ成功したときにもらった金額が300ダイヤ相当の金額が収益として入っていた。10ダイヤで100円相当だったはずだ。つまり300ダイヤで3000円これが、有償ダイヤになると1.5倍くらいになる。それでも、課金額が3倍くらいになる。いい商売なのかもしれないが、運営も大変なのは想像がつくから文句がでることはない。それに、カスタマーの要望が反映されることが多いから人気でもあるのだ。
「束縛から放たれし英雄さん、チャレンジありがとうございます。ちょっと、不安ですけどチャレンジしてみようと思いますね。それじゃあ、花のお兄さんに声をかけに行きます」
花のお兄さんの部屋は隣でノックをすればすぐに返事とともにドアが開けられて彼が出てきた。その姿をカメラが映した瞬間コメント欄は加速した。恨みが花のお兄さんに恨みがあるのか、恨み言をいう人と花のお兄さんの容姿を褒めるコメントで両極端に分かれる。
花のお兄さんは魔法系ジョブということもあり、細身の男性キャラではある。女性人気が高いNPCなのかもしれない。色素が薄い系でたれ目なのに釣り眉で笑っているような感じなのが少し胡散臭い感じを受ける。髪の毛は長いのをゆるく一本に結んでいる。甘いフェイスと言われればそのような感じだろう。あとは、ネット上でDVをしてそうな印象を受けるとか言われても顕色がない感じではある。
「花のお兄さん、お待たせしました。移動できますか?」
「ああ、もちろんいけるよ。それで、どうするかは決めたのかい?」
「方針は変えずに人探しもあるからなるべく寄り道とかしながら回っていこうとは思っているよ。だから、ここで回復系アイテムを買って移動したいなって思っているんだけど花のお兄さんは必要なものとかありますか?」
「気にしなくていいよ。結構アイテムは持っているからね。それに、こう見えても肉体派でもあるからね」
「そうなんですか?そうは見えないけど、信じますね」
ふわりと花のお兄さんに笑みを浮かべる。カメラがそのシーンをきれいに映したのか、コメント欄では「かわいい」「女の私でもこの笑顔向けられたら赤面する自信しかない」「花のエフェクトつけるのAI優秀すぎだろ」など様々なコメントが流れている。AIがその状況に応じてエフェクトをつけるように設定しているから、今笑ったシーンに花のエフェクトを合わせて演出効果をだしたのだろう。
買い物をしに宿屋を後にすることにした。




