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7.調べものと思わない副産物

 調べものをするために教会にある図書館に入ることにした。基本スペースはだれでも入ることができるみたいだ。危険書物などが蔵書されている場所には資格が必要のようである。レベル制限と冒険者ランクなどが要求される。そのため、いったんは一般の場所で確認することにした。

 それだけでも、蔵書量が多いのが問題だ。とりあえず、呼び出してみろと言っていた神様らしき人について調べてみる。いた場所は日本神話のブースだった。このことから、日本神話関係の神様であることが考えられる。けれど、日本神話は結構な量の神様がいるのが問題だ。見た目から想起されることを考えてみる。自分の配信のアーカイブを確認してみる。こうやって見ると、カメラの性能もだけれど画質もキレイだなと思う。

 見た目は、落ち着いている男性だった。もっというのであれば、黒い髪に黒い瞳。ハイライトすらも見えない瞳だ。ずっと見つめていれば深淵に飲み込まれてしまうのかもしれないという不安を煽るような瞳だ。また、神官の反応からみても高位の存在なのかもしれない。そうでなければ、腰を抜かすなんてことが起きるのかわからない。他の場所に着目してみることにする。そうすれば、わかるのは彼がいる場所が異様に暗いということだ。まるで、夜を連れているかのような存在だ。


「夜?もしかして、でも、そんなわけないや」


 想像した存在なわけがない。そんな存在ならば、なぜ軽率にそこにいるのかわからない。高位も高位だ。神様としては主神として名前を連ねる存在だ。まだ、確信が持てなくて関連する書物を確認してみる。けれど、細かい内容が表記されていることも多くない。人前にあまり出てくることのない神様だ。それはそうなのかもしれない。だとしたら、あそこにいた理由が不明だ。

 服の装飾などに着目してみる。シンプルだけれども上等なものを使用しているのが一目でわかる物だ。実際に見ているときもいいものを着ているなと思っていた。これ、アーカイブ見た人達で考察とかしててくれないかな。それを少しみて確認してみるのもいいかもしれない。1回限りだけれども召喚用のアイテムがあるのだから試してみる価値はある。


「さてと、他のことについても調べてみますか」


 それこそ、ロキに頼まれたはじめてのおつかいクエストに関しては達成した方がいいだろう。アスガルドからの関心は獲得する価値はあるとおもうのだ。神様からの関心。現状、俺の知っている神さま関係だと多いけれど召喚に応じてくれるような存在は誰一人としていないのが現状だ。それならば、友好関係を築くのも重要なことだろう。

 アルヴィースという存在に心あたりがなくて、書物を調べることにした。


『アルヴィースはトールの娘スルードとの結婚を望んだが、トールはそれに反対した。

 トールはアルヴィースに質問をする。

 アルヴィースは賢いからその質問に毎回答えては正解をしていた。

 賢かったことが災いし、問に答えているうちに夜が明け、

 朝日を浴びたアルヴィスは、石と化してしまった。』


 見つけた文書にはそんなことが書かれている。アルヴィースは、ドワーフでありながら神との結婚を望んだから石化することになったのだ。そんな風に作者は締めくくっていた。

 この内容は本当であるのならば、アルヴィースは今石化している可能性が高い。そんな中で、石化から解放して手紙を渡すことになるのかもしれない。石化を解く方法を探すところから始めるべきなのか?でも、そんな方法この図書館にはないだろう。北欧神話のドワーフは闇の精霊を信仰している。つまり、光魔法をコントロールして石化を解くのが方法の1つなのかもしれない。けれど、そんな方法が存在するのかはなはだ疑問ではある。

 けれど、北欧神話のドワーフだけがモチーフにしていないとおもうのだ。だって、それだけならばドワーフの街が存在するのはおかしなことになる。つまり、童話のドワーフも混じっているのだろう。神様を怒らせたから石化したと考えられる。石化に対抗できるアイテムを入手できればいいのかもしれない。


「石化していること前提で考えているけれど、石化していない可能性もあるのか。それならば、移動しているだろう。賢者関係の噂もあつめるべきなのかな?」


 とりあえずは、調べてみる。石化の解除は魔法操作になるから、そんな繊細な魔法関係の本が存在しているのか不思議だ。

 ふと、本棚を確認してみれば光っている本と光を失っている本がある。それぞれの本を見比べて見てみると、あることが判明した。それは、光っている本からは知識を培えることだ。その結果、スキルの進行度などが進んでいるのも確認できた。進めたいのは光魔法関係なら光魔法に関係するものを読めば進むのだろう。スキルなどの獲得はできても実践を積んでないから、完璧に覚えることは出来ない。それでも、思わない副産物だ。

 このあと、冒険に出る出ないに関係なく知識があるないで話が変わってくるだろう。それこそ、1人で歩き回るのに必要なスキルは育ってくれた方がいいだろうしね。


「ここら辺の魔法関係の本は一通り読んでるのか。でも、こんなに本を読んだ記憶無いんだよな」


 なんて思っていれば、後ろから声が掛けられて。


「君の先生はとても良い人なんだね。本を読まなくても分かるくらい君に真摯に魔法を教えたってことだよ。普通なら、自分でも読まないと理解は出来ないんだよ」

「うわあ」

「ごめんね、びっくりさせたみたいだ。はじめまして、可愛らしい人。僕は花の魔術師さ。気軽にお花のお兄さんって呼んでくれてもいいんだよ?」

「えっと」


 急に声をかけられて驚いたからか、相手がNPCなのかプレイヤーなのかを見極めるために頭上に視線を当てた。そうすれば、NPCの証であるひし形マークが頭上に着いていた。つまるところ、NPCで急に声をかけてきたということだ。そう言う時は相場が決まってイベントが発生するのだと本能が告げている。

 終わったばかりの配信を付け直すかどうか悩むが、面白いイベントであるかも分からないから録画モードを起動してイベントを進めることにした。もし、面白そうなイベントなのであれば動画をアップロードしてでもいいから配信に載せればいいのかもしれない。


「えっと、花のお兄さんは、急になんのようですか?」

「いや、魔法について学んでいるのに基礎を飛ばして中級者のところから読んでるからなんでかなと思ってね」

「はじめに学ぶものなんじゃないんですか?」

「いいや、ここに来てから適性がある子達だけが学び出すんだよ。けれど基本を飛ばす子も多いから教えようかなと思ってたんだけど、問題なさそうだね。ところで、誰に教わったんだい?」

「えっと、ティターニアに教わりました」

「あの、偏屈な?」


 ティターニアの名前を聞けば麗しい顔が曇る。その理由はイマイチ分からないけれど、ティターニアが嫌いなのはもしかしたら魔術師故に犬猿されているのかもしれない。そんな想像をしているけれど、結局のところの原因は不明だ。本人の口からきけたらいいかもしれないけれど、はじめましての人にそんなぶしつけなことができるほどの勇気はもちあわせていない。だから、詳しくは聞かずにただ相手の話を聞いてみる。


「ティターニアが人間に魔法を教えた?まだ、馴染む前の世界の君に?一体なぜなんだ。ちょっと、ごめんね、よく君を観察してもいいかな。代わりに君が知りたいことを教えるから」

「べつにいいですけれど、面白いこととか何もないですよ」

「ありがとう。そうだな、魔法を使うところとか見たいんだけれどもどこかこれから行く予定とかはあったりするのかい」

「特にはないですけど、でも、人探しをしないといけないんです。だから、色々な街とかを訪ねていきたいなとは思ってます」

「なるほどね。なら、この世界に詳しい僕がいても問題ないわけだ」

「そうですね。あ、けど、僕、召喚者って職業なんでメインで戦うことは難しいですよ」

「大丈夫さ。俄然性で制限はあるけれど、これでも優秀な魔術師ではあるからね」

「それじゃあ、よろしくお願いします。えっと、パーティを組めばいいんですかね」

「そうだね。君から招待してくれるかい?僕からでもいいけれど、そうすると敵も強くなってしまうかもしれないからね」

「わかりました」


 花の魔術師さんをパーティに招待する。名前は非表示と設定されていて、名前はわからなかった。けれど、本人の言っていた通りメイン職業が魔術師になっていた。とりあえず、移動をするにあたって必要なものを集めながら俺の必要物品を探す。それでも、アイテム関係としてはポーションとかが必要になるだろう。MPの消費が多いだろうからMP回復ポーションを買う。エリクサーという万能薬が存在しているみたいだけれど、プレイヤーの人でもあんまり持っていなさそうな金額をしていた。

 探索に出るにあたって、戦乙女シリーズでもいいかもしれないけれど迷子な少女シリーズのほうが探索をするにあたっては恩恵が高そうだった。だから、初心者限定シリーズと迷子な少女シリーズで固めてそこに戦乙女シリーズを装備することにした。


「それじゃあ、いきますね。ここにも、戻ってくる予定ですけれど初めは隣の村を目指していけたらなって思ってます。その道中に月光の遺跡とういうところがあるそうですので、そこに寄っていけたらなって思ってます」

「そうかい。それじゃあ、その感じで行こうか」

「はい」


 こうして、見ず知らずのNPC『花のお兄さんとの冒険』クエストが進行した。

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