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雨を凌ぐのは借りた傘

作者: 小波

私のお家は海に浮いた船で、そこには小さな傘がついている。十分といえばそう、足りないと言えばそう、その傘の名前は「生活保護」‥知り合い全てに告白するには勇気がいる。しかし昨日またひとつ踏み出した。その人は『もったいないですよ』と元気よくはっきり言ってくれた。私も時間が進むうちに『この首輪についた鎖を切りたい』と言う。このお金に命を繋いでもらい、同時に自由を狭くしたのは私しかいない、はっきりしている。日本という世間に助けられて私たちシングル家庭は今を生きている。人は転んでもいい。転んで動けなくなってもいい。私もこれから鎖を切った暁にはどんなバージョンも存在していることを楽しく生きようと思う。今救われているのだから、次は救う側に必ず回る様に風が吹く。しっかりもらって体を温め、それでいい。今を納得できない自分で今を楽しむ。矛盾は今年中に手から離れていく気がしている。


私に巡ってきたバージョンの乗りにくい波を乗りにくいのは腹で滑っているからで板に立てないと思い込ませているからで、そんな自分に思い出をあげたい。過去に通過した精神科医だ。彼は私が努力で手に入れた臨時収入を『海外旅行にでも使ってみたら』と楽に提案してくれた。

子供を臆病にしない大らかな父という感じで私は初めてひとりで飛行機に乗る。飛行機は初めてで海外も初めてでほんとの一人旅だった。案外そうだ。好きと好奇心は体にいいよとサラッと乗れたりするものだった。

板に立たない私は臆病では無かった。今もそう。昨日の彼女が丸見えに私を見せてくれる。ブレーキを踏みすぎている。責任を感じ過ぎている。アクセルに慣れたらスピードだって好きなのに久しぶりの運転は気疲れしたから毎日はいいか‥と消極的な私を作るのも私で、強さと若さを繋いで真ん中を向いている私も作れる。作れる。

決め手は勇気だと聞いたが勇気を持たせてくれるのはぶれない好きではないかと思う。

心の大きい人になろうと思う。余裕のあるまま大幅の一歩で進めたい。背中を丸めずに小波さんという我が子を海へ押してやる素晴らしい波でありたい。


口に出す勇気が新しいアイデアを連れてくる。そのエネルギーをもらっていいと進んだ私へ波は大きく動いている。

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