表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

良井くんは良い子すぎる

作者: Aさん

初めまして初投稿です。深夜テンションで書きました拙い文章かもしれませんが読んで頂けると嬉しいです。評価お願いします!

この世に悪いことをしたことがない人間はいるのだろうか。いや、いるはずがない。私なんて今でもテストの点が悪かった時には嘘を着いたりするし、学校に遅刻しかけた時に青信号が点滅してるっていうのに渡ってる。そんな感じに悪いことを人間は必ずやっちゃってる……はず。私の彼氏。良井くんを除いては。



____良井くんは良い子すぎる____



8時25分。ギリギリに教室滑り込みセーフできた私は息を落ち着かせた後、教室内をぐるりと見渡した。窓際、1番後ろの席はクラス中を見渡せる良席で私の彼氏の良井くんの席もよく見える。良井くんは1番前の教卓近くの席なんだけど……今日あの良井くんは来ていなかった。私は驚きを隠せなくてペンケースの中身をぶちまけてしまう。隣の席の川居さんが「大丈夫?」と言って拾ってくれる。私も咄嗟に「だ、大丈夫!ありがとう!!」と一緒に拾うのだが心中は全然大丈夫ではない。良井くんはいつも7時50分には登校して、朝の掃除をする。おかげで私達の教室は毎日ピカピカに輝いているだけれど……今日はいつもより光沢がない。


(もしかして、今日休みなのかな……何かの病気?それとも登校中に何かの事件か事故に巻き込まれちゃったんじゃ…!!)


そんな良くないことを考えているせいでせっかく拾い集めた文房具達を再びぶちまけてしまう。川居さんも私の様子がおかしいと思ったのか「ほんとに大丈夫なの!?」と慌ててる。そんな時だった。


「すみません。遅れました」


後ろの扉が開き、そこには良井くんが立っていた。そんでもって手にはみかんの入ったダンボールまで持っている。え、この登校中に何があったらみかんの入ったダンボールなんて手に入るの?買ったの?


「おい、良井。お前みかん買ってたのか?」


ありがとう先生。私今それが1番聞きたかった。


「いえ、違います。来る途中で木から降りれなくなってる猫を見つけて助けた後、荷物をいっぱい持ったお婆さんに手を貸して家まで荷物を届けたんですけど、そしたらこれお礼にって。あ、クラス分あるので今配っちゃいますね。はい、先生」


と良井くんはダンボールみかんを優しく1人に1つずつ配っていく。ほんといい子すぎない?良井くん。今時、猫助けてお婆さん助けるの漫画でしか見たことないよ?それにお礼に貰ったみかんをみんなに配ってあげるなんて…あー、優しさを固めたら良井くんができるんだ。

ん?こんな良い子ほんとに私の彼氏か?って私が色んなことを考えている間にあっという間に私の席まで来てしまっていた。


「どうしたの、優ちゃん。こんなに文房具散らばしちゃって。あ、川居さん僕が拾うから座ってて後これみかんね」


良井くんは黒川さんにみかんを渡した後、マッハで文房具を拾ってくれた。それどころかペンとかに着いてしまったホコリなんかもティッシュで拭いてくれてる。ほんと優しすぎるよ。良井くん。


「はい、綺麗になったよ。それと優ちゃんみかんね」


机には2つのみかん。あれ?みんなに1個ずつ配ってなかったけ?


「良井くん。1個多い……「シィー。みんなには内緒。優ちゃんみかん好きだから俺の分もあげる。それに」」


" 俺、優ちゃん(彼女)は特別扱いしたいんだ ”


私は朝から3回もペンケースの中身をぶちまけて黒川さんに心配された。そして私はちゃんと良井くんの彼女である。



_*_*_*_*_*_


私の彼氏。良井くんは良い子でもあるけど加えてカッコイイ。3時間目。合同体育でドッジボールをしている。良井くんは運動神経も良くて攻撃では相手が痛くないようにボールをぶつけ、味方が当たりそうになったらすかさず間に入ってボールをキャッチ。攻撃と防御、どちらも完璧だ。勿論これが味方であればどれほど良かったことだろうけど。そう、残念ながら私と良井くんは違うチームなのだ。


「うわぁ、うちのチームやばいね」


話しかけてきたのは砂尾くん。クラスで良井くんと同じくらい運動神経が良くて全然当たる感じがしない。いや、話しながら避けてるんだけど。普通に凄くないか?私なんてボールから目を離した瞬間にバキュンだよ?


「まぁ、安心してよ本堂さん!もう俺ら2人になっちゃってるし最後まで本堂さんは俺が守るから!」


任せとけ!そう言ってグットサインを出してくれる砂尾くん。良かったー、良井くんじゃない人の玉って普通に痛いから当たりたくなかったんだよね。これで安心安s ズドォン!!私の安心はそのとてつもない音でかき消される。え、何が起こったの?気づけば砂尾くんの顔にボールがのめり込んで……こわ、誰がこんなことをしたの??


「優ちゃーん!もう1人だけだからシャッフルしようってみんなが言ってる!ホントは()()はセーフらしいんだけどチーム変えようってなったから集まってーー。あ、砂尾くんは僕が保健室に送って行くね」


良井くんはボールがのめり込んでる砂尾くんをお姫様抱っこすると小走りで保健室に向かう。


「ほんとに良井くん優しいなぁ」


みんなが少し苦笑いしてる理由がよく分からなかったけどその後のドッジボールは帰ってきた良井くんと同じチームになれて凄く嬉しかった。それに砂尾くんも大丈夫らしい誰に当てられたかは覚えてないけど痛みは全くないらしい。あんなにのめり込んでたのに凄いなぁ。


_*_*_*_*_*_


「お昼、良井くんと食べたりしないの?」


「ん?良井くんとお昼?時々は食べるよー!」


お昼休み。今日は中庭で川居さんとお昼ご飯。ポカポカ日光が当たって食欲も湧いてくる。


「良井くんとお昼ご飯食べるのは好きだけどさ、川居さんと食べるお昼ご飯も好きだから!」


そう言っただけなのに川居さんはなんか天仰いじゃってる。え、何かあったのかな。目にゴミ入っちゃったとか?それとも鼻血が出そうなのか。


「えーっと、大丈夫?川居さん?」


「うんッ!大丈夫!!私も本堂さんと食べるお弁当大好きだよ」


ニコッ。川居さんの笑顔はほんとに可愛い。心臓にギュッと来る。あー私が男子だったら絶対に川居さんに恋しちゃってるわー。


「あ、川居と本堂じゃないか」


近づいてきたのは馬締先生。私達の担任で本当に真面目な先生である。


「お弁当か?ここいい場所だもんなぁ……もし良かったら俺もここで食べても良いかな?」


「勿論ですよ!いい?川居さん」


「うん!先生ぜひ一緒に食べましょう!」


やったー、子供っぽい感じで喜びながら先生は持っていたお弁当を開ける。へー、先生ってお弁当なんだぁ。


「先生ってお弁当なんですね」


「うん、そうだよ。手作りなんだ」


あ、川居さんと同じこと思ってた。へー、先生ってお弁当手作りなんだ少し意外かも。……どんなお弁当なんだろ。そう思ってお弁当を覗き込んでみる。

パンダの顔がついたおにぎり。カニとタコのウィンナー、ハートの卵焼き、お花みたいに咲き誇る野菜達。これって言わゆるキャラ弁か!


「可愛いですね!」


「うん、作ったらハマっちゃってね味も結構いけるんだよ」


「1口良いですか!」 「私も食べたいです!!」


中庭には教師と生徒のキャッキャウフフとした声が響いた。




「あーー、僕にお弁当を作れる才能があれば優ちゃんに作ってあげれるのに……」


「そうだなぁ、良井の弁当前に味見したけどめっちゃ不味かったもんな」


「……砂尾……後の問題は自分で考えてね」


「なんでだよッ!」



_*_*_*_*_*_


「お待たせ優ちゃん。帰ろっか!」


「うん!」


帰り道。それは私と良井くんの特別な時間である。朝は遅刻魔の私と早朝登校が日課の良井くんでは時間が合わないし、お昼は結構な確率でお互いの友達と食べることの方が多い。2人っきりなるのは帰り道ばかりだ。


「優ちゃん、6時間目の物理寝てたでしょ」


「ウッ、そうなんだよね……。昨日予習してたから寝るの遅くなっちゃって」


「早く寝なよ」


そう言って良井くんは私のカバンを持ってくれる。めっちゃ良い子!でも今日、数学、化学、体育、古文、英語、物理だから荷物重たいよ!?しかも自分の分入れたら2倍だよ!!?


「ほんとに良井くんはいい子なんだから!でもカバン持ってもらうのは悪いよ!だから私も良井くんのカバン持つね!!」


そう言って良井くんのカバンを掴む。私があえて自分のカバンじゃなくて良井くんのをもつのは、良井くんのカバンは私と違って参考書が入ってるから少しだけ重い。だからこそ少しでも楽に帰って欲しいから荷物を交換して帰るんだ。少しでもあなたに恩返しが出来るように……。これは秘密なんだけどね。



(優ちゃんほんとに優しすぎるよ!?俺の為に荷物重たい方持ってくれてるとかほんとバレバレだからー!)


良井くんが知ってることもどうやら秘密のようです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ