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「クリス、あの氷の王子と一緒に魔法の練習してたの?」


 ベルの言葉に首を傾げる。

 氷の王子って誰? そんな人知らないけど。


「誰? その人」

「知らないの? カイル・オルコット様のことよ」


 まさかのカイルの事でした。

 いやでも、氷の王子って。あ、氷の魔法を使ってたからかな?

 ベルにそう聞くと呆れたようにため息をつかれた。

 なんで?


「カイル・オルコット様。オルコット侯爵家次男。成績優秀、眉目秀麗。しかも、魔法の腕前も16歳にして一流。属性は水。得意な魔法は氷を使った攻撃魔法。他にも……」

「ちょっと待って」


 相変わらずの情報量。

 まだまだ、言い足りなそうだったけど止めた。一度話しだすと止まらなくなるからね、ベルは。


「氷の魔法を使うから氷の王子って言うのよね?」

「違うわよ」


 また、ベルにため息をつかれた。


「氷の魔法を使うからっていうのもあるんだけど……。その名前にはオルコット様の性格も含まれてるの。まるで氷のようで誰も寄せ付けない」


 聞いたことあるでしょう? とベルは続けた。


「近づいた令嬢を氷漬けにしたって。あの噂本当みたいよ。氷漬けっていうのは言い過ぎかもしれないけどね」


 でも、あのカイルと噂のカイルは真逆。

 噂は聞いたことあるし、この前も氷の矢で的を貫通させてたけど。

 噂のカイルと全く結びつかないんだよね。


「カイルはそんな人じゃないと思うの。この前だって、魔法について教えてくれたもの」


 カイルは優しい。だから、絶対に違う。

 じゃなかったら、私を助けてはくれないだろうし魔法も教えてくれない。

 氷みたいって言ってたけどそんな感じ全然しなかった。


「噂なんて当てにならない。私は私の見たままを信じる」

「クリスがそう言うなら……」


 ベルは困ったように頷くと私に念を押すように言った。


「もし、本当に困ったことがあったらすぐに言って。必ず、力になるから」

「うん、分かった。ベルは心配症ね」


 ふふ、と笑うと珍しくベルは赤い顔をしてそっぽを向いていた。


 それにしても、カイルってこんなに信用ないんだね。意外。


 侯爵令息様だし、人気も結構あると思ってたんだけど。


「だから、性格の問題」


 考えているとベルに答えた。


「なんで、考えてること分かったの?!」

「クリスは顔に出やすいのよねぇー」


 コロコロと笑うベルにやっぱり私はかなわないと苦笑いした。


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