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 床に倒れ込んだまま動かないカイル。


「大丈夫?」


 返事が無いのに慌ててしゃがみ込んでカイルの顔を覗き込むと笑っていた。

 頭打った……?


「カイル、本当に大丈夫?」

「大丈夫、ただの魔力切れだから」

「そうじゃなくて、頭打ってない?」


 そう聞くとカイルはジト目で私を見つめた。

 だって、笑ってるのが怖かったんだもん……。


「ごめん。相変わらずクリスタは面白いと思って」

「よく分からないんだけど」


 私が面白い? カイル、淑女に向かってそれは酷いよ。それに、今日初めて話したのに。そんなに面白いこともしてないよ。


「だってさ、氷の床で何かするのかと思ったら、作っただけだし。やっぱり、クリスタは面白い」


 わざわざ、二回も面白いなんて言わなくても……。

 カイルに聞かれたから答えただけだし、私は大まじめに考えたのに。


「でも、氷の床なんて考えたクリスタはすごいよ」

「そうなの?」


 カイルは頷きながら立ちあがった。

 氷の床ってゲームとかで結構見ると思うんだけど。この世界にはないの?


「氷の魔法はほとんど知ってるけど聞いたことないから」

「呪文が無くても考えた人はいると思うよ。私より呪文を作ったカイルのほうが凄い」

「そうかな。ありがとう」


 微笑むカイルに自然と私も笑顔になる。

 笑い方キレイだな……。

 カイルがこんなに笑う人だなんて知らなかった。去年は違うクラスだったけどいつも無表情だったから。


 私は笑ってるカイルが好き。そっちのほうがずっとすてきだ。


 話した時間はほんの少しだけどね。


 そう考えながら顔をあげるとカイルが顔を真っ赤にして手でパタパタと仰いでいた。


「……? どうしたの?」


 カイルはため息をつきながら何でもないと答えた。


「今日はこれで終わり。続きはまた今度だな」

「え? また教えてくれるの?」

「あたりまえだ。今日だって何も教えられてないし」


 今日だけの事と思ってたから驚いた。

 また魔法を教えてくれるなら本当に嬉しい。


 聖属性の魔法は使えないし、水属性の魔法はどんなものがあるのか分からないからこれからしっかり勉強していかないとね。


「次は別の魔法を教えるよ」

「うん、ありがとう」


 なんて、言い合ってたから気づかなかった。

 私たちの真後ろに先生がたっていたことに。


 あの後、修練室の床を氷漬けにしてことで小一時間ほど怒られました。氷は火属性持ちの先生が溶かしてくれるそうです。


 なんていうか先生たちの中で私は問題児みたいだけど全部不可抗力な気がする。少なくとも、あの属性検査は不可抗力だ。その後のことは置いといて。


 魔法、早く使いこなせるように頑張らなくちゃね!

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