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「魔法って何だと思う?」


 修練室にところでいきなりカイルがそう聞いた。

 そういえば、考えたことなかった。この世界に生まれてから当たり前のように存在していて、それが普通だから。


「カイルは?」

「僕は人々の願いの事だと思う」

「人々の願い……?」

「そう。魔法って『こうありたい』『そうなってほしい』ということを世界に対して願うことだと思うんだ。呪文も世界に呼びかけるために使うだろう。それに無詠唱のときも想像する。だから、魔法は人々の願いの事だと考えているんだ」


 僕の勝手な考えなんだけどというカイルに首を振る。


「とても素敵だよ。人々の願い、そんな風に考えたことなかった」

「そういうものだよ。魔法があるのが普通だからね」

「そうなんだけど……。他の人にも教えようか?」

「いや、それはやめてくれ。結構恥ずかしいから」


 提案したら本気で嫌がられてしまった。ベルとかにも教えようと思ったのに……。絶対共感してくれると思うんだけどな。


 人々の願いが魔法。


 うん、すっごく良い。私は好きだなカイルの考え方。


 そういうとカイルは恥ずかしそうにでも嬉しそうに笑った。


「クリスタ、そろそろ魔法について教えるよ」

「うん」


 そして始まったカイルによる魔法の授業。


「水属性の代表的な魔法は何か知ってる?」

「水を作ることよね」


 カイルは正解と言い頷く。


「それじゃあ、応用すると何ができると思う?」


 応用? 水に関係すること。だったら、雨を降らせたり川を作ったり、かな。

 悩んでいると的の前に立ったカイルが振り返った。


「応用っていうのは、こういうこと」


 そういうと右手を掲げ、的に向けると呪文を唱えた。

 すると、カイルの手のひらに水が集まり瞬く間に氷が作られる。そして、氷の矢となって的に突き刺さった。


 うん、凄いとしか私には言えない……。

 というかあの氷の矢、的を貫通してない? 

 それに、氷を作る魔法って難しいと聞いたことがあるような。カイルってやっぱりすごいんだね……。


 氷の矢か。そっか、氷ももともとは水。だから、魔法で作れるんだ。

 氷で作れるもの……。あ、そうだ!


「氷の床とか作るのはどうかな。面白そうだとは思うけど」

「氷の床ね、多分作れるよ。ただ、魔力がもつかどうか」


 そう言ってカイルは呪文を唱えた。私の知らない呪文。

 やっぱりすごいんだね……。


 なんて考えてる内に修練室の床は氷で埋まっていた。


「カイル、凄いね」

「凄いってクリスタがやれって言ったんだろう」


 はい、そうです。ごめんなさい。


「それでこんなの作って何をしたかったの?」

「いや? 別にできるかなって思っただけで……」


 私がそういうとカイルは床に倒れこんだ。


 あー、また私何かしたかな?


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