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後半加筆しました。

 ユキを抱いたままベッドに横になった。

 ギュッとユキを抱きしめれば、ペロリと頬を舐められた。


「起こしちゃった……?」

『ううん。起きてた』


 ということは、寝たフリをしてたってこと? 


『んー、クリスタが疲れてると思った……から?』

「ふふ、ありがとう」


 寝たフリ、なんてユキは策士だね。

 もう一度ギューと抱きしめればまたペロリと頬を舐めた。

 疲れてるっていえば疲れてるけど。

 湖に行ってはじめて浄化を使って、その後村に行ってたくさん遊んでお話して。

 そう考えれば、今日って結構大変な一日だった。


「そろそろ寝ようか」

『うん! おやすみ』


 明日はもっと大変な日になるかもしれない。

 クァーとあくびをして、ユキは丸くなって眠った。ベッドに寝そべってるユキをおろしてゆっくり背中を撫でる。それだけで私の心は満足。フワフワして気持ちいい。


「おやすみ、ユキ」


 寝息をたて始めたユキを見て少し微笑んだ。


 ユキの横に寝転べば色の変わった髪が広がった。銀色の髪。女神様から聖女の力を貰った証。

 聖女といわれて戸惑いはなかったといえば嘘になる。というか、戸惑いしかなかった。私はただの伯爵令嬢で魔獣と戦えとか、浄化をしろ、だとか。そんなのできるわけがない。そりゃあ、鍛錬も何もしてないし。魔法なんて学園に入学して初めて使ったし。今でさえ、夢じゃないかなんて疑ってる。

 でも、異世界に転生したってだけでもすごいんだから。

 これも女神様が定めた運命。新しい生を与えてくださった女神様への恩返しとして頑張るしないよね?


 ※※※


 夢を見た。


 お父さんとお母さんと男の子と女の子。幸せそうな四人家族。


 畑を耕して動物を狩る。そんな普通の暮らし。

 でも、そんな普通の幸せは崩れ去って。


 お母さんと女の子は知らない人にどこかに連れていかれた。

 お父さんは酒に溺れて行方をくらませた。

 男の子は最後まで家に残った。だけど、家族は帰ってこない。


 暗くて冷たい家。

 男の子は絶望して、そして……。


 ※※※


 目が覚めると朝だった。


 ホロりと涙がこぼれ落ちた。

 今の夢は……。

 この夢の答えは今日、出る気がする。


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