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カイルに連れられて鏡を見に行けば、背中あたりから毛先までグラデーションのように色が変わっていた。頭の部分は元の色と同じ水色。毛先はきれいな銀色へと色が変わっている。
「なにこれぇ……」
呆然とした声がもれた。
もしかしなくても、これはさっきの夢が関係しますか?
というか、それ以外考えられないよねぇ。
こんなの聞いてない! せめて一言欲しかったよ……。
そこで、リビングに誰もいないことに気づいた。
「ほかの皆は?」
とても大きい魔力って多分、絶対女神様の魔力だけどそんなに大きかったらエドガー様やソニア様もすっ飛んできそうなのにいないし。なんか静かだし。
「ああ。村を見てくるってさっき出て行った」
「カイルは?」
「俺は手記が読み終わってないし、体調の悪いクリスタを残していけないだろ」
「あ、ありがとう」
どうしよう。カイルが優しい。
最近、ちょっと冷たかったのに。魔法の練習でもめちゃくちゃ厳しかったのに。
どうしようかなぁ。
今からリア様たちのとこに行くかな。でも、病み上がりだってすぐに帰らせれそう。それに、どこにいるか分かんないから迷いそうだし。
なんて考えてるうちにいつのまにかカイルの前の椅子に座ってた。
「それで、その髪はどうしたのか教えてもらえるよね?」
うわぁ。やっぱ聞かれたか。
で、どうやって話そうか。
「えっと。信じてもらえないかもしれないけど夢のなかで女神様と会ったの」
そう言って全部話した。
私の魔法についてとか。新しくもらった魔力のせいで髪の色が変わってしまったのかもしれないこととか。
話し終えてカイルを見ると難しい顔をして黙り込んでしまった。
やっぱりすぐには信じられないか……。
私も神様に会ったなんて言われたら信じられないし。
「よし、分かった。クリスタ行くぞ」
「へっ」
急に立ち会がったカイルに腕をつかまれて慌てて立ちあがる。
向かった先は家の外。
周りに何もないところで立ち止まった。
「カ、カイルどうしたの?」
「クリスタ、俺に向かって魔法を撃て」
「ちょっと待って。本当にどうしたの? 急に魔法を撃てって」
「いいから。そうだな……。クリスタが水鉄砲とか言ってたやつでいい」
ちょっ。
あれは私の魔力量だと水鉄砲ぐらいの威力しか出ないから。というか、この世界に水鉄砲がないのを忘れてて。
「あーもういい! じゃあいくよ!」
カイルの前に立ち手をかざす。
空気中の水が集まって大きな水の塊をイメージ。
そして……。
「いけ!」
水は勢いよくカイルに向かって突っ込んでいった。




