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後半はカイル視点です!!
「ここです」
案内されたのは大きな湖だった。
元々は綺麗な青色だっただろうその湖の水は今は真っ黒。
「二週間ほど前からこの状態です。突然この状態にかなっているのを発見しました」
そう言ってフイリップは黙ってしまった。
湖のまわりには柵が設置してあり誤って落ちないようになっている。私はそのギリギリまで近づき湖の中を覗いた。
「っ!」
黒かった。
ただただ黒い。何もかもを飲みこんでしまうようなそんな色。
そして、重たかった。感情が、想いが。
気持ち悪い。体中が冷たい。
リア様やソニア様たちは何も感じてないように見える。これは、私が聖属性を持ってるから感じてるのかな。ここに、長くいたら何が起こるかわからない。早く、戻ったほうがいい。
「クリス?」
「大丈夫です。フイリップさん、ここには誰も来てませんよね?」
フイリップさんは頷く。だったら、まだ大丈夫。
「とりあえず、戻りましょう」
****
「クリス、本当に大丈夫?」
「すみません」
全然大丈夫じゃなさそうです……!
あの時の気持ちの悪さが消えない。倒れないだけまだましかも。
「少し休みますね」
そう言って、私は案内された客間のベッドに寝転がった。
あぁ、駄目だな、私。
カイルは今、手記を読んでくれていてリア様たちはあの穢れをどうにかするためにいっぱい考えている。何も、してないのは私だけ。
「私にできること……」
それは穢れを浄化すること。でも、どうすればいい?
初めて、みた穢れを前に私は何もできなっかた。
「完全に足手まといだ」
そう呟いて頭まで毛布をかぶって、目を閉じた。
****
「クリスタは大丈夫か?」
「多分ね。今は部屋で寝ているわ」
俺が手記を読んでいる間彼女たちは穢れがあるという湖に行っていた。帰ってきたクリスタは体調が悪いといって部屋で眠っている。
「どうだった?」
そう聞く俺にアステリアは嫌そうな顔で答えた。
「真黒だったわ。比喩でもなんでもなくただ黒かった。あれが穢れというのね」
「手記に書いてあった通りなんだな。魔物はいたのか?」
「いいえ、警戒はしていたけど一匹もいなっかたわ」
アステリアは首を振って言った。
魔物が出なかったのならそれに越したことはない。だけど、魔物が出ないのはおかしい。
穢れが発生した場所の近くには必ず魔物があらわれるはずだ。
「あなたの進捗はどう?」
「やっと半分読み終わったとこだ。これを書いたのは相当な聖女信者だったらしいな」
後半の言葉にアステリアは怪訝そうな表情をするも何も聞かなかった。




