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無事に？ 謁見は終わりました。
あれから、いろいろ説明されたけど頭がいっぱいいっぱいでほとんど覚えていません。
魔王？ 魔王って何？ 状態から抜け出せません。
あと、二冊の本は持ち帰って良いと言われた。なんでも、レイラ様の日記の方は聖女じゃないと開くこともできないらしい。もう一つは、写しがあるから大丈夫と言われた。
表紙を捲ってみれば、細かい字でたくさんのことが書いてある。目が疲れそう。
椅子に座りなおし私は『聖女について』と書かれた本を読み始めた。
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聖女とは神に選ばれた少女。魔を祓う力を持ち、平和をもたらす存在。また、神の代行者として使命を果たすこともある。
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聖女が祓うべき魔とは魔王。
魔王は世界の災厄。人々の邪悪な心が集まった存在。核となる人間は世界に絶望した者。核となりやすい人間は子供。核となった人間は元に戻ることは不可能。
魔王を倒すための方法は聖女による浄化。あるいは封印。
浄化は魔王を倒すことができるが、封印の場合、完全に魔王を倒すことはできない。封印が解けるのは千年後。その期間で魔王は失った力を蓄え、再び世界の災厄となるだろう。
魔王が目覚めるとき神は魔を祓う力を選ばれし少女に授けるだろう。
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聖女については学園の授業で聞いた。
魔を祓う力っていうのは聖属性の事なんだよね。神様の代行者なんて言われても何をすればいいのか分からないけど。
魔王、か。
正直いって、どういう反応すれば良いのか分からない。テンプレきたぁ！ 的な感じに喜べばいいのか。それとも、魔王の復活に絶望すれば良いのか。
魔王が復活することはこの国の人たちはまだ知らない。知っているのは、陛下と教皇様。存在感が薄くて忘れてたけど宰相様もか。そして、私。近隣国への発表はもうすぐって言ってた。国民への発表は対策ができてから。
対策は私の属性の事かな。
封印は初めて聞いた。授業でも教えてもらわなかったし。
もし、私が魔王を倒さないといけなくなったらどうすればいいのだろう。回復も浄化も封印も何にも知らない。
パタンと本をとじ机に置く。とりあえず、今は思考をリセット。どうすればいいかは後々考えればいい。
レイラ様の日記に目を向ける。
千年前の聖女。教会に行ったさいにレイラ様の像が立っていたのを見たことがある。優しげな顔をした人だった。
深呼吸をして、私は日記を読み始めた。
