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 この国には三つの騎士団がある。


 まず第一騎士団。

 これは近衛と同じで王城の警護や王族の警護をするのが仕事。


 次に第二騎士団。

 これは、王都の警護が専門。


 そして、第三騎士団。

 これは、辺境などの王都以外の場所の警護が仕事。この騎士団は普段王都にいないからわたしはまだ見たことない。


 それで、今私の前にいるダリル・マクレウス様。

 彼は第二騎士団の副団長。21歳、最年少で副団長の地位についた秀才。


 それが私の知っていること。ベルに聞いたらもっと分かるんだろうけどここにいないから仕方ない。

 そういえば、緑色の髪と瞳だって聞いたことがある。今までまったく気づかなかった……。


「なぜ、マクレウス様が召喚状を届けに……?」

「護衛をするためです。聖女と呼ばれている方ですから、我々が出向くのは当たり前のことです」

「……そうですか」


 学園から王城まで馬車で二十分もかからない。

 その間、馬車の中は沈黙でマクレウス様はニコニコと笑っているだけで何も話さない。

 ……すごく気まずい。


「マクレウス様は第二騎士団副団長なのですよね?」

「はい、そうですね。何か聞きたいことが?」

「いえ、その歳で副団長の地位につくのはすごい、と思いまして」


 私がそう言うとマクレウス様はどこか悲しそうな笑みを浮かべた。


「そんなことありません。……私はただの落ちこぼれですから」


 今なんて言った?

 最後の方は聞き取りづらくなんて言っているのか分からない。でも、確かに"落ちこぼれ"って聞こえた。


「今、なんと……」

「メイラー様。城に着きました」


 聞き返そうとしたところでちょうど城についた。なんかはぐらかされた気がするのは気のせいかな。

 マクレウス様を見るとさっきの悲しそうな笑みは消えていた。あれは見間違いだったのかと思うほど一瞬だった。

 何となく腑に落ちない。


 けど、今は考えるのはそこじゃない。


 よしっ! と気合いをいれて馬車から降りる。

  一番大事なのはこの後。

  自分の属性についてやっと知ることができる。私を呼んだということは今まで勉強したこと以外にもっと重要なことが分かったからだと思う。


  控室みたいな部屋に通され、椅子に座った。

  はぁーっ、と深呼吸をして気持ちを整える。今更だけど、とても緊張する。


 ――コンコン。


 ノックの音が聞こえ、準備が整ったことを告げる。


 私はもう一度気合いを入れ直し立ち上がった。

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