軍隊長と琴美
最近都合が合わないことがだんだん増えてきました。
そこで今更ですが(これまでもたくさん待たせてしまったこともありますが)不定期の投稿にしようと思います。
本当にごめんなさい。
「さあ、早く次の攻撃を!!」
私は吹っ飛んで行った軍隊長に向かって言う。
軍隊長は顔を上げると驚愕に染まった顔で私の方に顔を向ける。
「何をした?!」
声を張り上げる軍隊長。
よほど自身があったのだろう。自分の技が敗れたことをまだ飲み込みきれていないようだった。
まあ、あんな技を使っていればそう思ってしまうのも油断だとか思い上がりだとかで貶すこともできないと思うが。
この技は多分治くんと楓さんと私ぐらいにしか破ることはできないと思う。攻撃を避けて倒すことならできなくもないが、この技自体を破るにはよほど頑丈な体を持っていないと無理だろう。
なんせこの技は『空走』の応用だから。
この人は攻撃をする際に自身の拳に『闘気術』と『空走』を重ねて使っていた。
それが攻撃力として使えるのはこの人が『空走』を達人級で上手だったからだろう。
この人は自分の拳にグローブのように足場を作り、それで殴っていた。殴る瞬間に足場広げ、押し付けるようにすることで攻撃力を数十倍上げていた。
でも、この技を使うには動きに制限が生まれてしまう。この『空走』は足場を空中に作るもので、足場を動かす場合は動きが直線的になってしまうという欠点がある。
それのせいで軍隊長の動きは攻撃前に直線になるという特徴的な動きが生まれてしまった。
さらに、私には神気を感じることができるという特徴があった。まあそれが決定打だったわけだが。
スキルを二つ同時に使用できたのは軍隊長が『才能』を持っていたのか、闘気を操る『闘気術』と神気を操る『空走』との相性が良かったのかはわからないが、どちらにしろだいぶ頑張ってきたんだろう。
どちらにしろ、これは私が普通に倒せる技だということはわかった。
私は自分で言うのもアレだが、3人(治たち)の中で一番神気を操るのがうまい。
なので私は神気を精密に操ることで波長を変えると言うことができるようになった。
その力を利用することで可能になるのが”スキル・魔術の無効化”である。
少し前に使った技。相手の使うスキルや魔術の神気、魔力の波長を読み取り、それの真逆の神気を作り出してぶつける。これにより神気同士が打ち消し合い、スキルや魔術を無効化できる。
私は先ほど、腕を神気で強化しつつこの技を使い、軍隊長に力でうわまったのである。
閑話休題
私はこちらを睨みつける軍隊長の目を見る。
確かにこの技は強力で、神気を扱える人(もしくは動物)じゃなければ真っ向から破るなんて芸当は不可能だ。
でも、今回の相手である私にはそれができた。この技が使えなくなっては軍隊長が圧倒的不利な状況で戦うことを強いられることになる。
「どうしたんですか?早く次の攻撃を。」
私は言外に”もうその技は通じない”と言うニュアンスを含ませつつ冷静に告げる。
これは軍隊長の怒りに油を注ぐことで早いうちに相手の技を全てあぶり出そうと言うつもりでやったことで、別に攻撃を受けてみたいとかそう言う意味ではない。
それはさておき、私は軍隊長の顔をみる。
目の動きを見る限りは先ほどの技をまた使おうとしているように見えるので、多分先ほどの挑発は無駄に終わった(この場合は軍隊長にこれ以上の攻撃手段がないと言う意味)ということだろう。
私はふっと短く一息つき、これ以上危険は少ないことを再度チェックすると神琴をもう一度構えて走り出す。
投擲された六つの短刀は神気による精密な操作を受けながら軍隊長めがけて飛んでいく。
まるで吸い込まれるような軌道を描いた六つだったが、軍隊長は冷静に状況を判断する力は残っていたのか後ろに大きくとぶとそのまま『空走』で盾を作るのを感じた。
やはり短刀は空中で何かにぶつかるような不自然な動きを見せて地面に落ちる。
それを横目で確認しながら私は新たに三つのいや、三つに見える短刀を投げる。
今回は対応する準備をしていたのか軍隊長がどこかで拾ったであろう剣を使って短刀を三つ落とす。
「なっ!!」
だが、それはその後ろを隠れながらついていくように飛んでいたもう三つの短刀が現れる。
もう少しあわてるかと思ったのだが、やはり場数を踏んでいるのかとっさに『空走』を使った盾でそれを落とそうとする。
まあそれを琴美が対策していないわけがない。
神琴は『空走』のバリアを普通に破壊し、軍隊長の背後に回り込むと峰打ちで気絶させる。
このバリアを破壊するというのは簡単そうに聞こえるが、神琴に付与する神気の波長を調節し、さらに空中を飛ぶ間に調整したものが変化しないように軌道の修正をしながら神気の波長の修正もするというとんでもなく高難易度の技だが、それを難なくこなしてしまうのはやはり才能と努力のなせる技か。
何がともあれ、これで軍隊長との決着はついた。琴美は少し疲労した体を休めるために腰を下ろすーーー
ドォオオオオオン!!
ーー前に突如上がった火柱に目を向けた。
ブックマークとかよかったらお願いします。




