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歓迎のパーティーにて

頑張って追い返すつもりです

急遽転移された俺たちは、この後盛大なおもてなしを受けた。

まず、召喚した張本人であるというガーデ卿が挨拶しに来て下さった。


「勇者様がた、我々の呼びかけに応じてくださりありがとうございます。」


「頭をあげて下さい、こんな場で年下に頭を下げることはないでしょうし、

困っている人がいたら助けるのは当たり前です。」


さすが孝介、イケメンの神対応。

今回召喚されたのは第三高校が2年A組全員で32名、第二高校が実行委員である2年生が2人、監督役を名乗り出てついてきた3年生が1人、なんでも2年実行委員神降聖人(かみくだしまさと)なるキラキラなネームを持った人物の付き人を自称する2年が1人、同じく1年が2人、そして俺と周防が第一高校から2人、合計40人だった。


かみくだしまさと?なんか勇者っぽいキラキラネームですね。しかも付き人って。

俺は興味本位で目を向ける。

3人の女に囲まれて1人堂々としている男。

なにこいつ、イケメンじゃん。孝介レベルで。

付き人っていうのは要するに彼女かそれに近い女たちということね。リアルハーレムですか。すごいですね。


「なぁ楓、神降聖人ってしってるか?」


聞いてみる。


「う〜んと、確か同い年で神降カンパニーの跡取りだった気がする。頭と運動神経も良くてファンクラブがあるんじゃなかったっけ?まぁ見せつけのためか女の子を侍らせてるらしいけど。」


なるほど。孝介の性格を失った代わりに強大な財力を持ったもの、孝介の対になる存在。もう1人のイケメン。

勇者候補がもう1人出てきたぞ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなで今は夜。豪勢にパーティーなんてしてる。

お、孝介がこっちにくるぞ。


「治、ごめんな。」


「なんでだ?」


開口一番に謝罪か、なんでだ?とりあえず肉を勧めてみる。うまいよ?


「いや、勝手に魔人たちの討伐を引き受けてしまって。お前や楓は俺らなんかより沢山の人達が帰りを待ってるであろうに。」


「そのことか。」


白鳥園、同じ境遇の子供達が待っている。


「それなら問題ないはずだ。山内さんがなんとかしてくれるだろう。

それより今はこの世界の心配だ、まずは目の前のものを救おう。ラノベ通りならきっと俺らにはチートレベルの力がついてる。楓もわかってくれるはずだ。」


「で、でも」


「俺にもカッコつけたいときはあんの!分かったらいまこの場を睨んでる美嘉たちのところに行け、

明日からは鍛錬だと思うから。お前にはきたいしてんだ、絶対かえらせろよ?」


最後少し笑ってみる。あたかも励ますように。

実を言うと今まさに例の神降に口説かれてる楓を見つけたから早くこの会話を終わらせたいだけだったりするが、そこは幼い頃から父のもとで鍛えた作文スキルで誤魔化す。


「わかった、俺はお前の願いを聞き入れる。なんかその、ごめんな?」


「だから謝んなって」


俺はひらひら手を振り、そのまま楓のところへ行く。

ん?まだ振り切れてないのか、あんま強く無い俺がどうやって奴から楓を取り戻すか。

まぁいいや、当たって砕けろだな。


「お〜い楓〜!この肉うまいぞ〜!」


「治くん!」


「早く来いよー」


すると楓は律儀に例の奴に一礼してこっちに走ってきた。

聖人なのに口説くんですか。お、こっち見てる(睨んでる)


「大丈夫だったか?」


「うん、ありがとう、見てたんだね。」


「そりゃぁ我が愛しの彼女さんですから。」


少し惚気る。うん、やっぱいい。


「治くん、あっちでダンスやってるみたいだよ。見に行かない?」


「俺は踊らないぞ?」


「はいはい」


俺は体を動かすのが嫌いだ、なぜって?面倒だから。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ダンスホールは歓声であふれていた。


ーー あの美しいお嬢様はだれだ? ーー


ーー 勇者様だよ、なんて美しい踊りなんだ。 ーー


ーー おし、明日にでも息子を連れていこう ーー


ーー おい、抜け駆けはなしだぞ ーー


どうやら俺たちの中の1人が踊ってるらしい。


「治くん、あの人。」


楓が指をさす

周防だった、すごく早いスピードで踊っているにもかかわらず、一つ一つの動作を美しく魅せている。真っ赤なドレスの効果もあって、すごく熱を感じさせる。

楓の目がジト目になりつつあるのでこの場から離れつつ機嫌を直すことにした。


「そういえば、なんで青のドレスなんだ?お前のイメージカラーは白だと思ってたんだが?」


治のちゃんと見てるよアピール!


「白がよかった?」


ここですかさずご機嫌取り!


「いや、何着ても似合う彼女さんですよ、あなたは。」


「ありがとう」


楓の機嫌が直った!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の経験値稼ぎの後には何もなかった。

パーティーは夜の11時までにおよんだが、明日から鍛錬ということで姫さんが寝床に案内してくれた。

俺は疲れていたのか、ベットに身を投げた途端に意識を手放した。

ベットなんていつぶりだろう。

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