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ルピナスの追憶

最初はルピナス視点です。

昨日は更新できずに申し訳ありません。

「どうしよう。」


あらゆる伝説級ほどの能力をもつ魔道具が無造作に積まれている倉庫のような部屋に一人の呟く声がする。


(どういう風に伝えればいいのかな……私が自動人形だって知ったらどんな反応をするのかな……)


迷う。嫌われたくない。私が自動人形だと知ったら仲間にしてもらえないかもしれない。


でも、


心のどこかでそれを望んでいる自分がいる。私は治たちに迷惑をかけてしまうんじゃないか。

ルピナスの心には自分を否定する言葉が渦巻いていた。今でも鮮明に思い出されるあの日の記憶。


「私がいなかったら、楓はお母さんと直接お話しできたのかな……」


ルピナスの記憶には治たちに見せなかった(・・・・・・・・・・)部分がある。




96年前、私は王都に行った。目的は”勇者駿太”私のお父さんに当たる人に会いにいくこと。

お母さんも2年ぶりに会えることを楽しみにしていた。私は初めてだったから、純粋に楽しみな気持ちとどんな人なのかという好奇心、それと自動人形である自分を嫌ったりしないかというちょっぴりの不安が混じっていた。

王都は”賑やか”を百パーセント搾り取ってできました!みたいな感じで、必死に客を捕まえようとする商人やまさにあっと驚くことをやってのける大道芸人。その全てが一瞬にして王都を”私の中のお気に入りの場所”にした。


でも、それは一時的なものだった。


結果として、お母さんと私はお父さんに会うことができなかった。

待ち合わせ場所の王城内部とつながる秘密の抜け穴の出口付近で私たちはある人を目撃してしまった。

その人は王家と深いつながりにあるデロック公爵という人。その人は待ち合わせ場所で人殺しを命じていた。

そこにあったのはその時着実に勢力を伸ばしていた下級貴族だった(・・・)ものたち(・・)

デロックは私たちに気づくと一瞬顔をしかめたが、すぐに吐き気がするような笑みを浮かべ私とお母さんを舐め回すように見始めた。その目はその時5歳ほどの姿だった私に向けていいそれではなく、お母さんは怯える私を守るように私とデロックの間に入った。でも、逆にそれが命取りとなった。私の後ろに潜伏していたデロックの部下がお母さんが離れた瞬間を狙って私を捕まえた。

私は暴れた。怖かった、恐ろしかった、そんな言葉では表せないほどのものを感じた私はついに人前では使ってはならないと言われていた武器を使ってしまった。

『空気砲』という武器。体内に仕組んだ強力な圧縮ポンプで圧縮された空気を一気に放つことで人ぐらいなら軽く吹き飛ばせる。でも、今回はこれがまずかった。

空気砲を放つ時は他の部位に損傷を与えないように腕が変形してしまう。それがデロックに見られた。

デロックは私が自動人形だと知ってしまった。自動人形は人に近いほど高値で売れる。お母さんの完璧な設計により作られて擬似人格まで持っている私は金儲けには最適だと考えたんだろう。

私たちは急いで王城周辺の森を出て街に入った。

だがデロックは国王に通信用魔道具で連絡をとり、重大な犯罪者を見つけたなどと言って国王軍を街に送り込んだ。


これが楓に見せていない部分。お母さんは私があそこで空気砲を使ったせいで国王軍と対峙しなければならなくなった。私は間接的にお母さんを殺してしまった。

でも、私が怖いのはそこじゃない。楓はきっと私を許してくれる。いや、許してしまう(・・・)

そうすると私は救われる。でも、楓たちが救われなくなってしまうかもしれない。


「私は、一緒にいてもいいんだろうか……」


そっと呟く、その時だった。


ーードォオオオオオン!!


地上で轟音が響いた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◇視点デロック(96年前のあの人の孫)


私が子供の時、祖父は死に際にあることを言った。

”Sの作った自動人形を見つけろ”それを聞いていたのは父と私と特に信頼している使用人数名。

祖父は画家に描かせたであろう似顔絵を書斎の引き出しに入れていた。


(やっとだ…やっと…)


私たちは大量の文献を漁り、Sについて調べ上げた。そして、ある森に捜索範囲を絞ると60年ほど調べ尽くした。その最中に父が病で倒れ、私が公爵家を継いだが、それでも捜索は続いた。そしてやっとSの基地を見つけた。

96年間全く外に出てこなかった自動人形はいくらか成長した様子で出てきた。なぜ今になって出てきたのかわからないが、やっと祖父の願いを果たせる。


「全体に確保しろ!!」


国王から借りた国王軍の精鋭たち。

私はそいつらに命令して基地があると思われる場所に一気に大量の石を投石機で投げさせた。

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