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日記

章の付け方がやっとわかった……

改めて読み返してみると、一話の量が少ないことを再確認。こちらの事情でこれからもこれぐらいの量が続きますが、ご了承ください。

文明の利器。辞書で引くと、

『物質的文化の発達によりもたらされた、便利な機械・器具。』

普通に便利な道具に与えられる称号。錬成師Sはいわゆる文明の利器を大量に生み出し、人々の生活を向上させたことで知られるが、一方で治たちに多大な精神的疲労を負わせた。


「スマホ(仮)のアプリとして使ってるんだったらいってよぉ……」

「もう探し物はしたくありません……」

「俺もだ……」


スマホ(仮)が爛々と輝く中その周囲に座り込み、“どよ〜ん”という効果音が似合うランキング第一位を秒殺で獲得できそうなほど落ち込んでいる面々(治たち)


「そういえば私たちはなんで日記を探してるんでしたっけ?」


一番早く復活したのは琴美。数日間の激しい戦い(さがしもの)により失った記憶を取り戻そうとする。


「なんでだっけ〜?」

「どうでもいいだろ〜?」

「そうですね〜」


全く協力しない二人。なんかもうアホらしくなってきた琴美。


「じゃなくてっ!そうです、日記に何か大切なことが書いてあるんじゃっ!」

「はっ!私今思考が飛びかけてた。ありがとう琴美ちゃん!」

「そうだったな、起動してみるか!」


琴美の意識が完全に覚醒。それに伴い治と楓も意識をこちらの世界に引き戻される。

覚醒した意識でアプリを起動する治。

画面に可愛く『〜☆よみこみちゅう☆〜』と書いてあるのが荒れていた気持ちを落ち着かせ……


「「「ムカつく!!」」」


ることはなく。逆に煽ってしまったらしい。

しばらくして(といっても1分たってない)読み込みが完了した日記が起動する。

スマホは他の魔道具と同じように大きさを元に戻すことでタブレットにすることもできることがわかった。


「一番古いのはこれですね。」


琴美がそういって画面をタップする。無駄に洗練された本をめくるような演出の後、日記が画面いっぱいに表示される。


〔1日目

 試行錯誤の結果やっとスマホが完成。通話機能とカメラ機能だけだと少し物足りないから日記機能をつけることにした。魔法創作の手順がプログラム言語と似てて助かった。〕


1日目の出だしはこうだった。文面を見る限りスマホが完成した日から書き始めて毎日書いているんだろう。

一日の文の長さはそこまで長くなく、これぐらいの長さの文がずっと続く。

パラパラと(本当はスクロールしているのでこんな音は出ない)見ているとある記述が目に留まる。


〔40日目

 楓用にビデオメッセージを残した。ビデオメッセージでも言ったので、少しあっちの世界との関係性を記しておく。私が楓用に残したメッセージが読まれる確率はものすごく低い。でも一応書いておく。

ビデオで言ったと思うけど、こちらの時間の進み方とあちらの時間の進み方では10倍ぐらい違う。そう考えると、次にあちらの世界から転生者が来るのはあちらの世界が10年たった頃だと考えた。そして、もう一つビデオでは言ってなかったことだけど、この世界に衛星を打ち上げて撮影した航空写真とあちらの世界の地図を縮尺をいじって重ねてみた。すると、新しくわかったことがある。〕


俺はスクロールする。下には3つの画像が添付されていて、一つはあちらの世界にある俺たちのA市周辺の地図。もう一つは楓さんが打ち上げた衛星から撮ったであろう航空写真。最後に、その二つを重ねた画像が出てくる。


「これは……」

「どういうことでしょうか……?」


楓と琴美が呟く。

俺はかまわずスクロールする。


〔わかってもらえたと思うけどあちらの世界とこちらの世界には重なる部分(・・・・・)が存在する。A市内と王城内の部分に共通するものが多く、例えば一高と三高の分かれ道にある歩道橋と王城の中にある渡り廊下。王城の中の神殿とA市唯一の神社。そして、一高・二高・三高と王城を取り囲むように存在する三つの塔。

私は重なる部分をどんどん線で結んだ。すると現れたのが超巨大な召喚の陣。〕


スクロールしたところにあったのは何やら書き加えられた先ほどの画像。

無数の線が幾何学模様を描いていて、その中心にあるのが王城の召喚の間。一高と二高と三高を直線で結ぶと綺麗な三角形になることは結構有名だったが、まさかここにつながるとは思わなかった。

この陣は見覚えがある。三高の2年A組でみた俺たちを召喚した陣。これほどの大きさになると起動させるのに必要な魔力は尋常じゃないだろう。それこそ、()ぐらいの存在が必要だ。


〔この陣について独自に調べたの結果、塔が立ってるところはかなりのエネルギーが集中するみたい。あちらの世界では爆発でも起きてるんじゃないかな?それで、エネルギーが集中することによってあちらの世界で塔とシンクロした位置にあるところにいる何十人かがこちらに引っ張られる。

この陣は魔力不足だと呼び出せる人数が減ってしまうらしくて、通常は一高・二高・三高から呼び出されるけど、魔力不足だと三高のあるところからしか召喚されないみたいだった。

私はそれらを踏まえて10年後に楓が三高に通ってて召喚に巻き込まれるんじゃないかと思ってこういう処置をした。ハーブには楓を戦闘職につかせないようにお願いしたから、王城を追い出された時にこっちに来てくれるようにルピナスも作った(・・・)し、準備万端でしょ?そうそう、ルピナスも一応私の娘だからね。お姉ちゃんは優しくしてあげなきゃダメだよ?たとえ自動人形でも(・・・・・・)。これが私の調べたこと。ハーブには楓を見守るように頼んだから楓は安心していいよ?〕


なるほど、あの事件の爆発はそれが理由か。それにしても菫さんは万が一の可能性を考えてこれらを作ったんだな。そして案内役に自動人形(オート・マタ)のルピナスも作って……


「「「ん?」」」


なんか今日は3人でシンクロしてばかりだと思う。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◇視点???


「王国軍は揃ったか?」


最終確認をする。目の前にある森のあるところにSの研究所があると聞いた。約100年前から果たせなかった先祖の夢。『Sの遺産』がもうすぐ手に入る……


「はい。準備は万端です。」

「よし、突撃だ!!」


森の中を軍隊が駆け抜ける。


やっと話が進みつつある……

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