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楓の試験

「目標は20分だよ!いってくるね。」


私はそういって洞窟に向かって歩き出す。琴美ちゃんと治くんの二人は神気を使えるから私が後にいったら魔術が機能しなくなるらしく、私は一番最初に洞窟に入ることになった。

正直悔しいし寂しい。このままだと私は二人と一緒に戦えない、治くんの隣を歩くことができない。


「気をつけろよ!」


治くんはいつもこうやって私を気にかけてくれる。だから私はそんな愛する人を心配させないように満面の笑みで手を振る。私は、強くならなきゃいけないんだ。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『おお、きたか。ハイスピードで来たとしても木々が邪魔で手間取るんじゃないかと考えていたが、ずいぶん早かったな。空でも飛んできたのか?』


邪魔な中級魔獣達をやっつけてくれていた(この言い方の方がカワイイでしょ)銀狼さんが迎えてくれた。


「ううん、治くんが『障害物透過』をバイクに付与したの。」


『あのバイク、神話級といっても通じるレベルに成長したな……』


銀狼さんがヤレヤレしてる……わからなくないけど。


「それより、私の獲物は?」


強くなることを意識しすぎて少し問題発言をしてしまった。でも獲物は近くにいるんだ、やっつけなきゃ外には出られない。


『一応上級魔獣は楓用と琴美用で部屋を作って分けといたが、階段を忘れてな。楓はあの一番上の部屋だが、登れるか?』


あの部屋か、4,50メートルはあるかな?まあいいや、私も強くなったんだし、登れるだろう。


「う〜ん、どうだろう。まあやってみるよ。銀狼さんなら大丈夫だろうけど、少し離れてて。」


そう言うと私は屈伸のように足を曲げ、足元に魔力を集中させる。そして身体強化魔法を足に集中させて使用した後に跳躍し、一気に30メートルは飛び越えられるほどの勢いで飛び出すが、それでは足りないことがわかっているので後方に言わずと知れた爆裂魔法<エクスプロージョン>を放ち、爆風で一気に加速する。


キュンッッという音とともに楓が飛んでいき、一気に銀狼が作った部屋の入り口まで飛んでいく。私はそこに近づくと入り口の少し上に魔力を込めた腕を突き刺す。この前も言ったが魔力は闘気の上位互換なので体内に魔力を流し込み、さらにそれを集中させることで闘気術と同じようなことができるのである。そして楓は腕を突き刺した状態だが、すぐに頭の中で計算式を組み立てて安全を確認した上で土魔法を使い足場を作り出しその上に着地する。楓は物理のテストはほぼ毎回満点なので岩の強度や重さ、自身の重さ(乙女の秘密)を元に崩れないように計算するなんて造作もない。楓は簡単に作られた洞窟の奥へと歩みを進めた。


と、簡単にやっているが、実はとんでもないことだったりする。この無詠唱だがこれは魔力を集めてイメージを固めるための詠唱の段階が全くないのは、明確なイメージと魔力を操る能力の二つが必要になり、『無詠唱』スキルを使うか『魔力操作』で魔力を操りつつ明確なイメージで自然に影響を与えるかの二つの方法しかないが、楓が使ったのはどちらにも当てはまらない新しいやり方であり、スキルを使わずに直接魔力を操るということは普通の人間にはできないことである。


この魔力が直接操作できるという意味不明なことができるのは『逸材』の影響である。

『逸材』は正確には『ただの成長スピードの上昇』ではなく『一緒に修行する仲間の誰よりも成長が早くなる』というもので、治と琴美も『逸材』を持っていることから無限ループ的に成長スピードが上がった結果、神により決められた人の身における上限にまで成長スピードが上がった。治は自覚なくやっていたがとんでもないチートである。

そのため、一瞬で成長するのですぐに仙人と言われる何千年の修行の末にたどり着ける境地、人の身でありながら神気を扱える人間になりかけているのである。

その予兆として神気の陰とも言える魔力は操れるようになり、無詠唱や闘気術の上位互換などが簡単にできるようになったのである。つまり、修行を続ければ楓も神気を操れるようになるのである。


そんなことを知らない本人は少しでも周りに追いつくために真っ暗な洞窟に入るとすぐに周囲の魔力の流れを読む。これも成長によって魔力を感じられるようになったからである。


(あそこに5匹まとまってて、あっちには3匹で、あとはバラバラってところかな?お互いにたたかわないところを考えると全部同じ種類で、社会性がある魔獣……エンペラービーってところかな?確かスキルは『団結』と『気配察知』だった気がする。火に弱い魔物だから気づかれる前にやっちゃうか!)


楓は少ない情報をもとに最善策を考え出し、実行する。


エンペラービーは蜂の魔獣で大きな蜂の黄色い部分が緑色になったようなものである。正直虫が苦手な楓は触りたくなかったが仕方がない。虫系の魔物なので火に弱く、エクスプロージョンで吹き飛ばしてもいいのだが、討伐の証であるコアの回収ができなくなるので一体一体確実に殺していくことにした。


まずは自分の体に魔力を流し、周りの魔力の波長に同調させることで、本能的に魔力の流れの変化を察知する『気配察知』を封じる、要するに簡易気配遮断を行う。『団結』は集団で戦うことで全体の士気、体力を底上げするスキルで社会性のある魔獣は大体持っている。これを使われるのは厄介なのでバレる前に叩くのだ。


完全に同調させた後、近くにいた5匹を仕留めにいく。炎が光るとバレてしまうので、完全に魔力の波長を合わせた光魔法を使い5匹を覆うと5匹に確実で無駄のない発火魔法を放つ。するとエンペラービー達はこちらを確認する暇もなく消滅していく。光魔法で光の色を他と全く同じにしているのでそれに気づく者(魔獣)はいない。


次に3匹の方も同じようにして燃やし尽くした、その時だった。残りの4匹のうちの一匹が楓の方を向いた。気配は消しているが姿はもちろん見えるので、楓に気づいた1匹が騒ぎ出す。楓は魔力を同調させるのをやめ、その1匹に風刃を食らわせ絶命させる。と、残り3匹が連携し始めた。きっと『団結』を使ったのだろう。だが楓はゆっくりと近づくと魔力を操作し出す。すると3匹は包み込まれるように岩壁から現れたかまどのようなものに入れられた。

楓は不完全燃焼にすることで一気にコアを燃やさずに3匹を燃やせるのではと考えた。正直、コアを燃やさないように1匹ずつ火力を調整するのがめんどくさかったのである。

出来上がったかまどの中ではエンペラービー達が騒いでいたが、楓はレベル上げのために燃やすことを決意する。


「ごめんね」


そういって3匹を燃やす。楓はコアを回収し、風魔法で落下速度を減少させつつ飛び降りる。


『タイム、5分42秒!合格とする!』


あら、タイム計ってたんだ。

少し長めに書きました。

感想を一件、ブックマークを一件いただきました。本当にありがとうございます。


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