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狼との戦い

「うぁぁぁぁぁぁ!」


治くんの声が聞こえた。


「楓さん、今の!」


琴美ちゃんの顔が不安に染まる。

大丈夫、治くんは戻ってくるっていった。


「大丈夫、治くんは私に5回しか嘘をついたことがない。」


「嘘をつく可能性はあるんですね。」


琴美ちゃんの顔が少し和らぐ。成功したみたい。


「琴美ちゃん、こっちであってる?」


「はい、だんだん近づいてます。」


琴美ちゃんは感じることができるらしい。


「そこです!」


琴美ちゃんが言った場所は岩壁だった。だけど突っ込む。互いの言うことを信じるぐらいの信頼関係は築けてる。


岩壁に突っ込むと、不思議な感覚がした。

突っ込んだ時はふわりと包み込むような感覚がして、そのあとに進行方向に弾き飛ばされるような、そんな感覚がする。


岩壁を抜けるとそこには神殿があった。立派な神殿で、真ん中の扉には右と左それぞれに本と金槌が描かれている。


「琴美ちゃん、あれ。」


「やはり神殿でしたか。」


「やはりってことは心当たりがあったの?」


「はい、人がスキルを使う時って神の力を感じるんです。きっと時空の神ハラナ様が生物にスキルを与えたからだと思いますが、所詮は人の身、純粋な力を出せていないんです。でもここからは混じりけのない、純粋な力が感じられたため、神かその神が作ったものがあるんじゃないかと。」


「でもなんでこんなところに?」


「扉の装飾を見る限り、ここは言語の神カーム様と、職業の神ダンタ様の神殿だと考えられます。言語の神カーム様は魔人を創ったとされ、人々に嫌われているためここに作り、幻術で隠したと思われます。」


『その通りだ、よくわかったな。』


不意に頭の中に声が響くと、岩壁から狼が現れた。


『神気を感じる小娘か。確かに稀だが、神気を可視化できる小僧の方が少ないな。まあ、あの程度で倒れるようじゃ違うんだがな。』


治くんが倒れた……そんなはずない、戻ってくるって言ってたもん。


『神気を感じられる小娘、お前はなぜ感じられる。』


「私は代々巫女をやっている周防家の長女。神の力を感じる程度、造作もないです。」


『巫女の末裔か、なるほどな』


「治くんは、治くんはどこ!」


『あの小僧なら先ほどの場所で倒れてるはずだ。』


治くんが死んだ……そんなはずない、絶対に。


「治くんは死んでない。絶対に!」


『そうか、じゃあお前らを始末したあとにもう一回殺しに行くか。ここを見られたんだ、殺す理由には十分だろ。』


そう言って狼は琴美ちゃんに襲いかかる。


「琴美ちゃん!」


すると琴美ちゃんは日本語で(・・・・)何かを唱え始める。


「神よ、そのお力をお分けください。私に、力を拒む盾を!」


琴美ちゃんを中心に風が渦をまく。ほんの一瞬琴美ちゃんが輝いたように見えた。


キイィィィィィィン


狼の爪が琴美ちゃんの目の前で何かに阻まれる。


『神気でシールドを作るか。お前、なかなか使い慣れてるな。』


「そういう家柄ですから。」


『そうか、だがまだまだ甘いな。』


そう言うと狼が光始める。私でも見えるほどに、琴美ちゃんの一瞬のあれとは違い今度はずっと光っている。


パリィィィィィィン


何かが割れる音がした。そして琴美ちゃんの胸あたりが切り裂かれる。


「琴美ちゃん!」


慌てて駆け寄る。治癒魔法を使おうとするが、魔力がなぜか集まらない。


『終わりだな』


治くん、ごめんね。また背負わせちゃうね。





◇視点治


岩壁の奥が強く光る。

光の壁が見えなくなり、先の尖った爪のようなものがふり降ろされる。

きっと狼の爪だろう。光の壁は誰がやったのか知らないが。


「琴美ちゃん!」


楓の声がする、急がなきゃな。

俺は岩壁に突っ込む。


『終わりだな』


「させるかよ!」


楓と狼の間に割り込む。


「『闘気術』、『腕力強化』!」


闘気術で左の腕と右の腕に闘気を集中させ、腕力強化で腕力を底上げする。

狼の爪を左腕で受けて右腕で狼の腹にパンチを決める。


『がはッ……』


吹っ飛んだ狼が壁にぶつかり、ドゴォォォォンという音がする。


「治くん!」


「心配かけたな。」


「そうだよっ…もう、ダメかとっ…」


楓が泣き出す。心配をかけたな。


「治くん…無事だったんですね…」


琴美が胸あたりを苦しそうに押さえながら言う。


「楓、治癒魔法は?」


「なんか魔力が集まらなくて。」


「じゃあ、琴美の手を握って治癒スキルを使え、治癒スキルは基本的に自分を治すものだが、接触することで他人に対しても使える。外傷も魔法効果も治癒してくれる。」


「わかった、『癒し』」


琴美と楓が光に包まれる。成功だな。


「さて、俺の仲間にも手を出したんだ。さっきの分も合わせて、やらせてもらうぞ。」


『先ほどのは私を騙したのか。面白い!』


狼が襲いかかってくる。


「『スキル究極化』…『天才』!」


『天才』を『究極化』して、何重にも使えるようにする。『究極化』は一回使うと5日間のクールタイムが必要なので必要な順に究極化していこう。


「『視力強化』、『瞬発力』、『無拍子』、『闘気術』、『腕力強化』、『脚力強化』!」


6個のスキルを同時に使う。

視力強化で動体視力を強化して相手の動きを目で追った後、瞬発力、無拍子で予備動作を消した最初からフルスロットルの状態で走る。脚力強化により人間の域を脱したスピードで走り、闘気術と腕力強化を併用した腕で狼の爪と己の拳をぶつける。


ガキィィィィィン!!


『グハッ!!』


俺の腕が狼の爪を砕き、再度壁へと吹き飛ばす。


『お前、何者だ?』


狼がきく。


「ただの小説家だけど?」


俺は答える、少しの間。


『ふっハハハハハ、そうか、お前が、あなた様が継承者か。やっと見つけたぞ。』


狼は笑って言う。

継承者?なんじゃそりゃ。

今回も読んでいただき、ありがとうございます。

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